第32話:野暮用
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「――ありがとうございました! では早速、審査員の方から一言いただきたいと思います。……勇者一行の大神官で今回、特別審査員を急遽受けていただく事になりました『アシャーリ・カメイ』様、よろしくお願いしますっ!」
参加条件の年齢制限に引っ掛かってしまった私は、特別審査員に抜擢されてしまった。
「ゴホン。ご紹介にあずかりましたアシャーリです。実は先ほどの方は私たち勇者一行が宿泊させて頂いている旅館の子でして。お父様と親子二人三脚、質の良いサービスを受けさせていただいています」
会場の見物人からオォォォと歓声があがる。
「また、彼女は私どもの野暮用にも大切な一室を貸していただけるように計らっていただき感謝しかありません。もしも私が男性として生まれてたとしたら、彼女の様な女性をお嫁さんにと願ったことでしょう。以上で私の一言とさせていただきます」
そう言って一礼した。会場ではさらなる歓声があがる。
ククク、これであの二人が優勝する事はまず無いだろう。だいたい年齢制限が二十歳までとか「ふざけんじゃねぇ」つーの。
「ちなみ……その野暮用と言うのは……?」
獲物が掛かった瞬間であった。
「いえいえ、大した事では無いんです。私どものスポンサーである『漫喫のMaria』で扱ってる書冊を置いていただくだけですの。もちろん、先ほどお話しした旅館には優先的に『新刊、人気作』を準備いただく様に計らいますわ」
「なんと! あの、全国展開している……。すみません、脱線してしまいました。興味のある宿屋の方はコンテスト終了にお聞きになってくださーい」
会場がざわついてる。もちろん、進行役のコンテスト主催の奥様もグルだ。
コンテスト終了後、協力いただいた奥様は日本円にして百万円相当のマッサージ、レンタル浴衣、ヘアメイク利用権を手にした。もちろん、私たちもこの街の約八割近い宿屋と契約を結んだ。
結局、いくらの利益になったかは知らないが……コンテストは旅館の子が無事、優勝した。
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