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異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第二章 復讐の黒騎士編

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第17話:合同授業

試合の後、ホノカには友人が増えた。


 男子のみだが…


「よ!トーカおはよ!」


 しかもホノカの肩に腕を置く猛者だ。


 男子限定ではあるが厳しい視線を向ける者をも減ってきた。

ホノカがこうして歩いていても気にしないかたっり、寧ろ憧れの眼差しを向ける者すらいる。


 そんなちょっと人気者のホノカは邪魔そうな顔をするが、強く拒否はせずに少しだけ肩で押し返す。


「あぁ、ヴィクトル…おはよ」


 ヴィクトルは挨拶を返したことに笑みをみせ、ホノカの意図を察して腕を退ける。


「朝飯食ったか?」


「まだだ」


「なら一緒に行こうぜ!」


「オーレン次第だな」


「それなら安心しろ!昨日聞いて殿下も行くって!」


「昨日って…抜け目ないな」


 ホノカをは何気ない話を楽しんでいる。


「おうよ」


「おはよう。二人とも」


 ヴィナタが二人に合流した。


「お、ヴィナタ君も一緒に朝飯行かない?」


「いいね。ご一緒するよ」


「じゃあオーレンを連れてくるよ」


「任せた!」「ではまた」


 最近はこの4人で一緒にいることが多いく、実はリバーシュ家とオニギリ家は両方とも王国建国時からある名家だ。

ホノカの人気も相まって、余計ホノカに悪態をとる者は減っていたのだ。


 ホノカはオーレンを迎えに行き、食堂へと連れて来る。


 食堂の前で待っていたヴィクトルとヴィナタに合流するとホノカが二人に質問する。


「今日の飯は?」


 ホノカの問いにヴィナタがいち早く応える。


「パエリアか海鮮パスタだったよ」


「あんがと」


 ホノカがヴィナタに感謝をするなり、ヴィクトルが愚痴り出す。


「ちぇ、海鮮かー、肉の気分なんだけどなー」


「良いじゃねぇか。ここの宿堂は美味いんだから、ギルドの食堂じゃ、酒と肉しか出ないんだぞ?」


 ホノカはヴィクトルに恵まれた環境である事を諭す為に軽く冒険者の劣悪な環境を語る。


「うちも似たようなもんだぞ!」


 しかしそれは無意味だった。


「ご先祖がオーガだからな!弟達と毎晩肉の丸焼きの取り合いだよ!」


 実はヴィクトルのオニギリ家はオーガとの混血一族で何世代も経過しているのでオーガの血は薄く種族自体は人族だ。


 そんなオニギリ家の家庭事情にオーレンは顔を引き攣られせ話す。


「オニギリ家は食卓も戦いなんだね…」


「まぁな。うちは6人兄弟でしかも全員年子だからなー」


 ヴィクトルは6人兄弟の長男で、更に上の学年の一級クラスに姉がいる。


 ホノカはそんなオニギリ家の家族構成に驚いている。


(「コイツの親、ハッスルし過ぎだろ…全員年子って…」)


「そ、そういえば一時限目は?」


 オーレンがオニギリ家の子供事情に居た堪れず話題を変える。


「今日一日、合同授業で一時限目は三級クラスとニ時限目はニ級クラスとの授業です」


「二級って事は錬金か…」


 ヴィクトルが嫌そうな顔を小言をこぼす。

彼は魔法は実技合格点で魔法筆記がギリギリの正答率で錬金に関してはボロボロだった。


 因みオーレンは魔法実技は及第点で筆記の正答率80%、錬金筆記は70%。

ヴィナタは魔法実技無得点。魔法筆記は80%、錬金筆記は85%だ。

そして3人とも通常筆記である歴史学、理術、算術は全ての正答率が80%以上で皆優秀である。

ヴィナタに至っては90%以上だ。


「あ、パエリアを」


「俺もパエリアで」


「僕は海鮮パスタを」


 ホノカと二人はそれぞれ食べたい物を決めて、オーレンだけは王宮が用意した栄誉が管理されたフルコースのメニューだ。


「それじゃあ、」


 ヴィクトルが掛け声を言い、四人は食事の挨拶をする。


「「「「いただきます」」」」


 ヴィクトルはものの数分でパエリア食べきった。


「噛んで食えよ…」


 食事を続けていホノカはヴィクトルの健康によくない食べ方を注意した。


「ちゃんと噛んだぞ?二、三回」


「それは噛んで食ってる内に入ってねぇよ」


 四人は談笑しながら食事が終え、教室へと向かう。


「食いたりねー」


「僕も足りないかな。美味しいけど量がね…」

 

