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7/22

深く……深く。

◆◆◇


「あさりさん! 早く次っ、したいですね!」


 興奮のおさまらない良子ちゃんと医務室に戻ると、同じ制服を着崩したギャルっぽい女の子がいた。


「お二人さん……そんな所から出てきて、何してたの?」


 不覚にも隠し通路から出てくるところを見られてしまった……。汚れた血ではないようだが、目撃者には消えてもらうしかない。髪留めにしているかんざしに手を伸ばそうとした時だった――。


「ジュ――ン!」


 良子ちゃんはそう言ってギャルの子に抱きついた。


「お見舞いに来てくれるの遅いよー」

「ああ、ごめんごめん。キモい神官たちが中々帰してくれなくてさ。元気そうで良かった」


 はじめに来ていたクラスメイトたちとは、明らかに良子ちゃんの対応が違う。


「あさりさん。この子、私の幼馴染みのジュン。帆立純ほだちじゅんって言います。この子も一緒に連れて行って良いですか?」


 この状況……すぐにNOとは言えなかった。


〜〜〜


「帆立さん。ちょっと良子ちゃんと、二人で話してもいいかしら?」


 帆立さんに汚血の表示がないのは良しとして、少し先走った良子ちゃんとは話さないといけない。


「あ、ジュンでいいですよー。自分、何か食べ物でも貰ってきますねー」


「あーやっぱりジュンは気が利くなあ。なんであんた、男じゃないのよ!」


 そう言った良子ちゃんに、ジュンさんはあっかんべーをして医務室を出た。


「良子ちゃん」と名前を呼ぶのを待たずに、良子ちゃんは私に謝った。


「ごめんなさい。私、バカだから小さい頃から同級生にからかわれてて……だけど、ジュンだけは私を庇って一緒に遊んでくれたんです。だからお願いです。私の親友を一緒に連れて行ってください」


 良子ちゃんは恐らく、私が彼女を殺そうとしたのに気づいていた。


「……ひとつだけ。絶対じゃないけれど、ジュンさんにも見えるようになる方法があるわ」


「やります!」


 良子ちゃんは内容も聞かずに答えた。


「私の前で、彼女と…………ディープキスできる?」

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