第12話:転移者との出会い
「うっ…」
青年が目を覚ます。
毎度の如くホノカは死者を蘇生した後ボコボコにしている。
因みにホノカはこのボコボコにしている理由をタヌ太郎達、従魔には説明していない為、タヌ太郎達はボコボコにしていること事態を蘇生、回復方法だと勘違いしている。
駄文終わり。
「ここは…?」
彼は状況を確認するために起き上がろうとする。
「動くな」
ホノカは二つの意味で彼を止める。
「お前一体何者だ?」
ホノカの声には警戒と少し怒気が含まれていた。
「ぼ、僕は…三条通…えっと転せ…転移者?で勇者です…」
「勇者?」
ホノカは勇者という言葉に怪訝な顔をする。
「あぁ…神殿の人達が僕達をそう言っている…」
「神殿って光神法国のか?」
「あぁ多分…」
彼ら転移者は自身達がいる国もよく知らない。
「?、じゃあお前は何故倒れていた?」
「それは…クラスメイトに襲われて…!?阿立君達が!…うぐ…」
三条は何か思い出し起き上がろうとするが激痛に阻まれる。
「どうした?」
ホノカは三条を助けようとはしない。
その理由は…
氏名 三条通(邪神の悪しき加護)(光神の恩寵)
種族 人族(転移者)
レベル81
職業 なし
称号 なし
恩寵『異世界言語』
加護『身体強化Lv.MAX』
呪詛『加護の譲渡』、『加護への執着』
三条が邪神の使徒の可能性があるからだ。
そのためポーラ達は一時的また別の場所に隠れている。
三条は痛みを耐えながら立ち上がろうとする。
「君が助けてくれたんだよね…?、でも行かなきゃいけないんだ…クラスメイトが…友達が…危ないんだ…だから行かないと…」
「…何故そこまでする?」
ホノカは邪神の使徒の可能性があるが、三条の友を守りたいという必死さに質問する。
「…僕は、うぐ…僕は一度彼を見捨てたんだ…でも彼はそんな僕を許してくれた…もう…誰かが苦しんでしんいる姿を見たくないんだ!」
三条は痛みを耐え切って立ち上がる。
「ぐはっ」
しかし三条はあまりの激痛に倒れてしまう。
「はぁ、お前を助けてやってもいい…だが、それはお前から詳しい話を聞いてからだ」
ホノカは三条が嘘をついていない事をスキルでわかり、回復魔法で三条の傷を癒す。
「え…傷が…」
三条は傷が癒えた事に驚く。
「お前を信用できるかわからなかったからな…お前が友達を助けようとしてる事に嘘はないってわかったから回復した。」
「そうか…でも!今は話をしている場合では…」
(“威圧”)
「いいから詳しい話を聞かせろ」
ホノカはスキルを使用して凄んだ。
三条は後退りをしてベットに座ってしまう。
「君は一体…」
三条はホノカが自身より遥か上の存在と気づく。
「わ…わかった…」
圧倒されてしまった三条は諦めてホノカにこれまでの経緯を説明する事にした。
…
(「成る程…異世界から召喚する魔法があるのか?、いや神法術か?どちらにしろこの世界の(魔法の)水準では使用できる物とは思えない…」)
「あの…」
(「既に犠牲者がいるのか…蘇生は無理だろうな…」)
「君…」
(「修道女が怪しいけど教団の関係者ではないのか?くそ、情報が足りない…」)
「おい!」
「ん?なんだ?」
ホノカはやっと三条に反応してあげた。
「なんだじゃないよ!僕は急いでいるんだ!」
三条は無視され続けたことで怒っていた。
「はぁ…お前死んだことになってるんだぞ?」
ホノカは冷静じゃない三条に嫌気が差し始めていた。
「そうだけど…神殿の人達に伝えないと!」
「その神殿の奴らだが、信用しない方がいいだろ」
「どうして!?」
三条は焦りのあまりに身を乗り出す。
「お前らにこの世界の情報を一切教えていない点、
非戦闘スキルを冷遇している点、
あとは…」
「あとは…?」
「…いや、なんでもない…」
ホノカはこう言うとした…「お前が邪神の加護を持っている点だ」
しかしホノカはまだ彼…彼らの事を信用し切っていないかった為に言うのを止めた。
「取り敢えずお前は此処にいてもらう…お前の仲間を救うのは俺の用事を済ませてからだ」
「そ、そんな、いやそもそも君は本当に強いのか?そんなに小さ…」
三条先程自身より強いと分かった筈なのに余計な事を言ってしまう。
スパン
ホノカへの禁句が言われる寸前に三条の頬をホノカの手刀により斬撃が掠める。
「え?」
「これでいいか?」
ホノカは真顔で凄んで三条を脅し黙らせた。
(冒険者ギルド)
ホノカは適当にトレントの素材を見繕って、受付に来ていた。
「お疲れ様です。もしよろしければ他の依頼をお受けになりませんか?」
