第4話:JK
◆◇
「あさりさん……。この階段、一体どこまで続いてるんですか?」
私と良子ちゃんは医務室の隠し通路から、地下室へと続く階段を降りていた。
もちろん偶然なんかではない。前世で、処刑場として使ったことがある……ただそれだけのこと。
「良子ちゃん。もう少しだから足元、気をつけてね」
「――ヒャアッッ」
ボスっと、尻餅をついたような音が聞こえた。
振り返ると、パンチラ女子高生が涙目になって私に救いを求めている。
「……ベタだねぇ」
「あさりさん、ここだけ……ベッタベタなんですけどぉぉぉ」
「あら、ほんと」
手を取ると、ベッタベタの柔らかい手の感触があった。
〜〜〜
「良子ちゃん。着いたわよ」
「……棺桶?」
階段を降りた最深部――広間の真ん中にポツンと一つ置かれた棺桶。
私はこの棺桶の中身に用があった。
早速、開ける。
白い布でぐるぐる巻きにしたものと、抱きつくように横になった白骨化した前世の私がいた。
もちろん、ぐるぐる巻きにした中身は死体。
「ヒィッッ。あさりさん……こんな事していいんですか? ……バチ当たったりしませんか?」
医務室では人を殺したいと言っていた子が、墓荒らしには寛容ではないとは……不思議な子である。
「大丈夫、大丈夫ー。良子ちゃんも、この白骨化したのを出すの手伝ってー」
〜〜
「じゃあ、カイトくん改め。勇者の子は……そこにあるのと同じように、医務室のシーツでぐるぐる巻きにしてこの中で死ぬまで監禁。死んだ後はミイラになって貰いましょう」
「えっ? あさりさん、ほらもっとこう……後ろからブスッと刺したり。首チョンパしたりしないんですか? 他にも軟禁して――――――」
しばらくの間、良子ちゃんが想像していた痛め付け方や殺し方が続く――。
良子ちゃんの話を遮るように、私は切り出した。
「良子ちゃん。彼のレベルは10の68乗、無量大数の汚れた血。そんな血が流れたら、見た目では拭き取ったように見えても……その汚れは取れないわ。だから、あれほどの大物はミイラにするのが一番なの……。わかって……」
期待を裏切ってしまった。あんなに……目をキラキラ輝かせて『あの子たちを殺したい』と言っていた良子ちゃんを……。
私は彼女がどう思っているのか怖くて、顔を伏せてしまった。
「あさりさん!」
私の肩をガッと掴んで、良子さんが呼んだ。
「な……な……な……」
良子さんは言葉に詰まってるが、これから私は罵声を浴びせられる――。そう思っていた。
「なんて綺麗な消し方なんですかっ!」
そう言った良子ちゃんは息が荒くなっていた。はあ、はあ、させながら首筋には汗が流れている。
「あさりさんの事です。カイトくんが居なくなったあとのシナリオ……もうあるんですよね?」
もちろんYESだ。
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