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異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第三章 邪神始動編
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第9話:光神法国とは

ホノカとポーラは西の町にいた。

そしてポーラは町の子と追いかけっこをして楽しんでいた。


「ポーラちゃん待って!」


「ははは」


ポーラは鬼の方を見ながら走る程の余裕がある。

勿論ポーラは手加減して遊んでいる。しかしポーラは本当に楽しんでいる。


「ポーラちゃん危ない!」


余所見をしていた為、ポーラの眼前には一戸建ても家がある。


「ほい」

ポーラはジャンプをして家の屋根に登る。


「「「おーーー」」」パチパチ


町の子供達はポーラのアクロバットに拍手を贈る。


「今降りるね!」

ポーラは皆んなに退いてもらう為に声をかける。


皆んなが退いてくれたのを確認して屋根から降りた。

「とっ!」


「ポーラちゃん凄いね!」


「お兄ちゃんに鍛えられてますから!」

ポーラは謙遜する事なく、自身の身体能力と兄の凄さを自慢する。


「「「おー」」」パチパチ


子供達は完全には理解していないが凄い事は理解して、取り敢えず拍手をする。


そんな楽しんでいるポーラ他所にホノカは町長と話をしていた。


「まさかペンドラゴン王国のS級冒険者様とは…知らずとはいえ失礼致しました。」

町長はホノカに謝罪する。


ホノカがS級冒険者とわかったのは、馬車で一緒に来ていた冒険者が関係していた。


「気にいないでくれ、好きでやったんだ…何よりあそこまで…祭り並みに御礼してくれんたんだ。何も言う事は無いよ」

ホノカはしっかりと町長の気持ち汲み取り、言葉には出さないが会釈をして感謝をした。


「ありがとうございます…」

町長はホノカの優しさに再び感謝する。


ズズ

町長は鼻を啜って話をする。

「して…英雄殿、この後の予定は?」


「英雄は止めてくれ…実は隣の光神法国に行こうと思っていたな…」


「法国ですか…?」

『光神法国』と聞いた町長は気まずそうな顔をする。


「?、光神法国に何かあるのか?」

ホノカは町長の態度が気になり問いただす。


「英雄…冒険者様は光神教はご存知ですか?」


「あぁ」


「光神教のイメージをお聞きしても?」


「…詳しくはないが、危ない連中っていうイメージがあるな…」


「そのイメージで合っています…

ですが…昔は違ったのです…

確かな事では無いですのか…法国は『ラグナロク』の時に建国された国と言われています。

『ラグナロク』で負傷した善なる神々は『無の大陸』から最も離れた『光の大陸』で傷を癒していたと伝わっています。

その第二の拠点でもあり癒しの場だったのが…」


「光神法国…?」

ホノカはつい話を遮ってしまう。


コクン


町長は注意す事なくただ頷き肯定する。


「『光の大陸』に『光神』を崇める光神教はすぐに広まり、光神法国はその神聖な場所を守るため建国され…何千年もたった今でもそれは変わりません…

しかし突然に、三代前の教皇が神のために強者のみの世界にすると言い出し弱者を排斥し出したのです。その排斥は今でも続き法国から逃げる者や『光神教』の所為で駄目になった者達が後を絶たないのです」


(「きっと教団の所為だな…」)

ホノカには法国が変わってしまった原因に心当たりがあった。


「町長さん…あんたやけに詳しいな…もしかして…」

ホノカは聞こうとしたが言い淀んでしまう。


「はい…何を隠そうと私も幼い頃に法国から逃げてきたのです…そしてこの町に住んでいる者達の5割は法国から逃げて来た者の子孫なのです。」

町長は敢えて包み隠さずに答える。


「そうか…すまない辛い話をさせてしまって…」

ホノカは深々と頭を下げて謝罪する。


「いいのです…私にとってもう終わった事ですから…」

町長の顔はどこか諦め切れない顔していた。


「冒険者様は何故法国に?」


「…実は弟がいるかもしれないんだ」


「そうでしたか…」

町長は何も言う事が出来かった。

今の法国の内情を完全に知っているわけでも無いし、ホノカのやるせ無い顔を見て何も言えなかった…


「これで法国の話は終わりでいいか…?」

ホノカは居た堪れない雰囲気に耐えれずに話を完全に切れ上げようとする。


「はい…」

町長もそれに了承して話はこれで終わった。


「そういえば冒険者様…いつ法国に迎うので?」


「今日には経つつもりだ」


「そうですか。なら、これを…」

町長は服の袖から光の形をした飾り物をホノカに渡した。


「これは?」


「それは光神教がお祈りの時に使う物です」


(「ロザリオみたいなやつか…?」)


