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異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第一章 転生奮闘編
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第3話:お勉強

(ホノカ視点)


 超優秀な変態家庭教師が家に来た。


 今日はその変態教師と勉強だ。


「ホノカ様。今日はまずこの世界の歴史をもの語り仕立てで勉強しましょう。」


「はい。へん…マルタせんせい」


「ふふ」


ゴソゴソ


 変態教師は自身の荷物から何かを探し始める…


「あれ?こっちだったけ?」


 頭はいいけど整理整頓はできないみたいだ。勉強するってわかっていたはずなのに、今トランクケースの中を探している。


「ではこの本を読みますね」


 変態教師は分厚く、とても幼児向けの本とは思えないものを出してきた。


 本格的な勉強じゃん。


「遠い昔…人々がまだ誕生すらしていなかったこの星に『創造神』が降臨なさいました」


 なんだ。神話の本か。


 宇宙人みたいに他のところから神様が来たのか…


「創造神様は何も無かった星に神々と王をお産みになりました。

龍族と龍人族の始祖『神龍』様。

フェアリー族とエルフ族の始祖『神樹』様。

巨人族の始祖『巨神』様。

ヴァンパイアやオーガ、ナーガなどの亜人の始祖『地母神』様。

天使族の始祖『聖天神』様。

魚人族と人魚族の始祖『海神』様。

魔族と人魔族の始祖『魔神』様。

獣人族の始祖、八神『神獣』。

四腕族の始祖『武術神』様。

ドワーフ族とホビット族の始祖『生産神』様。

法術の生みの親『法術神』様。

鬼の長で地獄の管理者『閻魔大王』様。

この世界はこの12の神々に支えられているのです。」


 ん?なんか聞いたことがある話のような…?んー。思い出せない…


 それとよんわん族ってなんだろう?四腕族?腕が4本あるのか?異世界だから不思議じゃないか…会ってみたいな!

 他の種族はなんとなく想像できる。ファンタジーあるある種族だもんな。


「我々人族は創造神様から生み出されたのです。

そして神々は種族関係なく弟子を取り、新しい神々誕生していきました。

炎の神、剣の神など様々な神が誕生なさったのです。

他にも神と神、神と人の間からまた新しい神が産まれました。

これを人々は『神代』と呼びました。」


 ほぅー。面白いな神話が歴史みたいに教えられているんだな。


「そしてあるとき…法術神、魔神、地母神に認められていた。優秀な神がいました。

その神は他にも様々な神に認められ、次代を導く神として期待されていました。

しかし唯一人、創造神様だけはその神のこと認めておりませんでした。

その神の邪な心を持っていることに気づいていたからです。

その神は自身の為なら他の者が傷ついても何も思わない…寧ろ喜び、更に弱き人々を蹂躙して自分の思うがままに人を傷つけていきました。」


 嫌な神様もいたもんだな…


「その神は『邪神』と呼ばれました。

邪神は創造神様に自分を「次の創造神にしろ」と迫りました。勿論、創造神様はそれを拒み、彼を破門し神の名を剥奪しました。

それに怒り狂った邪神は創造神様を殺してその力を奪ってしまったのです。

その結果、神々は

十の神、八の神獣が率いる善の神と

邪神に敬信、恐怖、洗脳された悪の神に別れました。

善の神と悪の神が戦う…神々の大戦争『ラグナロク』が始まったのです。

この戦争で多くの神、人々が亡くなりました。十の神はこれを悲しみ…これ以上犠牲を出さないために十の神は力を合わせて邪神を封印することに成功しました。

でもその代償は大きいものでした。多くの神が力を失ってしまったのです。それから…

…大丈夫ですか?」


 壮大な話で聞き入ってしまった。


「…うん!ちょっとぼーとしてました。」


「ハイペースでしたから少し疲れてみたいですね…」


 変態教師は俺の額をソッと触り、一様熱があるか調べてくれた。


「ちょっと休憩にしてお茶にしましょう!」


「はい!」


 変態教師が俺を抱いてお茶をする為に台所に向かう。


 台所に着くと変態教師が紅茶を淹れて、棚から昨日も食べたクッキーを取り出した。

 紅茶は昨日父が仕入れたらしい。


「ホノカ様…」


 変態教師は俺を手招きして近づける。


「これは皆んなには内緒ですよ?」


 変態教師はポッケから包み紙を出した。なんか甘い匂いがする。


 変態教師が包み紙を開くと中には白色のキャンディーが入っていた。


「いいんですか?」


 そんな高い物勝手に食べていいのか?


「これは私が来る前に買ったきたものなので安心して食べていいですよ」


 如何やら俺が心配してことを察してくれたようだ。


「ありがとう。いただきます。」


 うっまぁぁぁーーーーーい!


