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異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第一章 転生奮闘編
8/173

第7話 ダンジョンで試験

(ホノカ視点)


 試行錯誤の結果、アイテムが無事に作れた!


伊邪那美の指輪

レア度 神級ゴッドクラス

耐久力 1,800,000

効果 死属性耐性Lv.MAX

INT +5,000,000

STR−5,000,000


 元の指輪に呪いアイテムとヒヒイロカネとかふんだんに使ったz


 もう少しマイナスにしたかったがこれが限界だった。

 あとはスキルで隠蔽すればいいな。


(“隠蔽コード”)


隠蔽

トライーガ家伝統の指輪

レア度 精鋭級ブロンズクラス

耐久力 100

効果 なし


 この管理者権限スキル「隠蔽コード」が他者や物に使えるのは最近知った。


 実はこの前…



(二週間前)


 今日が新生児の服のために服屋がトライーガ邸に来ることになっていた。


 今回の代金は既にグレンダの父が払っている為、トライーガ家の出費にはならない。

 ホノカの分も払われていて、ホノカにとって初めて自身で服を選べるチャンスに大喜びだ。


「今日はお店の方が来てくれるんですね!」


「そうなの!私の小さい頃からお世話になってるおばあさまが来てくださるの!ホノカに合わせたっかの!」


 グレンダは大きくなったお腹をお構いなしにホノカのことを抱き抱えて、これから来る服屋の女店主のことを話す。

 この光景に慣れすぎてホノカもグレンダの側付きメイドも誰も注意しない。


「あの人はとても優しい人でね!でも、服を大切にしてないとわかると幽霊みたいな顔で脅してくる、すごい楽しい方なのよ!」


 グレンダは5年くらいのこの服屋に行けてなかったので子供のように楽しみにしている。

 喜んでいる二人を見て、メイドも微笑んでしまう。


「奥様、服屋の方がお見えになりました」


 ヨハンの知らせで、グレンダは少し冷静になり返事をする。


「通してあげて」


「かしこまりました」


ガチャ


 グレンダはホノカを抱えたまま扉に近づく。


「どうもこんにちは!トライーガ夫人!」


 扉が出てきた男はハイテンションで入ってきて、皆を驚かせた。

 

 グレンダは来た人物が知人ではなく変な赤の他人だった為、困惑を通り越して不快な顔になってしまう。


「え?どなたですか?ドーナさんは?」


「ドーナさんは、最近ご体調を崩されて、代わりにこの私!、スミス・ハイ〜ーンッツァ!が!来た次第です…」


(「「気持ち悪…」」)


 ホノカとメイドも不快な顔につい出してしまっている。

 グレンダは冷静になり、不快な顔を何とか隠して怪しい男に知人が来ない理由を質問する。


「そう…残念だわ…ドーナさんは大丈夫なんですか?」


「それはご安心!ください!」


 怪しい男は変な動きで胸を張ったため、男のシャツは破け胸毛が露わになる。


 これによりホノカとメイドの顔が余計に強張っていく。


 男は気にせずに衣装ケースから薄緑の婦人服を取り出す。


「そんなことより!服を見て!ください!、グレンダ様にお似合い!」


「え?今日は子供を紹介してくれるはずじゃあ?」


「そうでした!そうでした!」


(「このおっさん、気持ち悪すぎるだろ…本当に貴族が行くような服屋の店員なのか?」)


 ホノカは怪しんで男と男商品を「鑑定」をする。


隠蔽

氏名 スミス・ハインツ

所属 貴族御用達店 ローズドーナ

種族 人族

Lv.15

第一職業 裁縫師

第二職業 なし

第三職業 なし

称号 なし


隠蔽

夫人服

レア度 団長級シルバークラス

効果 AGI+50

   水耐性Lv30


 ホノカが怪しんだ通り、男と装備には怪しいところが書いてあった。


(「やっぱり…てあれ?アイテムも?ゲームの時はアイテムは出来なかったんだけど…まず“看破”」)


 ホノカを隠蔽系を解除スキルを使用する。


氏名 アージエ

所属 詐欺師集団『醜鬼ゴブリンの服屋』

種族 人族

Lv.35

第一職業 剣士

第二職業 裁縫士

第三職業 なし

称号 没落貴族、詐欺師


ゴブリンの皮服

レア度 団長級シルバークラス

効果 異臭

   ヘイト軽減



(「うっわー、こいつ詐欺師の称号持ちかよ…これは母上に報告しないと!でも何て言えばいいんだろう?」)


 ホノカがどうやってグレンダに報告するか迷っている間にグレンダが動く。


「ヨハン、鑑定持ちの方を呼んできてください」


「か、かしこまりました!」


 グレンダの急な行動に男は動揺して先程もハイテンションぶりは嘘かのように静かになり焦り始める。


「な、何か気に障りましたか…?」


 男に声をかけられて、グレンダは男に冷たい声で返す。


「えぇ、あの方が体調を崩されたら、前もってその事と貴方の事も手紙に書いてあるはずです。しかし貴方のことなんて書いてなかったわ」


「そ、それは急な事でしたので…」


 男は捻り出すように言い訳をするが、グレンダは更に詰める。


「貴方、元貴族でしょ?」


「な、なんで…?」


「貴方、変な動きはしていたけど、所々に貴族の振る舞いが垣間見えたわ。元貴族だってバレないようにやっていたんでしょうけど…見る人が見たら直ぐに気づけるわ」


 グレンダに全てを看破された男は短剣を取り出してグレンダに襲いかかる…


「く、く、くっそ!!」


 グレンダは男が持ってきた衣装ケースを両手で持つ。


「「「へ?」」」


 その場にいたグレンダ以外の人は皆唖然とする。


「ふん」


ドッコーン


 男は衣装ケースで殴られ、壁を破壊して庭の木に引っかかる。


(ホノカ視点)