「それと貴方の強さが有ればまず怪しまれません」


「成る程…助かる」

ホノカは会釈をして感謝する。


二人は立ち上がる。

ホノカは早速この町を旅立つ為に、

町長は町の恩人を見送る為に。


二人は何も言わずに外を出る。


「ポーラ」

ホノカは遊んでいるポーラを呼ぶ。


「お兄ちゃん!」

ホノカに呼ばれて、遊びを切り上げてホノカに駆け寄る。


「お話終わったの?」


「うん」


「じゃあ、お兄ちゃんも遊ぼう!」


ポーラはホノカに遊んで欲しかった、ホノカは優しい顔で首を横に振る。


「ごめんな…もうこの町を立たないといけないんだ」


「そっか…」


ポーラはまだ遊びたかったが我儘を言わずにホノカに従う。


「冒険者様…」

町長はホノカを呼ぶ。

その背後には町の全員が集まっていた。


町民はいつでもホノカ達が旅立ってもいい様に独自の連絡網を作って、ホノカ達が旅立つ時に町全体で見送る準備をしていた。

しかも、ホノカの作戦の囮になっていた家族達も集まっている。


早速、ホノカの偽の作戦とホノカの態度にが気に入らなくて、偽の作戦に反対して子供をホノカに預けなかった父親が前にでる。


「冒険者、さ、様…その…すまなかった…そして助かった…」

彼は頭を深々と下げてホノカに謝罪する。


「私の子供を守っていただきありがとうございます」

そして次にホノカの分身とタヌ太郎達が護衛していた子供の親が感謝をする。


「私の娘を助けていただき…感謝…します…」

更に自身の娘を助けてもらった父親が泣きながらホノカに感謝する。


町長が最後の感謝の言葉を言い始める。

「冒険者様、孫を…町の子供達を救っていただき…」


「「「ありがとうございます…」」」

最後は町長だけでなく町民が一斉にホノカに感謝をする。


ホノカは何も言わずに会釈をする。しかし、その顔は恥ずかそうでどこか嬉しそうでもあった。


そして子供達がポーラの元に近寄って来た。


「ポーラ…これ」

一人の女の子はポーラに花の冠を被せる。


「ありがとう」

ポーラはハグをして感謝する。


「これ、どうぞ」

二人の子供が料理の入ったバスケットをホノカに渡す。


「ありがとう」

ホノカはそれを受け取り子供達に感謝する。


そして町長の孫がホノカに近づく。


「ポーラちゃん、また会えるよね?」


「うん!」


「だよね!じゃあお別れの…」

町長の孫はポーラのほっぺにキスを…


ガシ


キスをする寸前でホノカは町長の孫の頭を鷲掴みにする。


ギチギチ


「おい…クソガキ、死にたくなかったらお別れの言葉だけにしとけ…」

ホノカは子ども相手に本気で脅す。


「は、はい…」

町長の孫は股を濡らしながら返事をする。


「も、申し訳ございません!」

町長と町長の娘は青い顔してホノカに近づき謝罪する。


町でのお別れは、子供の戯れとホノカの怒りにより少し気まずくなってしまったが、ポーラと西の町(孫を除く)にとっては将来、再会した時に笑える思い出が出来た。


町長の娘の旦那は、仕事が出来て仕事では真面目な男ではあるが、女癖が悪く、娼館に行くのは当たり前、旅の女性に手も出していて、散々注意されたのにも関わらず町の女性に手を出したのをきっかけに追放されました。

孫も似た悪癖があり、女の子によくキスをしていました。子供だからしょうがないと町の人は思っていましたが、町長は心配していました。

しかしホノカとの一件でこの悪癖は完全に無くなりました。



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