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孤煌のマリア 〜神殺しじゃかみあわないッてば!〜  作者: 湘南
第一章:神合わない:前日章
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第2話:お尻

 私は今、夢を見ている……。


 夢を見ていることに気づく明晰夢めいせきむというやつか。私の最大深層の記録は二階層までだが、別にそんな事はどうでもいい。


 ここは……海の中。

 深く……深く……堕ちていく感覚が気持ちいい。


 少しずつ遠ざかる……

 海面から差し込むキラキラした光り。


 このまま……。どこまでも堕ちていきたい……


~~~


 目が覚めると、見覚えはないが……どこか懐かしさを感じる天井があった。

 医務室だろうか……消毒液の匂いが漂っている。


 仕切り用のカーテン先から、鼻をすする音が聞こえた。


「大丈夫だよ。カイトが『勇者』みたいだから、私たちは戦わなくてもいいって」

「違うの――。みんなには……見えないの?」


「見えないの……って、何を?」


 バサッとシーツの擦れるような音が聞こえた。

 それを境にカーテン越しに聞こえる会話は、女の子を質問を最後に途絶える。


「……じゃあ、リョーコ。また後で来るから」


 同じ制服を着た三人の女の子たちが私のベッドを横切った――。


「やっぱり……。汚れてる」


 さっき中庭で見かけた……汚れた血の女子学生さんたちだわ。


 胸の奥から……『どうやって(ほうむ)ろうか』と胸が高鳴る。

 はあ……はあ……はあ……。身体が熱い……。


「……だめよ。まだあの子たちは、言うならば完熟前の桃」


 そう自分に言い聞かし、興奮を抑える。


 ふと、さっき女の子が言っていたことを思い出し――仕切り用カーテンから(のぞ)いてみることにした。


 不覚にもシーツに(くる)まった女の子と……目が合ってしまう。


~~


 目の合った私を、彼女は自分が横になっていたベッドへと招いた。


良子りょうこ……。浜栗良子はまぐりりょうこ、高校二年です」


「亀井あさり……専業主婦でした」


 気まずい……興味本位に(のぞ)くんじゃなかった――。


「……さっき、亀井さん。私のクラスメイトに『汚れてる』って言ってましたよね?」


 ――聞かれてたあああああ。薮からスティック……いや、ニャースにねこだまし!

 あぁ終わった。いや、待つのよ私……まだ慌てる時間じゃないわ。


 私の返事を待たずに浜栗良子さんは続ける。


(よご)()? オチレベルが亀井さんにも見えてるんですか?」


 私の前世の記憶ではその事を聞かれたことは一度もない……。

 初めての同類――。私は直感的にそう思った。


「……オチレベルじゃないわ。『汚血おけつレベル』って読むのよ」


 私は、初めての同類に言った。


「亀井さん……おけつレベルってふざけてるんですかっ?」


 そう言って――小さなおしりをプリッと、私に向ける浜栗さんの顔は少し赤らめている。


 良子ちゃんは何をしでかすか分からない。

今回もご愛読いただきありがとうございました!


「面白かった、笑えた、失笑した!」

「続きが気になる、読みたい、意味がわからなかった!」

「今後どうなるのっ、話の展開が見えた、ドロップアウトします!」


と思った方は……


下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援おねしゃす!


面白かったら星5つ、自分には合わなかったら星1つ、正直に感じた感想で大丈夫です!


ブックマークもいただけると、血反吐をはいて悦びます。


よろしくお願いしますッ!m(_ _)mm(_ _)m

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