 こんな事があって自分も試しにやってみたらできた。


 どうやらこの世界では「隠蔽」はアイテムにも使用できるようだ。

 しかもスキルは発声せずに念じるだけで使用もできるようだ。

 ゲームだとコンピュータに認識させるために法術の名称とスキル名は言わなきゃいけなかった。


 この前は焦り過ぎていてどのスキルが使用できるなんて考えることができなかったからな。


 これで良し。


 最後にこれを試験したい。


 そのためには変態教師とヨハンを何とかしなければならない。


 まずは変態教師だな。


 変態教師の部屋に来た。


コンコン


「どうぞ」


「マルタ、僕がお茶を入れてきましたよ。是非飲んでみてください。」


「え?ホノカ様が?ふふ、いい心がけですね。お茶が趣味の淑女は多いですから、お茶に詳しいと好印象を抱いて貰えますよ」


「はい!僕も父上のように母上みたいな素敵な女性と出会いたいです!」


「ふふ」(可愛い〜、このシュチュ最高。〜ホノカ様の入れた紅茶…ぐへへ)


「ではいただきます。」


 よし!飲んだ!


「ふわ〜」ガタン

 

 一気に眠ったな!


 はっははは。馬鹿め、このお茶には睡眠薬が入っているんだ!

 でも…こんなに即効性あるんだな…

 死んでないよな?


「ぐがーー」


 よし寝てるな。


 次はヨハンだな。


(50分後)


 あれ?ずっと探しているけどヨハンがいない。

 しょうがない誰かに聞くか。


「すみません。ヨハンは何処ですか?」


「ヨハンさんは…確か消耗品の買い出しに行かれたはずですよ?」


「そうでしたか。ありがとうございます」


 珍しいヨハンが家を出るなんて、買い出しはいつもメイドと兵士に行かせていたのに…

 まぁ、今は都合が良い。


(「影神法術 リアルシャドー」)


 俺に背格好が完全に同じ分身が造りだす。匂いまで一緒だ。


「分身よ、ここで寝たふりをしててくれ。あと声かけられても絶対に起きるな」


コクン


 この分身は喋らないことがわかった。本当は話すが出来る分身を使える新しい法術を作成したいところだが、ゲーム通りにいかなかったし、今はアイテムの試験運用をしたい。


 準備ができたし転移するか。


(「空間神法術 高等転移『旅立ちの塔』」)


 懐かしい。


 この迷宮は新人プレイヤーがレベル上げに来るダンジョンだ。


 此処はペンドラゴン王国の北側にある迷宮で『旅立ちの塔』だ。

 塔型の迷宮で20階まである、1つ上の階にくだけでレベル50づつ上がっていき、19階のモンスターはレベル1,000を超えている。

 迷宮の主はその3倍の3,000になる。普通に考えて初心者は無理だろと思う、俺も初めての頃はそう思った。しかし、この迷宮はボスが弱いんだ。

 どれくらい弱いかというとレベル20あれば勝てるくらい弱い。そのため隠密系の装備、アイテムを使用して高速周回して経験値稼ぎをするプレイヤーが溢れた。

 しかしデメリットもあるこの迷宮のモンスターはアイテムをドロップしないというのが特徴だ。


 しかし今の俺には経験値もアイテムもいらない。俺の目的はモンスターそのものだ。


「冒険者って人達はいないようだな。てか全然いないな…ゲームのときは、観光地並みに人がいたんだけどな。」


 まぁいいか。

 ん?


「き・ん・た・さ・れ?」


 …!


「あー危険立ち去れか!」


 まぁそうだよな。レベル50づつ上がっていく迷宮なんて、知識がないと難しいもんな。


 無視して大丈夫だな!行こう〜



 ホノカは気づかなかったが、危険の看板の隣に蔦で覆われた看板がもう一つあったことを。


 その看板には『呪われた天使の塔』と、『ミソクリ』ととは別の名で呼ばれいることに…


(ホノカ視点)



 お!いた!平均レベル40のウイングキャットだ。悪いが手加減の礎になってもらおう!


「剣技 “剣打”」


ポン


 猫型モンスターが破裂した。


「あー駄目かー。武器もぎりぎりだな。一回で柄がガクガクになっちゃた。このまま手加減の練習するか。と、その前に“錬金”」


 これで耐久性は下がるがある程度は使用することができる。


「よし!進もう!」


「今度はウイングスネークか。」


「“剣打”」


パン


 蛇が破裂した…



(数十分後)



「おかしい…」


 絶対におかしい。

 モンスターが弱すぎる。

 16階にいるのにレベル80しかない!


 ゲームと同じでアイテムはドロップしていない。そこはゲームと同じなのにモンスターが弱すぎる。


「何でだ……“鑑定”」


デモンイーグル レベル83

ホーンバード レベル79


 この2頭とも本来なら800以上のモンスターだ。


「はぁ」


 なんか…もういいや…


「空間神法術 神の抜け道」


 この神法術は俺の部屋に直結してある。


 もう家に帰ろう…


 枕に叫びたい気分だ…


 俺はこの世界はゲームとは違うって分かっていたつもりだった。

 だけど違ったみたいだ。

 どこか俺はこの世界はゲームと一緒の世界なんだと思っていたかったようだ。


 この世界は俺の知っている「ミソクリ」の世界ではない。


ぐすん


 今日はご飯もいらない…もう寝る…


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