技能の説明・防壁
▶力学結界
「さて、管理者級を目指すうえで身に着けたい基本技能、その1。
“力学結界”の説明をするよ」
「自分に飛んでくるものにベクトルをかけて防御する領域。だっけ?」
「うん。魔法そのものの説明の時にも言ったね。
あの時は飛んでくるものの一部に異なるベクトルをかければ空中分解させられる!
って感じで言ったと思うけど覚えてる?」
頷く。
「力学結界の設定モードを説明するね。
そもそも力学結界とは脅威となる運動エネルギーを伴う物質に対し、
そのベクトルを操作して防御する防御領域なんだけど、
すなわちそこから考えられる防御方式は4つあるんだよ。
・垂直方向のベクトルを印加して逸らす
・反対方向のベクトルを印加して止める
・反対方向、かつ脅威のベクトルの絶対値以上のベクトルを印加して反射する
・脅威の物質を粉砕する
以上4モードがある。」
「つまり、調整できるんだ?」
「そうそう。向かってきてるものの速度を解析して、ちょうどいいモードを選択するというのも
重要な技術だよ」
「ひゃー……。できる気がしない……」
▶高密度結界
「さて、基本技能、その2。
“高密度結界”の説明をするよ」
「初めて聞いたよ。なにそれ?」
「まあ、バリアをイメージしてくれればいいよ。
方式はいくつかあるけど。
……うわ、めんどくさそうな顔」
「だって、またあれでしょ?正しい選定が重要ってやつ」
「安心してよ。これはそういうのじゃなくて人によってやり方が違うってだけの話だから」
「ならよかった」
「基本的なやり方は、まず魔力を球状に集めて、なにか物質と結合させて、凝集させて壁にする。
って感じ。細かいところで性格が出てね。
そもそもの形状を変える人、空間装甲にする人、
空気の粒子すべてと結合させる人、窒素だけと結合させる人、
氷4とかTNTを織り込んで爆発反応装甲にする人……」
「あ。もういいです」
自由度高いんだね……(白目)。
「さて、力学結界と高密度結界って相性関係はっきりしてるんだよね。
なにか思い浮かぶものはあるかな」
……?わかんない。
「・力学結界は運動エネルギー攻撃に強い。化学エネルギー攻撃に脆弱。
なぜかというと、力学結界=ベクトル操作領域のこと。
単一の力には強いが、圧力みたいな波には弱い。
・高密度結界は化学エネルギー攻撃に強い。運動エネルギー攻撃に脆弱。
これは魔力の壁。爆発は壁で防げるが、貫通には弱い。
こんな感じ。二つまとめて習得しておいて一気に展開するのが一般的だね」
「へー……。できるかな」
「まあ、頑張っていこうか」




