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異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第三章 邪神始動編

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第22話:転移者達のこれから

ホノカは少年を神殿に帰し、神殿に忘れていた大崩達一班と大崩達が殺した生徒達を回収して、阿立は背負って隠れ家に戻った。


生徒達は流石に隠れ家に入り切らないので、今は全員が外でホノカと阿立の帰りを皆が待っていた。


ポーラは生徒達に自身が取ってきた食糧の鹿肉(モンスター)と森の木の実や野生の野菜で作ったジビエスープをふるまって振る舞っていた。


「美味しい…」

ポーラ達から渡された食事を泣きながら食べる者や…


「やっと…やっと…神殿から出れた…」

「うん…そうだね…」

食事に手をつけず、慰め続ける者や…


「本当に神殿の人達が?」

「でも…三条は生きてたわけだし…」

今だに神殿の事を信じている者もいた。


そしてこの状況に不満を持つ者いた。

「私たちを放しなさい!」

「こんな事して許されると思ってるの?!」

「あんた達覚えていなさいよ!?」


喚き散らす二班の女子達だ。


「生徒にこんな事をしていいと思っているの!?」

更に今日ここまで生き抜いた女教師。


女教師は二班を見張る様に支持されたカブ五郎を怒鳴り散らしていた。


怒鳴られている当の本人であるカブ五郎はガン無視していた。


「く〜ー、もういいわ!」

女教師は無理矢理に二班の生徒達を解放しようとするが…


スパン


教師の足元に斬撃が飛んでくる。


「コイツらを解放するかを決めるのは、我らが主…ホノカ様だけだ。

それ以上近づけば命の保証はしない」


「…」ゴク


カブ五郎に脅され、女教師は怯えて唾を呑み込む事しか出来なった。


こんな一悶着の時に、丁度ホノカが帰ってきた。


「お兄ちゃん!」

ポーラがホノカに気づきダッシュする。

いつもなら無遠慮にホノカに抱きつくが、阿立に気づいて手前で待機する。


「ただいま…」


「おかえり!」


数人の生徒は兄妹の団欒を身守る。


「おい!阿立!」

三班の山本と田本は負傷している阿立に気づいて近づいてくる。


「家の中で寝かせてやってくれ」

ホノカは阿立を山本達に任せる。


「あぁ、わかった」

山本と田本は二人で阿立をホノカ達の隠れ家に連れて行く。


女教師がホノカに近づいてくる。

「ちょっと!貴方が此処の責任者!」


「そんな感じだ」


「じゃあ私の大切な生徒を解放しなさい!」


「それは出来ない」


「貴方のやっているのは監禁罪という犯罪行為なのよ!」


「なら法国の衛兵にでも通報してくれば?」

ホノカは女教師を遇らいながら、新しく一班を吊るしていく。


「大崩君!大丈夫?!

ちょっと貴方まだ犯罪を重ねるき!?」

女教師はホノカに食ってかかる。


(「犯罪を重ねてるのはコイツらだろ…」)

