第33話:マイペース
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「あああああああああ。ひと仕事あとの風呂は違うねぇぇぇ」
「あさりババくさい」
「まこちゃん、そんなこと言っちゃだめでしょ」
大浴場を犬かきで泳ぎ回るまこちゃんは小学生にしか見えないが愛らしい。
「いいのいいの~~。良子ちゃんが二位で、自分がブービー賞だったことを僻んでるんでしょ」
「それにしても……マスター大丈夫ですかね? 出張マッサージの導入と管理だけでも、あんなに大騒ぎだったのに……」
「……まあ、なんとかするでしょ」
実際のところ、コンテストで棚ぼた的に発生した契約は蛇足に過ぎない。この旅館の一室を借りれることが決まった時点でノルマは達成。
ついでに私たちは高額出張マッサージのおじさんが事業拡大をしたいが、急なプラン変更による従業員の猫糞を懸念していることを知り、『漫喫のMaria』で一緒に決済すれば解決できるのではないかと提案し、店側が5%のキャッシュバックを得る事で合意に至った。
なんせ全国に支店を持つ『漫喫のMaria』、高額出張マッサージの未来の従業員たちだって毎度毎度のように辺境の地には行きたくないだろう。誰だって色々と揃った街中に住むのが楽だ。
「……まあでも、しばらくは帰らない方が良さそうね」
「……ですよね」
馬鹿みたいに大手を振って帰った時、どれだけの仕事を手伝わされるかを想像したら寒気がした。
「ちょっと今日の湯加減はぬるめね……」
「……そうか?」
勇者様は今日もマイペースだ。
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