技師さんの暇つぶし
「さてさて助手君質問だ。人間を人間たらしめる物ってなんだと思う?」
技師さんがいきなり聞いてきた。いつもの暇つぶしだろうか。
「急にどうしてんです。哲学ですか?」
一応、話に乗ってみる。
「違う違う。そんなに難しく考えないでくれたまえ。君が人間を人間だと認識する理由はなにか、それを問うているだけさ」
……こうは言ってはいるが、技師が質問するときは「明確な答え」が求められているときだ。それも正確に言えば「技師が求めている正確な答え」をだ。
一見、横柄な人物に聞こえてしまうかもしれないが、彼女の場合はこれでいい。天才で自己完結をしている彼女の世界では答えを聞く前から答えを知っている。彼女が質問するときは大抵暇つぶしであり、かつ彼女の世界をより強固にする儀式みたいなものである。博士と違って「知っている前提」で話されるより幾分かマシではあるが……正直、面倒くさいことに変わりはない。
「えーと、じゃあ言葉を話すこと、とか」
「ぶっぶー。はずれ」
僕の認識にはずれもなにもないだろうに。
「……じゃあ意思をもっていること……ですかね?」
「ちーがーいーまーす。さらに遠くなったちゃったよ」
ふむ、と考えたフリをする。これから先は考えても仕方がない。堂々巡りになるのが関の山だと過去の経験が訴えている。早々に諦めて答えを聞き出そう――そう考えたときに博士が会話に割り込んできた。
「形でしょ、それ」
web媒体での改行の仕方がわからない。
雰囲気で文を書いている……




