第17話:晩飯前
「うおおおお、さすが勇者様ああああ」
『子どもは褒めて伸ばすタイプ』の私がそう反応すると、まこちゃんは鼻をこすって謙遜した。
「まあ、こんなの晩飯前だし!」
勇者様は気分を良くしているようだ。じゃあ、この調子で働いてもらおう――――
「さすがです! じゃあ、あそこの魔物よろしくお願いします」
「……えっ?」
私が指さした先は……薪を拾いに行った良子ちゃんがオーク二体に追いかけられ、こっちに向かっているところだった。
「良子ちゃ~ん。頑張って~今日の晩御飯を連れてくるなんて、さすがね~」
「あさりさああああん。早く助けてえええええ。私が晩御飯になっちゃいますうううう」
「ええええええええ」
勇者様には悪いが実力を試さしてもらう。それが私のやり方だ。
「神官様、伏せてえええええ」
勇者様がそういうと、良子ちゃんはタイミング良く転んだ。そして……。
無数の火の玉がオーク二体に、横雨のように降り注ぐ――――。
うむ、勇者はこの程度は簡単にしてもらわないと困る。目を細め、後ろから傍観するのは良いものだ。私は指導者としてやはり優秀である――。そう改めて思った瞬間だった。
「あさりさんひどいですよおおおお」
「さすが良子ちゃん! ちゃんと自分の立ち位置をわかってるわね」
そう言って、親指を立ててあげた。勇者様は膝に両手をついて、乱れた息を整えている。
「さて、晩御飯も確保できたし。お食事にしましょうか」
私が手をパチンと合わせてそういうと、二人は……。
「噓でしょ」
「嘘ですよね」
冗談を言わないで、と言いたそうな顔で見ていた。
「ああ、ごめんごめん。まだ中には火が通ってないから、ちゃんと焼きましょうね」
「「そういうことじゃな――――い」」
私は再び、手をパチンと合わせてそういったのだが……何か間違っていたのだろうか?
今回もご愛読いただきありがとうございました!
「面白かった、笑えた、失笑した!」
「続きが気になる、読みたい、意味がわからなかった!」
「今後どうなるのっ、話の展開が見えた、ドロップアウトします!」
と思った方は……
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援おねしゃす!
面白かったら星5つ、自分には合わなかったら星1つ、正直に感じた感想で大丈夫です!
ブックマークもいただけると、血反吐をはいて悦びます。
よろしくお願いしますッ!m(_ _)mm(_ _)mm(_ _)m