表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第三章 邪神始動編
95/176

第31話:結局…

ホノカ達は寮で合否の報告を待っていた。


ホノカは疲れが取れずにアイテムボックスからエナジードリンクを出して、気持ちを誤魔化していた。

しかしそのホノカの様子は余裕に見えた。


ホノカよりショウリとマイナが合否の事で気を揉んでいた。

ショウリは部屋の中をウロチョロしてホノカをチラチラ見ていた。

マイナは紅茶を淹れるているつもりが、クッキーを砕きポットに入れて、不味いクッキー湯を淹れていた。


コンコン


ビクン、ビクン。


扉をノックする音にショウリとマイナがビクついてしまう。


「今、よろしいでしょうか?」

扉の外から入室の許可を求める声がする。


ショウリが焦りながら扉を開ける。


「どうぞ…」


「失礼いたします」


なんと入ってきたのはこの前二人をタジタジにした黒人女性だった。


「ヴィクトル様、先日の試験お疲れ様です」


「労いのお言葉ありがとうございます」

ホノカは一様貴族っぽい挨拶をする。


「ふふ、余裕なのですね」

黒人女性はホノカに微笑む。


「え?」


「すみません、受験される皆さまは大抵死にそうな顔していますので、ヴィクトル様の余裕ぶりに感嘆してしまいました」


ニコ


「そうですか…」

ホノカは彼女に色っぽさの中にある可愛いさに再びタジタジになってしまう。


「すみません。それでは本題に入りますね。」


「お願いする」


「ヴィクトル・オニギリ様…試験の結果は97点でSクラスになります。

エストゥディアル学園、入学おめでとうございます。」


「やったぁ!!!」

マイナがホノカ以上に大喜びする。

因みにショウリは黒人女性が入ったときから、惚けて扉を開けたまま突っ立ている。


「今からSクラスの寮にご案内します。お荷物をまとめて移動の準備をしてください」


「わかりました…申し訳ないんですけど準備をするために一度部屋を出てもらっていいですか?貴方がいるとうちの従者の一人が使い者にならないので…」

ホノカは黒人女性に謝罪しお願いする。


「それは失礼いたしました。じゃあ部屋の外で待っていますね」

自身が悪くないのに黒人女性は謝り、願いを笑顔で聞き入れて部屋の外に出ていく。


マイナがショウリから扉のノブを取り、ショウリの代わりに扉を閉める。


そしてショウリを正気に戻し、準備を進めていく。


「お待たせしました」


「それでは寮へ案内しますね」


ホノカ達はSクラスの寮へと案内されていく。


「此方ヴィクトル様のお部屋になります。」


「ありがとうございます」


「申し訳ございませんが、部屋に用意された制服に着替えて早速授業に出てもらいます」


「今日ですか!?」

マイナが驚く。


「はい…ヴィクトル様は転入ですので、この学園での単位が足りませんので、一日でも多く授業に出てもらわないといけません」


「成る程…」

彼女の説明にマイナは納得する。


「じゃあ着替えますので、外で待っていてください」


「かしこまりました」


ホノカ達は部屋の中に入る。


「随分立派だな」

ホノカは王宮の一室並みに豪華な学生の部屋に驚く。


(「うわ…魔導具(ランプ)の回路にミスリル使ってる。回路だったらトレント系の素材を使ったほうが効率、保ちとかコスパも良いのに…無駄に金かけてんな」)

ホノカは無駄に金をかけたインテリアに呆れ始める。


「ヴィクトル様。お手伝いします」

ショウリがタンスから制服を取ってきた。


「あぁ、頼む」

ホノカは念のための演技を忘れずに手伝いを了承する。

了承された事によりショウリとマイナが着替えを手伝う。


「助かる」


ホノカは白と金色の制服に着替えを終えてホノカは部屋から出る。


「お願いします」

ホノカは黒人女性に教室までの案内をお願いする。


「はい。ですが付き添う従者はお一人になります。」


「そうですか…じゃあマイナお前が来てくれ」


「かしこまりました」


「じゃあソイツを頼む」


「はい」


マイナは惚けているショウリを部屋へ運んでいく。


そしてホノカ達は教室へ案内されていく。


「ここで少々お待ちください」


黒人女性が授業中の教師へ入室許可を取る。


コンコン


『どうぞ』


教師からの入室許可が出る。


「では今日から頑張ってください」


「ありがとうございます」


ホノカは教室へ入っていく。


「失礼します」


「君が転入生か?」

教卓には牛の獣人族が立っていた。

そして生徒達はホノカと同じ色の制服を着ていた。


「はい(コルナ嬢はどの人だ?)」

ホノカは返事をしながらコルナを目で探す。


「見ての通り今は授業中だから挨拶等は後で個人でしなさい」


(「じゃあ自分で探すしかないな」)

「わかりました」


「うむ。あそこの窓側の空いてる席に座り授業を受けなさい」


「はい」

ホノカは指定された窓際の真ん中の席へ向かい、マイナは他の従者と一緒に後ろの椅子に向かう。


数人の生徒はホノカを一瞥だけして黒板を見直す。


ホノカは席に座る授業を受ける。



(数十分後)



「であるからして…」


(「わ、わからねぇ!!!」)

ホノカは授業について行けてなかった。


(「なんでこんなにムズイんだ!!!」)

ホノカは平然としていたが内心焦っていた。


「ポーツス、ここを答えなさい」


「はい…」

当てられた生徒は正解となる長い文章を読み始める。


「うむ、正解だ」


(「は?長すぎる早口だし何て言ってるかわからなかったぞ!