ホノカは女教師を無視して、一旦部屋に入ろうとする。


「待て!」「先生が話しているだろう!」

女教師と同じ班員の男子生徒がホノカの目の前に立ちはだかる。


「はぁ…お前ら“嘘感知”ってスキルは知っているか?」


「は?」「急に何だ?」


「簡単に言えば嘘を言ってるかわかるスキルだ。俺はそれを持っている。

あの教師はあの女達とクズ共を心配した風な事を言っていたが、全部嘘だ」


ホノカは実際にスキルを使用してから、嘘つき女教師を無視していた。


「嘘ついてんじゃなーぞ!」

「先生が嘘つくわけねぇだろ!」

彼らはホノカに掴みかかろうとして…


グリン


掴もうとした腕を逆に掴まれて、取り押さえられる。


「嘘かどうか試してみるか?」


「あぁ?」「ふざけんな!」


「お前ら二人に質問だ。悪いことしたはあるか?」


「ない!」「少なからずは…」


「…じゃあお前ら親の金をくすねた事はあるか?」


「あるわけねぇだろ!」

「…ない!」


「最初のお前は本当の事を言ってる。

次のお前は嘘ついてる。」


「!?」「!」


「お前そんな事をしたことあるのか!?」

ホノカに捕えられた生徒は仲間を怒り問いただす。


「ち、違う!いや違くないけど…スマホゲームに課金をして…親に怒られたんだ…そ、それ以外はないぞ、ぞ!」


「本当だな」


「それもなかなかだぞ…」

同じ班員は引いていたが、この場にいる数人は思い当たる節があるのか、気まずそうだ。


「で、まだ疑うか?」

ホノカは二人に質問する。


「だ、だが先生が嘘ついてるとは限らないだろ!」

一人は諦める事が出来ずいた。しかしもう一人はこれ以上自身の秘密がバレてしまうのを恐れて口を閉ざした。


「ならその先生に質問だ」


ホノカは捕えた二人を膝をついた状態で起き上がらせる。


その女教師は不安そうな顔していた。


「あんたは生徒を全員を大切に思っている」

ホノカの質問が開始された…


「あ、当たり前でしょ!」


「嘘だ…

じゃあ次、この世界にきて組んだパーティになった生徒は大切に思っている。」


「だからそうだって言ってるでしょ!」


「嘘だ」


「え?」「?!」「先生…?」

同じ班員だった生徒の顔は不安で曇っていく。


ホノカは不安になった生徒達を観察して、ある推測を立てる…


「あんた今迄…生徒と関係をもったことはあるか?」


「そんな事あるわけないでしょ!!!」


「「「「え!?」」」」


「「「「え…?」」」」

男子生徒は反応した班員の顔を見つめる。


「やっぱりな…」

ホノカは何故この生徒達がこの女教師をここまで信じているのか、ある仮説を立て…その仮説は見事当たっていた。


ホノカは捕えていた二人を解放する。


そうすると他の班員と一緒になって女教師を問いただし始めた。


ホノカは彼らを後にして、隠れ家の中に入っていく。


中に入ると三条がホノカを待っていた。


「勝って来たんだね…」


「あぁ」


「みんなをありがとう…あと邪魔をしてすまなかった…」

三条はホノカにお辞儀をして感謝をする。


「反省してくれるならいい…気にすんな、それより今から呪詛を広範囲で解除する。お前の時みたいに、ウダウダ言われても面倒だから奴らには何も言わずやるぞ?」


「はは、あぁやってくれ」

三条は先程の愚かだった自分を思い出し、笑って恥ずかしさを誤魔化す。


(聖神法術 リリース・オブ・イービルブレッシング)

ホノカは手を翳して神法術を使用する。


「うっ…」

『ぐっ…』

隠れ家からそして外から呪詛から解放された事により、少しだけ苦しみだす。


「お、おい今のは何だったんだ…?」

阿立を看病していた田本が頭を押さえながら、こちらに歩いてきた。


「それ…」

ホノカが説明しようとするが、三条が手で遮って首を振る。


「僕から説明した方がいいだろう?」


「じゃあ任せるよ」

(「コイツはもう大丈夫だな」)

ホノカは三条の様子を見て安心する。


「皆んなのところに行って説明するよ。」


「あ、あぁ…」


「山本君も読んで来てくれないか?」


「わかった…」


「じゃあ君が阿立君を視ててやってくれないか?」

三条はホノカに阿立を任せる。


「あぁ」

(「この間に異世界に返還する法術を創るか…」)


三条は田本達を連れて外に出ていく。


ホノカは阿立が寝ているベッドの隣の椅子に座る。


(“法術作成”)

ホノカはスキルを起動する。


「ここは…君の家…?」

丁度阿立が目を覚ます。


「あぁ」

ホノカは作業しながら受け答えをする。


「皆んなは…?」


「クズ共も死体も回収した…」


「そうか…」

阿立は死人が出てしまったことに泣き始める。


「安心しろ…今やってる作業が終わったら、皆んな蘇らせてやる」


「え?」

阿立はビックリして起き上がる。


「おい、まだ起き上がるな。」


「君にはそんな事が出来るのかい?」


ホノカは一旦手を止めて真剣な表情で阿立に説明し始める。

「俺だけじゃない…この世界は24時間以内なら人を蘇らせる奴は国に二、三人はいる」


「そうなのか…」

阿立は安心して再び横になる。


ホノカは阿立が横になったため、作業開始する。


「ありがとう…」


「…あぁ」


二人はそれ以上は何も語らずに時間が過ぎていく。


ワーワーワー


二人が静かになると外から少し騒ぎ声がする。


(「よし出来たな…」)


