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孤煌のマリア 〜神殺しじゃかみあわないッてば!〜  作者: 湘南
第一章:神合わない:前日章
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第1話:花粉

 お風呂上がり……バスローブで身を包んだまま――リビングのカウチソファーに座り、本日の一息……つまりは『自慰行為』を済ませた。


「……くちゅん」


 ダイニングテーブルの脇に転がる……息の根が止まった不倫夫と、どこぞの馬の骨かも知れない女の死体はどうしたものか――。


 見上げた天井には、一体のマリア像を囲むように三体の天使たちが百合の花を持ち――おしべとめしべが光り輝いている。


 どうしようもない状況にひとり……『孤高のマリア様』へ祈りを捧げた。


 何もしなくては状況が一転することはないと――着替えを済ませ、カーテンとベランダの窓を開けて新鮮な外気を取り入れる……。


「へェ”ェ”ェ”クション!!!」


 オヤジさながらの下品な濁ったくしゃみが出た。


 私の祈りは『孤高のマリア様』に届いたようだ。

 一瞬の強い(まばた)きだったが、目にうつる景色は違う。


「……くちゅん」


 日本中をおおった未曾有(みぞう)のスギ花粉により、この時――。


 亀井あさりは鼻腔(びくう)に残っていたスギ花粉によって。

 この日、一万回目のくしゃみを――――転移した異世界でしたッ!


 異世界人召喚の儀――通称『異世界転移』が行われた城の中庭で、(こら)えくしゃみをした私に……同じく召喚の儀でやってきた学生さんたちの視線が、一瞬だけ集まる。


 だが、私と同じように召喚された人間(ひと)たちは誰一人として気づいていない……。


 『私……亀井あさりがこの世界で、暗殺者アサシンとして一人ひとり生きていた前世(こと)を思い出したことを――――』


 私の能力は他の人の《汚血(おけつ)Lv.》が見えること――。


 頭の悪そうな名前をした《汚血Lv.》とは、名前の通りどのくらい血が汚れているかをレベルとして数値化したもので、DNAのように先祖代々受け継がれる……。


 そして、私は前世で暗殺者として《汚血レベル》を受け継ぎし者たちを闇へ葬ってきた。

 その理由は単純明快(たんじゅんめいかい)……(きたな)()だから。


 つまり……現段階《汚血Lv.》を有する者は、始末しそびれた生き残りの末裔(まつえい)ということ――これは現地人の異世界人、転移してきた異世界人どちらも当てはまる……。


「召喚されたお前たちにはこれから魔王討伐に尽力してもらう。一切の異議は受け付けない」


 神官の中の一人が高圧的……いや、偉そうにそう発したときだった――――。


「いやあああああああ」


 女の子の悲鳴が聞こえた。

 声のした方を見ると、崩れ落ちたように座る女子学生に同じ制服を着た女の子たちが駆け寄っている。


「……そうよ。……だめよ」


 私もその場に立っていることが出来ず、膝から崩れ落ちてぺったんこ座りをしてしまった。

 そうなのだ……召喚された学生含め――神官たちの中に《汚血レベル》を有する者がこんなに大勢いては……。


 『興奮して立っていられない――――!!!』


 ガクブルする体を必死にこらえる。

 はあ……はあ……はあ……。息が荒い。


 そんな私に一人の学生が駆け寄ってきた。


「大丈夫ですか? 安心してください。さっき自分のステータスを確認したんですけど、僕『勇者』みたいなんです。僕がみんなの代わりに魔王を倒します!」


「……ダメよ。そんなの……」


 だって……あなたの《汚血レベル》は、イチ、ジュウ、ヒャク、セン、マン……………10の68乗。


 『つまり、無量大数(むりょうたいすう)はあるもの――』


 突然の《汚血レベル》無量大数に興奮した私は頭に血がのぼり……気を失ってしまった。

 第1話、お読みいただきありがとうございました!


「面白かった、笑えた、失笑した!」

「続きが気になる、読みたい、意味がわからなかった!」

「今後どうなるの、話の展開が見えた、ドロップアウトします!」


 などなど。


 下にある☆☆☆☆☆から、星の数を選んでください。

 5つ以上の場合はしょうがないので、はみ出た分を友人・知人・他人、その他大勢に拡散すると世界に平和が訪れます!


 この際、ブックマークもついでにしときましょう!

 血反吐はいて悦びます。


 では、第二章の第75話で次はお会いしましょう!

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