 ヴィクトルとヴィナタがお腹を摩りながら、食事の量を愚痴を溢した。


「俺は丁度良かったぞ」


「だから小さいんじゃねー…」ズド


 ヴィクトルの失言をホノカは腹パンを喰らわせ黙らせて跪かせる。


「これで足りただろ?」


 ホノカは低い声で圧をかけて強制的に了承を得ようとする、ヴィクトルは悶絶していてそれどころではない。


(「よ、よかった…」)


 オーレンは危なく同意しそうになっていたのでヴィクトルの二の舞なるとこだった。


「じゃあ行こうぜ」


 ホノカは二人を連れて授業に向かう。苦しむヴィクトルを置いて…


(校庭)


 ホノカ達一級クラスは三級クラスとの合同授業のため、校庭に集まっていた。


 そして、時間ギリギリに来たヴィクトルは怒られてい。


「一級クラスとして心構えがなっとらん!お前以外は10分前に集まっていたぞ!!」


「はい!」


「罰として反省文10枚だ!!!」


「はい!」


「よし!行けぇ!」


「はい!」


 ヴィクトルは駆け足でホノカ達の元へ行き、ホノカ達に異議を申す。


「お前ら酷いぞ!?俺を置いて行くなんて!!」


「自業自得かな」


「僕もそう思う…」


 ヴィナタとオーレンは秒で見捨てた。


 ホノカは睨みつける。


「ひっ」「「「ひっ」」」


 ヴィクトルだけでなく関係の無いところからも悲鳴が聞こえた。


「集合…」


 フォルトが号令をかけると両クラスが集まり綺麗に整列する。


「あれが音剣師…フォルトか」

「怖ぇな。でもカッケェェ」

「『無音』だろ?あの人」


 フォルトは元々軍に所属していたが、訳あって学園の教師を務めている。

元軍の人間という事もあって、三級クラスの生徒達はフォルトの事をよく知られているようで憧れの眼差しをしていた。


「これから四人一組になってもらう…四人のうち必ず一人は他クラスの生徒を入れるように」


「トーカ、君は見学だ」


「わかりました」


「残りの者を10分以内パーティを組みたまえ、時間以内に組めなければ教師陣で組ませてもらう。」


◇


(オーレン視点)


 トーカとパーティ組めないのか…寂しいな…


「殿下!一緒に組みましょう!」


「あぁ、助かるよ」


 ヴィクトル君が一早く話しかけてくれた。

いつものみんなと組めそうだ。


 去年までこうじゃなかった…

いつも最後まで残ってたっけ…


「あ、ヴィナタを連れて来ますね!」


「あぁ、ありがとう…」


 ヴィナタ君もまだ決まってないといいんだけど、あと一人はどうしよう?


 騎士クラスの生徒じゃないと駄目だよね。


「お待たせしました!」


「ありがとう…って彼女は?」


 ヴィクトル君がヴィナタ君と一緒に知らない女子生徒を連れてきた。


「彼女は…」


「ここは私が…殿下、私はリューズ男爵家の長女シューナ・リューズと申します。以後お見知りおきを」


 リューズ家っていえば風剣師の一族だよね?


「こちらこそよろしく。オーレンだ」


「ヴィナタを迎えに行ったら、一緒に居たんですよ」


「僕の幼馴染なんです」


「そうなんだ。


 許嫁とかでは無いって事か…


「10分が経過した。まだ組めていない者達は私の前に来たまえ…」


 僕達はギリギリに決まったみたいだな。


「よし、全パーティが組めたな…

これからルール説明をする。

この森をダンジョンとして最初に奥にいるダンジョンボス役からこの赤い帯を奪ったパーティの勝ちとする。

他パーティと組むのは今回は無しだ。組んだ場合は失格する。

妨害等は今回はありとする。が、重傷を負わせるたり、死者が出る行為などは失格とする」


 成る程…各パーティでの競争か…


「パーティ毎にこの白線に並びたまえ」


 全パーティが白線に沿って綺麗に並ぶ。


「それでは、はじめ」


 全パーティが一斉に走り出す。


「殿下」


 走りながらヴィナタ君が話かけて来た。


 ヴィナタ君は声には出さずに手信号で示して、団体が離れ小道に入った。


「ヴィナタ君、どうしたんだい?」


「これは恐らくこの間の授業に似た内容だと思われます」


「トーカ…S級冒険者の力を知らしめるあれかい?」


「はい。ダンジョンという設定もトーカ君を見学にさせてたのも、冒険者にとってダンジョンでの戦いは当たり前ですから、もしトーカ君とパーティになった場合はそのパーティは授業になりませんから」