時空神法術 異世界送還門

効果 異世の者を異世界に帰す門を召喚する。

   *異世の物質で構成された身体を持たない者は送還不可。


消費EP 24,000,000,000

*維持するために1時間毎消費EP 1,000,000,000


(「これじゃあ使えないな…使うには…」)


「はぁ…」


「?」


ホノカは何かを決意をして、深い…深い溜め息を吐く。

阿立はそれを不思議そうに見る。


(隠れ家の外)


皆が力を失い騒ぎなっていた。


二班や起きた一班は聞くに耐えない事を叫び続きていた。


「落ち着いてくれ」

三条は何とか宥めようとするが、元戦闘スキルの生徒達の耳に入ってなかった。


「今は放っておいた方がいいんじゃないか?」

山本は非戦闘スキルだった為、力を失った今でも冷静だ。

山本だけでなく他の非戦闘スキルの生徒は冷静だ。


「でも…これからどうするの?」


三条は帰れるかわからい為、まだその事は説明していなかった。


「それは…彼次第だな」ボソ


「?」


三条は隠れ家の方を見つめてホノカを待つ。


ガチャ


丁度扉が開きホノカと阿立が出てくる。


三条は隠れ家の方に歩み寄る。

「出来たのか…い?」

三条は扉から出てきたホノカを見て歩みを止めてしまう。


そんなホノカの格好はブカブカのローブを着た可愛いらしい子供ようだった。

これはゲーム時代にホノカが使用していた物だ。

効果は神法術消費EPを三分の一にする。


「あ?」

ホノカは低い声で三条を凄む。


「いや…あのその格好…」


「…これは今から使う法術の為に必要なんだよ…」

嫌々ながらホノカは説明する。


ホノカはローブを引きずりながら歩きだす。その姿は実に滑稽だった。


ホノカは大崩達に殺された者達の元へ行く。

ホノカはまず彼らに呪詛が残っているか確かめ。


(「殺された時点で呪詛は解除されたみたいだな…」)

(回復神法術 領域蘇生結界)


