表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第三章 邪神始動編
71/176

第7話:混沌の転移者達3

今日は休日で全班が下町で自由行動をする事になっていた。


(五班)

五班は町で買い物に行こうと話していたのだが…


「本当に行かないの?」


「うん…」

舞は外に出る事を拒んでいた。


「そっか…じゃあ行ってくるね…」


「うん…いってらっしゃい」

舞は苦しそうに笑顔で班員を見送る。


バタン


『はぁ…空気読んでほしいんだけど…』


『折角皆んなで気晴らししようって計画したのにね…』


『可愛いから何でも自分の思い通りなると思ってるんでしょ』


戦闘系スキルを持つ3人は桜舞の陰口をたたく。

非戦闘スキルの二人は黙ってその3人の陰口を聞いていた。自分もいつか彼女の様になると覚悟しながら…


『じゃあ5人で楽しもうか?』


『『うん!』』『『はい…』』


彼女達5人は買い物へ行く。


部屋にいる舞は扉の前で座り込んでいた…


舞は唇を震わせながら喋り出す。

「みんな変わちゃった…」


舞は腕を組んでその中に顔を埋めて…扉の前で蹲る。


「いや…皆んな昔から隠していただけで心の中では思っていたんだろうな…」

舞にとって、ここまで皆んなに蔑ろにされた事はなかった。

阿立や莉愛にとってはこんな事は何もされていないのと同じだけど舞にとっては耐えがたい事だった。


ぐぅ〜〜。


グス

「こんなに悲しいのに…お腹は減るんだね…」


舞は涙を拭い立ち上がる。


「ご飯貰えたらいいな…」


ガチャ


舞はあまり期待せずに食堂にご飯を貰いに行った。


(一班)


「休日とかちょー久しぶりじゃな?」


「それな!モンスター狩りも楽しいけどさ…最近は作業ゲーになっちゃってつまんないんだよな」


「テンションが上がんないよなー」


「雑魚ばっかでレベルも上がらないしな」


「アユムは今いくつ?」


「俺は50」


「俺の勝ち、俺52」


「まぁ、カイトは良いとこ取りしてんだから俺より高いのは当たり前だろ」

この言葉で二人の緊張の糸が張り詰めて二人は睨み合う。


「はぁ?」


「やんのか?」


「やってやんぜ」

二人は互いに凄み合う。


「うるせぇ!!!!!」

大崩によって二人の喧嘩は止められた。


「スバルまた不機嫌じゃん…ダル」ボソ


「阿立に負けてるからしゃーねよ」ボソ


「アイツの戦ってるとこ見たことねーけど防御力はハンパねぇからな…」ボソ


「ワイバーンに咬まれても平気だったらしいぜ…」ボソ


睨みあっていた二人も一緒になって四人は大崩に聞こえない様にコソコソと話し合う。


「ドイツもコイツも俺の事を見下しやがって…」

大崩は昨日の起った出来事をを気にしていた。


昨晩の食堂…


『おい、退けよゴミが』

大崩は相変わらず阿立を下に見ていた。


『…』

阿立は何も言わずに退こうとするが…


『いい加減にしろ』

三条は大崩を注意する。


『はぁ?』

大崩は正しい事をしている三条に逆ギレする。


『三条…テメェ何様のつもりだ?』


『その言葉、そのままそっくり君に返すよ』

三条は敢えて大崩を煽る。


『テメェ…』

大崩は無謀にも三条を殴ろうとする。


(“身体強化・極”)