「いや…今日泊まるとこも決まっていないから観光がてら探したいんだ」
「かしこまりました。ではまたのご利用をお待ちしております」
ホノカはそのまま冒険者ギルドを出る。
「ホノカ君、ちょっと待ってくれ」
誰かがホノカを止める。
「あんたは…アーサー」
ホノカを呼び止めたのはX級冒険者アーサーだった。
「すまないね。呼び止めて、少しだけいいかな?」
「別にいいけど」
ホノカは少し考えたがアーサーの話を聞く事にした。
「ありがとう、君は連絡用の魔導具を持っていたりするかい?」
「いや持ってない」
「それなら、これを」
アーサーは小型の魔導具をホノカに渡す。
「いいのか?」
「あぁ、これは対になってるこれとしか連絡できないし、一回しか使えないんだ。」
「そうか…因みに何でこれを俺に?」
「君は間違いなくX級になる…いや既にX級だと僕は思う。
この世界にはX級が何人も必要なモンスターが沢山いる…そんなモンスターと一緒に戦える同志を集めているんだよ。
だから君に持っていて欲しいんだ」
アーサーは真剣な表情で自身の信念を語る。
「そうか…わかった。これは貰っておく」
「ありがとう。時間を取らせて悪かったね。じゃあ」
アーサーはホノカに御礼してその場を去って行く。
(ウラの森)
「待たせたな」
「はぁはぁはぁ…やっと来たか…」
三条は阿立達の元へ行く為に逃げ出そうと奮闘していた。
「この木の家はどうなってんだ…?」
三条は疲れ過ぎて話し方が崩れていた。
「俺が作ったんだ、お前の身体強化如きで壊れるわけねぇだろ」
ホノカは椅子に座る。
「ほら」
ポイ
ホノカは三条に麻袋を投げて渡す。
「これは?」
「飯だ」
「飯?」
三条は麻袋を開く。
その中には瓶の水とパン、果物、大量の干し肉が入っていた。
「大量に血を流したんだ、食っとけ」
「こんなの食ってる暇は…」
ギロ
ホノカは三条を睨み黙らせる。
「食え…食わなきゃ此処から出さないし、お前を連れて行かない…」
「わかった…」
三条は渋々ながら食べ始める。
文句を言っていたものの腹が減っていた為にあっさりと麻袋の食料を食べきる。
「ご、ご馳走様です…」
「そうだ…お前の呪いを解くぞ」
「の、呪い?!」
三条は呪いという言葉で椅子を飛ばすように立ち上がる。
「やっぱり知らなかったか…」
「呪いってどういう事だい?!」
三条はホノカに詰めいるように聞く。
「お前には『邪神の悪しき加護』ってのがついていて、それの効果で強化スキルと呪いが付与されている」
「邪神って?」
「簡単に説明するとこの世界の神々の戦争を引き起こした神だ」
「そ、そんな…」
三条は動揺して後退りをする。
「じゃあ呪いを解くぞ」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!その加護を消したらスキルが無くなってしまわないのかい?!」
三条は何故か加護とスキルが連動していると察している。
「さぁ…そこまではわからない…だがその呪いがある状態じゃ俺はお前を連れて行くつもりはない、どうする?」
「そ、それは…」ゴク
三条は俯き考え始める。本来の三条ならこんな事は考えずの呪詛を解こうとするが、呪詛がそれを邪魔する。
「わ、わかった…その呪いを解いてくれ!」
三条は一時的とはいえ邪神の呪詛に打ち勝った。
「わかった。」
ホノカは彼の気概を認めて、少し表情が和かになる。
(聖神法術 カースクリア)
バシュ
「何…?」
神法術は弾かれた。
「うっ…」
三条は呪詛で苦しみ始める。
(「これじゃ駄目なのか?コイツも苦しみ始めた…ここは…」)
「“法術作成”」
(「属性や名称とか後回しだ。今は効果だけを優先して決める」)
効果:加護の解除
(「いや…」)
効果:悪しき加護からの解放
「や…ヤメロ」
三条の様子がおかしくなる。
「今解放してやる…聖神法術 リリース・オブ・イービルブレッシング」
「ぐわぁぁぁぁあ!」
三条は踠き苦しむが、黒いモヤが噴出してその場に消え散っていく。
「うっ…」
「大丈夫か?」
「あぁ…」
(「あれ?さっきまであんなにスキルが無くなる事が怖かったのに…今は無くなって良かったって思ってる…」)
三条は呪いから完全に解放されていた。
「じゃあ行くか」
「うん。わかった」
三条は憑き物が落ちた清々しい顔で返事をする。
ホノカと三条は神殿へ向かう。
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