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「じゃあ、水の操作とかって難しそうだね」

前回のまとめ

魔法とはベクトルを印加する技術。

防御手段も存在する。


「ベクトルを加えて物を動かすのが魔法……?

あれ、水とか風ってどうなるの?」


「それに限らず、粘性の低い媒体はその問題が付きまとうね。

答えは、正解。すごく難しい。」


「だよね。ばしゃってなってうまく動かせないじゃん」


「単一のベクトルで操作すると、どうしてもそうなる。

実用化するには、画像処理みたいなことをしないといけないんだ」


画像処理──その言葉は私にはピンとこなかった。


「画像処理ってさ、このピクセルはRGB(100,150,255)で……みたいにデータを扱うだろ?

流体を操作するときも同じで、場所ごとに別々のベクトルを掛けないと渦は作れない」


「うーん、風の矢!みたいな?」


「そんなイメージ。

渦を作るには、同じ場所でも向きや強さを変えつつ、収束や圧縮を制御しないといけないんだ」


黒羽が両手を突き出して人差し指を突き出す。

そのまま右手を上側に、左手を下側に向けて……。


あれ、なんか空気が歪んでる、つむじ風?が起こってる。


「みて、場所ごとに風の向きが違うよね。こういう感じに全く違う向き……、

まったく違う“三次元ベクトル”をかけないといけないんだ。

なんなら、この向き、大きさの運動で周りの流体はこう動いて、

これなら渦を阻害する脅威度は低いな。

とか演算して……」


よく、演算できてるね。頭がパンクしそう。


「実際生体脳で演算しきれないよ」


え?じゃあどうやって……


「答えはこれ、BMI(脳マシンインターフェース)。

法術師たちは慣例で拡張脳って呼んでる」


黒羽が首筋からネックレスを外す。

いや、今の言い方だとこれこそが体と接続して演算補助する機械なんだろうな。

機械と脳を繋げてる――その響きに、背中がひやりとした。


「うん。こうやって機械に演算してもらわないと演算なんてとてもできないからね。

──“ベクトル場”の操作・制御。

渦抵抗などバタフライエフェクトじみた影響の精査。

それによってかけるべきベクトル場の変化を想定する……」


「うへ。やる気無くすね」

聞いただけでもげんなりとする。


「絶対無理。だから僕たち法術師は機械化を選んだんだ」

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