「成る程」


 ヴィナタ君は賢いな…兄弟揃って学園の主席を取るだけはあるな。


「ありがとう。ヴィナタ君」


「いえ…あともう一つ大事なお話があります」


「なんだい?」


「恐らくボスはトーカ君です」


「え!?


 た、確かにあり得そうだ…


「あとダンジョンにはゲートキーパーがいます。恐らくゲートキーパーは教師陣だと想われます」


「この授業はだいぶ難しいんだね…」


 ダンジョンの厳しさを教えるには十二分の授業だ。

でも、ホノカの力を考えると過剰な気もするけど…


「グオォォオオオオオ!」


!?


ドカン


「コイツは火熊です!リューズ嬢!」


 ヴィナタ君。いち早く判断を…


「ヴィクトル君!“溜め突き”の準備を!」


「!、あいよ!」


「殿下、すみません。僕の矢に光を纏わせください」


「わかった!

我が力よ、

光の力を武器に纏わせよ。

付与魔法 エンチャント・光」


 ヴィナタ君を不測の事態から的確な指示を一人一人にして、自分も弓で溜め撃ちの準備をしている…何て適応力だ。


「“破剣”」


 リューズ嬢が熊の手を一撃を与えた。


「“溜め射ち”」


 今度はヴィナタ君が熊の腹に穴を開けた。

僕ももう倒すしたんじゃないかと思ったけど動きが鈍くなっただけでまだ動いている。


「今だ!」


「おらぁああ!」


 ヴィクトル君の槍が熊の頭を貫く。


 皆んなすごいな…僕は何も…


「すみません殿下、授業とはいえ殿下に怪我をさせるわけにはいかなかったので」


「いいんだよ。君の指示のおかげで早々に倒せたんだ」


「魔力を回復させてから行きましょう」


 倒した後も油断していない。


 知識だけじゃなく経験からできる所作だと気配りだ。


「そうだね」


 ヴィクトル君ももういつもヴィクトル君に戻っている…

さっきの敵を前にした集中力はいつもと違い、兵士と引けを取らないものだった。


 ヴィナタ嬢もあの軽やか動き、相当な場数を踏んでいるんだろう…


 僕も皆んなみたいになれたら…


「ぎゃぁああああああああああ」


ビク


「だ、誰かトーカ君に挑んだみたいだね…」


「そ、そうだね…」


 皆んな顔引き攣られている…

さっきの戦闘ではこんな顔見なかったのに…


 トーカ、手加減してくれないかな…


 無いな。


(30分後)


「そろそろゲートキーパーがいるところだと思います。なので迂回して行きましょう」


 やっぱりヴィナタ君は頼りになるな。


「先生達も通してくるんじゃないか?」


 そうかな?通してくれる人達がボスをホノカにするかな?


「可能性としてなくはないけど…いや迂回して行こう」


「僕も迂回に賛成だよ」


「私も」


「めんどくせぇけど仕方ないか」


「じゃあ行こうか。」


 暫く歩いていたら…


「うっ…」「痛い…」「…」


 倒れているクラスメイトや三級クラスの生徒が10人ほどいた。


「大丈夫かい?」


「で…殿下?お、お逃げください…ここはアイツの…」ガク


「おい!しっかりするんだ!」


「殿下大丈夫です。気絶してるだけです」


「そ、そうか」


 確かに汚れはいるけど大きな外傷はない…


 一体此処には何がいるんだ…


「先生達やり過ぎだろ…」


「迂回してきたのに…」


 確かに結構遠回りして来たのに、こんな所にも来るなんて…


ヒュン


!?


「ヴィクトル君!」


ドッカァーン


 槍が降ってきた?!


 気づけてよかった!何はわからなかったけど…これが当たっていたら…


ゴク


「よく気づいたな」


 この声は…


「トーカ君!?」


「よ」


 そんな軽い挨拶…


「なんで君がここに…!?、赤い帯ない…ってことは…」


「俺が門番だよ。安心しろ手加減してやる」


 トーカはそう言いながら刺さった槍を手にとる。


「へぇ…おもしれぇ…本職の騎士ナメるなよ!」


「殿下…」


!