三条もそれにスキルで迎え撃つ。


『止めなさい!』

騎士達が二人を止める。


『ちっ…』

大崩は不貞腐れて自分達の席に着こうとする。


『大崩様』

修道女が大崩を止める。


『いい加減にしてください』

修道女は冷ややかな目で大崩を見つめて注意する。


『何だと!?俺が悪いとでも言うのかよ!?』


『はぁ…そうです。』


『なっ…』


『此処はもう貴方が知っている世界では無いのです。元の世界で阿立様とのご関係は忘れてください…いい加減に理解してください。』

修道女から辛辣な言葉をぶつけられる。

そして修道女は大崩の様子を身終えたら阿立の方を振り返る。

しかも和かな顔で…


『阿立様。大崩様に何かされたら私若しくは近くの騎士までにご報告ください』


ペコ


『…』

阿立は御礼は言わずに修道女達にお辞儀だけする。


『行こう…』

三条は阿立を連れてその場を離れる。


大崩はそんな二人の背中を睨み続ける。


『くそ…絶対ぇ…絶対ぇに…』


「許さねぇ…」

大崩は昨日からずっと阿立と三条、修道女達を逆恨みしていた。


「ん?あれは…」

そんなイライラしている大崩の目の前に舞が現る。


ニヤ、ニヤ、ニヤニヤ


怒りを忘れてしまう程、大崩にとっても舞は美人だ。

そんな大崩だけでなく他の奴らも舞に気づいて不気味な笑みで舞を舐め回すように見る。


「!」

舞もそんな三班のごろつき共に気づいて、振り返えて逃げようとする。


「“縮地”」

カイトは舞の逃げ道を塞ぐ。


ニヤニヤ


「いや…」

舞は自身の訪れるかもしれない未来を予想してしまい恐怖で身体が震える。


「なぁ…舞、一人で何してんの?」

一人が友達でもないのに舞を呼び捨てにして近づいて来る。


「ジンっち、焦り過ぎじゃない?」

更にもう一人が囲む様に近づく。


「そういうお前もだろ?ダイチ」


「まぁね〜⭐︎」


「なぁ…舞、俺らが慰めてやろうか?」

大崩が本題に入る。


「お前、非戦闘スキルなんだろ?友達に見捨てられて寂しい思いしてんだろ?だから…」

大崩は舞の頬を触ろうとするが…


バシ


舞はその手を払う。


「お高く止まってじゃねーぞ!!!」

大崩は舞を殴ろうとする。


ガキン(ボキ)


「痛ってぇ!!!!!」


大崩の拳は急に現れた阿立を殴った事により、右手指の骨が砕ける。


「阿立、なんでお前がいるんだよ!?」


「…」

ジンに聞かれた阿立は何も答えない。


「あ〜だ〜ちぃ〜」

大崩は怒りの形相で何とか立ち上がる。


「スバル落ち着けって」

カイトは大崩を止めるが…


「うるせぇ!退け!」

大崩はカイトを右手で払い退ける。

もう彼は怒りで痛みを感じいない。


「ストレス解消なら僕が付き合うから桜さんに構うな…」

阿立は珍しく話を切り出す。


「ヒッヒッヒ…」

大崩は怒りで頭がおかしくなっていた。


「なら望み通りにしてやるよ!

我が力よ!」

大崩は魔法を詠唱しようとするが…


「止めなさい!」

騎士達がやってきた。


「くそ!離せ!」

大崩は取り押さえられそのまま連れてかれる。


一人の騎士が振り返って阿立の方に向かって来る。


「協力ありがとうございます」

阿立は来た騎士にお辞儀して感謝する。


「いいえ、ご用の際はいつでもお呼びください。」

騎士もお辞儀をして帰っていく。


「あれ…」

舞は安心してしまい腰を抜かしてしまう。


「大丈夫?」

阿立は舞に手を貸そうとするが…


「触らないで!!」

舞は助けてくれた阿立の手を払い退ける。


「どうせ、あんたも私の事を見下してんでしょ!

いやアイツらをあんたが嗾けたんでしょ?!」

舞は病んでいた…そして阿立の事も下に見ていた。友達ではなく、その下に見ていた阿立に助けられたのは彼女にとって屈辱そのものだった。


「大丈夫みたいだな」

阿立は舞の罵倒を気にせずにそのまま自分の部屋に戻っていく。


舞は何とか一人で立ち上がって食堂は諦めて自室に戻っていく。

いいね、感想、Twitterフォロー、ブックマーク登録、誤字報告などより良い作品を作る為、活動の原動力になるのでご協力お願いします。


Twitter▶︎@inuboshi_fatowl

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