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異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第三章 邪神始動編

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第8話:混沌の転移者達4

「え?」


舞が部屋に戻ると皆んなが帰って来ていた。


「どうしたの皆んな?」

舞はあんな事があった後ため、皆んなが自分の為に帰って来てくれたと思い笑顔になる。


しかし…


「さっきの何あれ?」

ルリは冷ややかな目で舞を睨む。


「あ、あれ…?」

舞は本当に何事を言ってるかわからなかった。


「さっきの阿立君への態度だよ!!」

もう一人の班員が声を荒げる。


「え…?見てたの?」

舞はあんな自分を見られたのを不安に思い、そして見ていたのに助けてくれなかった事に不満を感じる。


「えぇ…殆ど見てたよ」


「じゃあ何で…」


「助けれるわけないでしょ!!」

戦闘スキルでは女子も怒り出した。


「え?」

舞は非戦闘スキルの子は自分の事を理解してくれると思っていた。


「当たり前でしょ!?あっちは戦闘スキルが5人もいるんだよ?

こっちには3人しかいないのにどうすればいいの?」


「そ…それは…誰かを」


「またそれ!舞ちゃんは結局誰かに頼る!教科書とか、宿題とか、生理用品とか私達が貸して…いやあげていたんだよ!?」


更にもう一人の女子が責め始める。

「そうだよ!舞ちゃんはまだわかってないかもしれないけど…ここは元の世界じゃないの!だから変わらなきゃいけないの!」


二人の非戦闘スキルの女子も舞に思うところが少なからずあった。それが今回、舞が言動で爆発した。


「わかったでしょ…?まい…桜さん。これが皆んなの意見なの…」

ルリは舞の呼び方を苗字に変えた。


「…」

舞は責められて泣きそうになっていた。


「そんな事より桜さん!何で今一番権威がある阿立君にあんな態度したの!?」

今度は戦闘スキルの女子が本題に入り出した。


「あれの所為で阿立君に私達5班が恨まれたらどうするの?!」


「ちゃんと謝っておいてよ?」

5班の女子達は部屋から出ようとする。


「で、でも!大崩達に襲われていたのにた、助けてくれなかったのを私だって怒ってるんだよ?!」

舞は悔しくて先程の話を掘り返す。


「「はぁ…」」「ちっ…」「うざ」「理解してないじゃん」

5人は舞に呆れる。


ルリが蔑んだ目で舞を睨み話出す。

「だから何?」


「え?」

舞は再び困惑する。


「ていうか、身体売って媚び売れるならやればいいでしょ?」

ルリから信じられない言葉が吐かれる。


「そうだよ、それで済むなら済ませよ」

「私達に迷惑かけないでよ」


舞は完全に見放されてしまった…


バタン!!!


扉は強く閉められる。


舞はベットに倒れ込む…


「うわああああああああああん」

舞は枕に顔を蹲り泣き叫ぶ。

彼女に、いや…平和な世界で暮らし来た子どもにとって耐えられるわけがない…

非戦員は蔑まれ最悪殺され、

暴漢に襲われても助けてもらえず、

仲が良かった、信じていた筈の友達に見捨てられた事は彼女の精神を追い詰めるのに充分過ぎた…


(1班)

大崩は修道女に注意と謹慎で済んでいた。

勿論、注意の理由は舞を襲った事ではなく、阿立に喧嘩を売った事だ


「良かったじゃん、怒られただけで済んでさ…」

カイトは珍しく大崩の顔色を窺いながら話す。


「…」

怒りと痛みで大崩にとってそれどころではない。


「でもさ、スバルの気持ちもわかるくね?」


「え?」「「?」」


ジンの意外の一言に怒り狂った大崩も反応して振り返って班員の方に顔を向ける。


「だってさ学校だったら俺達の天下だったじゃん?それがこの世界に来たら阿立や神無木達にデカい顔されて、つまんなくね?」


「たしかに…」

「荒野達とかも俺らの事ナメ始めてるよな」

ジンの意見に皆んな賛成し始めた。


「でもさ、どうすんだ?阿立はどんな攻撃も効かない。神無木は魔法を詠唱なしで撃てる。どっちにも勝てねーぞ?」

ダイチがチャラい話し方ではなく普通の話し方で意見する。


「それなら簡単だろ?」

大崩は立ち上がり、恐ろしい笑みを浮かべた…



(5班の部屋)

舞は泣き疲れて寝てしまっている。


ガチャ


ビク


舞は扉が開けられた事に驚き瞬時に起き上がる。


(「どうしよ…謝れていない…このままじゃ皆んなに…」)

舞は寝ていたので阿立の所にすら行っていない。

舞は最悪の事態は想像する。

そして不満になる舞を他所にルリ達は部屋に入って来る。


ルリは舞に視線を合わせて舞に声をかける。


「桜さん」


ビク


舞は嫌な想像から身体がビクついてしまう。


「ちゃんと謝ったみたいで良かったよ」


「!?」


ルリから告げられた言葉が意外なものだった。

舞は困惑して話す事が出来なかった。


「あと、これお土産…」

ルリは串焼きを舞に渡す。


「ありが…」

舞は一様礼儀として御礼の言葉を話そうとするが…


「勘違いしないでね、桜さんの為じゃないから、阿立君に『桜さんに優しくして上げて』って言われたからだよ…」

ルリは舞の言葉を遮り阿立に頼まれてやった事だと告げる。


(「な、なんのアイツ…」)

舞は悔しかった…自分より下の人間に憐れまれる事が…


「そうだ、今から食事会だけど私達の近くに座らないで…?」

ルリは今回の事で他の奴に自分達が舞と同類だと思われない様に、舞を更に遠ざける。


「…」コクン

舞は頷く事しか出来なかった。

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