彼らを結界が包み、彼らの傷を治して蘇らせていく。


「う…」「あれ?」「此処は…?」

彼らは起き上がり周りを確認する。


そして蘇生された生徒達に友達や班員が近寄り、喜び合う。


「あとは…」


ホノカは魔法を使用して女教師と逃げようとしていた浦杉を捕える。


「!?」「な、何これ!?」


木の枝や根が彼らを捕らえる。


ホノカは彼らを他所に、生徒達にこれからの事を説明を開始する。

「今から異世界に帰る門を召喚する」


「え!?帰れるの!?」

「やったぁ!」

「良かった!良かった!」

先程まで放心状態だった非戦闘スキルまで喜び始める。


一班と二班も喜び始める…


ホノカは自身の目の前に線を引いて、生徒達に話しかける。

「じゃあ帰りたい奴はこの線を越えろ」


ホノカの言葉に次々に線を越えて行く。


3人の生徒が歩みを止める。

阿立と桜舞、山本だった。


「ちょっと待ってほしい…俺のスキルが消えていないんだけど…」

山本がまずホノカに自身のスキルを包み隠さずに伝える。


「私も…」「僕もだ」

彼らは元の世界でスキルの力が危険だと理解していた。


「お前ら二人は多分封印することが出来る…だがお前は無理だ。

恐らくお前のそれはお前の成長に身についた物で俺にはどうする事も出来ない」


「そ、そっか…」

山本は不安な顔をする。


「そもそもお前らの世界でスキルが使えるかどうかわからない」


「確かにそうだね…」


「まぁ気持ちの持ちようだ…いや悪い…今のは無責任な発言だった」


「いいや、君の言う通りだと思うよ。ありがとう」

山本は少し笑い、ホノカに心の底から感謝する。


「ちょっと早く私達を解放しなさいよ」

「そうだ!早くしろ」


一班と二班の生徒達が叫び始める。


「お前らを元の世界に帰すつもりはない。そこの二人もな…」


「は?」「ふざけんなよ!」

彼らはホノカから告げられた内容に声を荒げて抗議する。


「人殺しや人を虐げる事を喜んでるクズ共を帰すわけないだろ」


「何で私も?!私は人を虐げても殺してもいないわ!」


「僕もだ!!!」

女教師と浦杉が抗議する。


「あんた…あの阿立がイジメられているのを無視してただって?」


「な…」

女教師は阿立を睨む。


「先生、阿立君が教えたんじゃないです。僕が教えたんです」

三条が女教師に説明する。


「三条く…」


ホノカは氷の槍で女教師を黙らせる。


「人を恨むのはお門違いだろ…あんたともう一人の教師は助けるどころか無視して、更には酷い仕打ちをしていたんだろ?

それなのに元の暮らしに戻れると思うのは虫が良すぎるだろ。諦めてお前もこの世界で暮らせ」


「僕がこうなってるのは僕が三条君を陥れた事だろ!?あれは違う!僕は彼らに脅され…」


ホノカは浦杉の目の前の氷の槍を造り出す。


「おれには“嘘感知”があるって言っただろ」


「うっ…」


「どうしてあんな事をしたんだい?」

三条が浦杉に尋ねる。


「お前が嫌いだからに決まってるだろ」ボソ


「え?」

三条は聞こえていたが、もう一度聞き直す。


「お前が嫌いだからに決まってるだろ!勉強も運動も出来て、更に異世界に転生しても勝ち組でイジメられていた奴を助けて善人ぶりやがって!どうせ人気集めだろ!?この偽善者が!」


スパン


ホノカは氷の槍を放ち、浦杉の頬に掠める。


「これでもう言い訳できないな…お前もこの世界で暮らせ…

あとな…人を助けた事を偽善とかふざけた事言ってんじゃねぇぞ。

例えそれがお前の言った様に人気集めだったとして、やらない善より、やる偽善の方がかなりマシなんだよ。お前は善悪を一からこの世界で学べ」


ホノカは聞くに耐えない浦杉の言葉に激怒して浦杉の口を氷で固める。


「ちょっと待って!私はコイツらにイジメられたてのよ!」

今度は神無木が諦めずに抗議する。


「は!?」

河野が神無木の言葉に反応する。


「だからって他の人を虐げて傷つけていい理由にはならない。安心しろ。お前ら全員を別の場所に転移する…その転移先で自分の事を見つめ直せ…」


話を進めたいホノカは彼らの口を氷で固める。


「じゃあ今から此処に転移門を召喚する。一旦俺の後ろに下がっていろ」

ホノカは生徒達を自身の後方に下がれせて、EP完全回復薬を飲んで神法術の準備をする。


(時空神法術 異世界送還門)


ホノカ達の目の前に門が出現する。


「じゃあ2人以外は帰っていてくれ」


ホノカの言葉に彼らはお辞儀をして、多くが泣きながら帰っていく。


「先に行ってるよ」


「あぁ」

三条と阿立は一時の別れの挨拶をして、三条はホノカに綺麗なお辞儀をして、元の世界に帰っていく。


ホノカは桜舞の方を向く。

「まずは女の方からだ」


「はい」


(闇神法術 恩寵封印)


ホノカは先程ついでに創った神法術で桜舞の恩寵を封印した。


『「ありがとう」』


桜舞は御礼するが、その言葉は日本語になっていた。


「御礼を言ってくれているんだろうけど、恩寵…加護を封印したからこの世界の言語も封印した」

ホノカは日本語をわからい振りをして説明する。


『「そうなの…じゃあ」』

桜舞は今度はお辞儀をしてホノカに感謝する。


お辞儀をした桜舞はそのまま阿立の事を待つ。


「じゃあ次はお前の番だ」


「その前に君の名前を聞いてもいいかな」


「あぁ…ホノカ、ホノカ・トライーガだ」


「そうか…ありがとうホノカ」


「気にするな…じゃあ行くぞ」


「お願いするよ」


(闇神法術 恩寵封印)


恩寵を封印した阿立は改めてホノカにお辞儀をする。


ホノカは会釈でそれに答える。


阿立は桜舞と一緒に歩いて門を通っていく。


(「まるで夫婦みたいだな…」)

ホノカは二人を最後まで見守りながら見送った。


「じゃあな」

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