てか他の奴らもおかしいだろ!まるでロボットみたいに板書してあてらて完璧に答えて、頭おかしいだろ!!」)


ホノカは平静を装いながら板書をしていた。


キンーコーンー、カンーコーンー…


「これにて授業は終わる、板書が終わっていない者はしっかりと板書するように…」

教師は退出していく。


生徒数人が板書を続ける。

勿論ホノカも板書を続けている。そんなホノカの近くにメガネをかけたガリ勉そうな男子生徒がやってくる。


「板書しているところ失礼する。僕はリント・バルフムだ。」

リントはホノカの板書を邪魔をしない様にホノカの横に立ち話始める。


(「!?」)

ホノカは彼の名前に驚く。


「ヴィクトルだ。ヴィクトル・オニギリだ」

ホノカは動揺を隠し偽名で自己紹介する。


「よろしく」

二人は握手する。


「板書は後で僕のノートを貸すから、学園を案内するよ」


「いいのか?」


「うん、僕にも理があっての事だから」


「?、そうか、じゃあ取り敢えず案内頼むよ」

ホノカはリントの言葉に少し疑問に思うが、嘘をついていないのもわかっているので、交友関係を広めるチャンスだと考えた。


「うん」


二人は学園を見て周る。


「さっき言っていた理ってなんだ?」

ホノカは先程の疑問が聞いてみた。


「僕の家は元商家でね、他国との繋がりを認められて外交官として貴族なったんだ。商いは続けているし、ペンドラゴンとの繋がりも欲しいんだよね」


「成る程」


「君も知っているコルナ嬢からは断られてしまってね…」


(「暗殺されそうになったんだから、そんな余裕ないわな」)


「この国とペンドラゴンは仲悪いから仕方ないけどさ、僕ら商家には関係ないんだけど信用してもらえなかったよ」


「そんなこと言っていいのか?」

ホノカは周りに他の生徒がいるのにリントの発言が愛国心のかけらもなかったので、リントの身を心配する。


「別に気にしなくていいよ。伯爵家だけど僕の家に文句言えるのは王族と一部騎士の名家くらいだよ。」


「それは凄いね」

ホノカはペンドラゴンでの知識と照らし合わせて、心の底から驚く。


「まぁ、でも凄いのはお祖父様だけどね」


「お祖父様?」


「うん、ドラン・バルフム伯爵。71歳の今でも現役の商人だよ」


「え?一代で伯爵になったのか?」

ホノカはここでは知らないフリをする。


「うん。他国の貴族である君は驚くだろうけどこの国だからこそだよ。この国は実力主義だから性別とか長子とか年齢すら関係ないから一代で伯爵は疎か公爵様にだってなれるんだよ」


(「俺が知っているイグラシアと同じだな。だが俺の知っているイグラシアの豪商はコイツ…リント・バルフムだ」)


ホノカが知っているリントは初期では絶対に眷属にならない指折りの商人NPCだった。


(「確かコイツを眷属にするには海の大陸にいるコイツの祖父に会ってお手伝い(パシリ)をして紹介状を手に入れないといけなかったけ?」)

ホノカはリントを眷属にしていないのでうろ覚えだった。


「じゃあ失礼かもしれないけど次は誰がバルフム家を?」


「んー今のところはリヴァイ叔父さんところのリヴァルかな。」


(「知らないな」)


「お爺さまはお婆さまを愛してるし、お爺さまは一夫一妻の考えのお方だから、妻が多く娶った父さんの子どもである俺たちはよっぽどじゃない限り無理だから」



(「その設定聞いたことあるな…確かお手伝いの一つに奥さんの好きな花をもってくるがあったような…なかったような…」)

「大変なんだな」

ホノカはゲームの内容を思い出すのに必死で受け止め答えが遅れて焦ってしまう。


「まぁ、僕はそういうの興味ないからいいんだけど」

リントは本当に興味無さそうに振る舞う。


「それなのにペンドラゴンとパイプを作ろうとしてるのか?」

ホノカはそんなリントを疑問に思い質問する。


「家の為でもあるけど、後には僕にも益があるからね」


「そうか」


「気分を害したかい?」

リントは他国と人間とちゃんと関わった事がなかったので、自身の考えが不快に思われないか少し心配になる。


ホノカは首を横に振り否定する。

「いいや、貴族が学園でやることなんて何処も同じだろ?」


ペンドラゴンでもイグラシアでも貴族が人脈作りをするのは変わらいし、それでヴィナタやシューナ、ニルビと友達になったのでホノカは不快じゃなかった。


リントはホノカの言葉に安心する。


「そう…ん?あれ?」

リントはホノカの後ろに起こってる事態に気づく。


いいね、感想、Twitterフォロー、ブックマーク登録、誤字報告などより良い作品を作る為、活動の原動力になるのでご協力お願いします。


Twitter▶︎@inuboshi_fatowl

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