「わかった」


「二人とも時間稼ぎを!」


「「わかった!」」


「いいね」


 トーカが怖い笑みを浮かべた…


 僕達死なないよね…?


 僕がこんな事を考えているとヴィクトル君が動いた。


「“槍牙”」


 避けて掴んだ!?


 トーカは凄いけど、ヴィクトル君は何処か焦っているようだ…


「なっ」


「悪い。貰うぞ」


 トーカは力だけで槍を奪い取っ…


!?


ズドン


 奪った槍をこっちに投げてきた…こ、殺す気か…


「「”剣爪”」」


 ヴィナタ君とシューナ嬢の横と上を捉えた攻撃、これなら!


「嘘でしょ!?」「くっ」


 あの状態からジャンプして身体を捻って避けた!?


「ヴィクトル君!」


 ヴィナタ君が剣をヴィクトル君に渡した。


「“剣牙”」


 死角からの突き攻撃!


!?


 身体を拗らせながら避けた!?見えてるの!?


「殿下今です!」


「光魔法フラッシュ!」


 先程ヴィナタ君は事前に決めていた指示を僕にしてきたので準備していた。


 よし!これで…


スパン


 え!?こっちに目を瞑ったまま攻撃してきた!?


「まだだ喰らえ!」ボフ


 ヴィナタ君が何かの小袋をトーカの顔に投げた。


バタン


「よかった…効いたみたいだ」


「今のは?」


「これはお手製眠り粉です」


「話していないで行きましょう。耐性スキルがあると思いから効きが短い筈です」


「そうだね…彼を運びながら行こうか…」


 ヴィクトル君、トーカと一緒に眠り粉を吸ってしまったみたいだ。


「重い…」


 ヴィクトル君、身長もそうだけど筋肉がすごいから重い…


「僕も手伝います」


「これは先生のところに行って棄権ですね。本当に重い…」


「そうだね」


 残念だ。折角トーカに勝てたのに…


◇


パチ


「行ったみたいだな」


 ホノカに眠り粉は効いていなかった。


「一緒にいたのはシューナ嬢だよな?懐かしいな…」


 ホノカはヴィナタやシューナとの狩りをした事を思い出していた。


「さてと、ズルした奴ら以外は通していいって言ってたけど、“聞き耳”スキルでも限界があるからな」


 ホノカは教師達からゲートキーパーを頼まれていた。


「ん?次は公爵令嬢のパーティか」


(森の奥)


「「「え?」」」


「だからこれでクリアだ」


 フォルトはヴィナタの方をジロリと見てから再び話始める。


「ヴィナタ、君は気づいたようだな…」


「ついさっきですが…」


「うむ。ゲートキーパーの彼は不正者を脱落させるために我々が配置した」


 ホノカは不正者を蹂躙するの本来の仕事(授業)だった。

しかし、懐かしい二人の今の実力が気になり戦闘を仕掛けたのだった。


「じゃあ、倒れていた彼らは…」


「その通り、性懲りも無く連携して彼を倒そうとしたもの達だ。

後はそこで休んでいたまえ」


 フォルトは仮説テントに指を刺し、オーレン達に休憩を許可した。


「「「「はい」」」」


(校庭)


 生徒が全員戻ってきた。漏れ無く全員ボロボロになって…


「疲れているだろうが結果発表をする。

クリア4組、脱落1組、失格5組。

脱落したもの達は反省分一枚、校庭10周、失格の者は30枚を提出し、校庭50周をするように…以上解散とする」


 失格した生徒達は愚痴を溢しながら教室に戻っていく。


 ヴィクトルが戦闘の不満をホノカにぶつける。


「トーカ!お前な!俺らを殺す気か!」


「俺が殺す気だったら初撃で死んでたよ」


 ホノカはつまらなそうに答える。


 その言葉にヴィクトルは怖気づいて沈黙してしまう。


 ホノカにとってこれらの訓練はとても退屈で、連携も技術も火力も全てが劣る学生とホノカでは象と蟻どころではない。


「彼の声何処で聞いた事があるような」ボソ


 シューナはホノカの声に聞き覚えがあった…


「シューナさんどうしたの?」


「いいえなんでもないです」


「じゃあ戻りましょ」


「えぇ」


 シューナはクラスメイトとクラスに戻っていく。

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