 久しぶりの甘味に涙が出てくる。


「これからは勉強を頑張ったときだけあげますね」


 変態教師…マルタは悲しい顔しながら俺の頭を撫でながら話した。


 意外とこの人…優しい人なのかもしれないな。

 いや本人に許可取らないで官能小説書いてるだけで悪い人ではないからな…聞かれても絶対許可しないけどさ。


 紅茶を淹れて終わると、紅茶とクッキーを持って俺の寝室兼勉強部屋に戻ると扉の前でヨハンが待っていた。


「マルタ嬢…これはなんですか?」


 そのヨハンの手にはさっき程まで読んでいた分厚い本がある。なんか怒ってるぽいけど、どうしたんだろ?


「『世界創生記』が何か?」


「こんな子供騙しの本はホノカ様には必要ありません!!」


 うわ!ヨハンが大声を荒げているのは初めてみたな…


「何を言うかと思ったら…貴方は無神論者ですか?」


「違います!私は『光神教』です!!」


「狂信派か…」ボソ


 ん?今なんか言った?


「ならこの本がどれだけ価値のあるものかわかるはずです…」


「創造神なんていもしない存在を崇めるのが可笑しいと言っているのです!」


 なんか白熱してきたな…


「貴方の信じるものを否定するつもりはありません。ですが!今坊っちゃま…ホノカ様は様々な事を見聞きし、自身でその情報を取捨選択していかなければなりません。それを執事である貴方が勝手に決めるものではありません!」


「マルタ嬢。貴方は…」


「私は淑女ではありますが生娘ではないのです。その嬢呼びは止めていただけませんか?」


 ふ、二人とも怖ぇええええ!しゅ、宗教の話だからしょうがないか…


 でも創造神ってこの世界の親かつ先生みたいなもんだよな?なのにヨハンは否定してるんだ?それじゃあ光神?も否定することにならないのか?


「それは失礼しました。ですが…」


「何を騒いでいる!」


 よ、良かったぁ…父よ俺を助けてくれ!

 うお、凄い形相だ…いつも怖い顔だけど、いつもの倍怖い。


 そんな父は俺を庇うように二人の前に立つ。


「「申し訳ございません」」


「息子の前であまり喧嘩をしないでくれ二人とも…」


「「はい」」


「それとヨハン…ホノカの教育はマルタに一任している。彼女が悪いことを教えたときは私が止める。いいな?」


「…はい……かしこまりました…」


 ヨハンはあまり納得していないみたいだ。

 あんな事になるとは…ヨハンの意外な一面を見てしまった。


 一悶着あったけど、変態教師と勉強を再開することになった。


「ホノカ様…お見苦しい所を見せしまい…申し訳ござません…」


 別にマルタが悪いわけじゃないのに子供相手にしっかりと頭を下げて謝ってくれてる。


「きにしないでください!すこしびっくりしたけど、しゅうきょうっていろんなことがあるとおもうので」


 いやマジで。


「…」


 えっ?何その生暖かい目?怖いんだけど…


「やはり貴方はあの人に似て聡明なのですね…」ボソ


「え?」


何て言った?なんかボソっと言って聞こえなかった。


「すみません。忘れてください」


 聞こえていないのに謝られても困る。


 彼女は笑顔で取り繕い話を変える。


「そういえば本を返して貰って無かったですね!」


 確かにそうだ!


 きっと動揺してたんだな。ヨハンに陰って泥棒みたいな真似はしないから。


「では別の勉強をしましょう!えっと

…」


 流石にあんなにヒートアップした後話難いもんな…


 またトランクケースごと…いやこの場合は仕方ない…か?


「国の勉強をしましょう!」


 彼女は何冊かの国の本を出して机に並べた。


 あれ?


「このこっきみたことある…」


「ホノカ様は小さいからしょうがないですが、それはこの国、ペンドラゴン王国の国旗ですよ」


「ぺんどらごん…おうこく…ペンドラゴン王国!?」


 何で気づかなかったんだ!


「ちゃんと知ってみたいですね!そうです。ペンドラゴン王国は…」


 いや…そんな馬鹿な…


 嘘だろ?


 ちょっと待ってくれ。偶然?


 クソ!頭の情報が処理しきれない…


 そうだ!他の国は?!


「…でですね。他にも…?どうしました?坊ちゃま?他の国も気になるんですか?」


 これはメロネ王国、ここはユラメイ王国、青獣国シャンバラ、イグラシア…


「はぁはぁ」


「どうしました?大丈夫ですか?」


 ここは『ミソクリ』の世界だ!


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[一言] ここまで誤字報告機能で誤字脱字報告致しました。誤字脱字を減らしたいのであれば書いた文章を口に出して読むことをおすすめ致します。余計な事でしたらすいません。
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