第1話:バブ
(赤ちゃん視点)
あれ?目が開かない。
目に力一杯入れるが全然開かない。
身体が動かない!声も出ない!これは金縛りってやつか!?
息もできない!く、苦しい!
ピカ
眩しっ!目が開いた!
急に光がさして何も見えない…
誰か助けに来てくれたのか?わかんないけど喉がはち切れていいから声を出さないと!
「オギャーオギャー(助けてください!身体が動かないんです!)」
「$#*%+(産まれたぞ!)」
誰かいる!助けて!
ん?、赤ん坊?なんで?そんなことより…
「オンギャーオギャー…(すみません、身体が…)」
ん?あれ?
「アー(あー)」
(…)
「オギャーーーーーーーー(これ俺の声だーーーーーーーー!????)」
「++、@¥&…(ええ、あなた…元気な子だわ)」
この人たち何言ってんだ!?何語だろ…?え?まてよ…
赤ん坊になって…見知らぬ言語って…て…て…
「%#|$@:=(精霊も祝ってくれてるぞ)」
「バ、バ、バブーーーー?!(転生ーーー?!)」
(3ヶ月後)
ふー朝か…あれから恐らくだけど3ヶ月が経過した。
この世界の時間間隔は知らないけど朝が90回来たから前の世界だと3ヶ月だ。
「ホノカ%#^*#(ホノカ起きたのね)」
「アブアー(おはよー)」
「ふふ、#%^」
この女性は多分俺の母親だと思われる。
窓ガラスを見た自分の顔がその顔がこの人にそっくりだった。
自分でも言うのもなんだけど途轍もなく可愛い赤ちゃんになってしまった。
ワンチャン女の子に転生したかと思ったけど…男の子だった…ついてるものがついていた。
この通り俺は異世界転生してしまったらしい、言葉は全然わからない。けど…わかること言葉がある俺の名前は如何やら「ホノカ」らしい…
なんで前世の本名と同じ名前なんだ!
最初聞きが間違いかなと思ったけど母と父が俺の顔を見ながら「ホノカ」と呼んでいるから間違いない…
女の子みたいな名前だって馬鹿にされて、それが嫌でゲームでは「焔」ってカッコいい名前にしたのに…
「%¥&?^(ご飯ですよ)」
ごくごく
母のおっぱいを飲むが途轍もなく恥ずかしい。美人だから余計に恥ずかしい。
母よ、すまない。中身が三十路のおっさんで。
ごくごく。ふー
「ゲフ」
「*=%$€(あら、お腹いっぱい?)」
なんで異世界転生したんだろう?
俺って死んだのか?
定番だと事故だよな。最後の記憶はゲームして疲れて寝たことしか覚えていない…
比喩では死ぬほどゲームしたとかは周りに言っていたけどさ…
実際はそこまでやってなかった。
病気ではないはず、健康診断で引っかかったことないし、仕事も小さな会社だけどホワイト企業だし、ストレスとは無縁だった。
(「#%^**?e^$(自分でゲップ出来て偉いですね〜)」)
この3ヶ月ずっと同じ事を考えてる。
なんでナビゲーターとか神がいないんだよ…可笑しいだろ!
この世界とか常識教えてから転生しろ!!!
何も教えずに転生とか勝手過ぎるだろ!
ゲームでだけど人生最高に充実してたのに…
折角隠し職業にもなれたのに…
俺の目標も仲間の目標もまだまだあったのに…
それなのに貴族とはいえゲームのない文化レベル中世って…
「オギャーーー(ふざんけなーーー)」
「$*%$^*(あら、おしめかしら?)」
あ、母よ、トイレじゃない。俺の苦痛の叫びなんだ。あ、ちょっと…はぁ…超恥ずかしい…
「$€*+=t-(あら?大丈夫みたいね)」
寝たフリしとくか…
「!¥&9h#%^^(あら?お眠む?)」
一体ここは何処なんだ?
魔法の道具みたいなのはたまに見かけるから魔法の世界なんだろうけど、どうしたらいいんだろう?
俺は魔法使えるのか?
言語がわからないので魔法もクソも無いけど…
神様よ…初心者パックみたいなスキルよこせよ…何もしてくれないにも程がありある!!!
強いて言うなら…赤ちゃんだけど視力が良い。赤ちゃんってたしか産まれてから段々と視力が上がるって元カノに聞いたことがある。
でも俺は産まれたときから見える。
あと普通に歩ける。掴まり立ちもしなくていいし、若干手足が短いので歩き難いが歩ける。
そのおかげ過ごしやすい。
勿論父や母の前では四つ這いで赤ちゃん歩きをしてる。
あとは…そうそう、嬉しいことに親は両方とも美形だ。
父は強面って感じで怖い顔だがイケメンで、母は声は優しくなんか御令嬢って感じだが、天真爛漫ぽい、よく俺を外で高い高いでお空に投げる。
死ぬかと思った…
父も驚いてすぐに母から救出してくれた。
これをきっかけに母は俺にとって要注意人物だ。
そんな両親は貴族貴族っぽい。
でも貧乏だ。しかもかなりの貧乏だ。
父と母の服装は貴族っぽう服装で子綺麗だけど…食事を見たが黒いパンと緑色のスープと燻製肉のみ、偶に豪勢なときは有るが、燻製肉がステーキになるくるい、しかも1ヶ月に1食のみだ。加えて執事と侍女が6人くらいしかいない。父の上司らしき人のお屋敷にお邪魔したが、うちの3倍以上はいた。両親に顔も髪色も似ていないから血縁者ではないのは確かだ。
多分だけど家は恐らく士爵、準男爵ぐらいなんだろう。
今のところ俺の食事は母の母乳なので問題ないが大きくなってあれを食べなきゃいけないと思うと…
ガチャ
噂をすれば父が入ってきた。母がお守りしてるとあの一件以降は父が見張りをするようになった。
「グレンダ%#$ホノカ+$“^&@(やぁ…グレンダ、ホノカは元気かい…?)」
「%#>$*+@:/-(もう、貴方ったら、高い高いはしないから安心して!)」
「|?#‘*&0:@&¥(べ、別に疑っていないよ)」
「%#*$€”(ほんとかしら)」
喧嘩ではないっぽいがまた言い合ってる…
寝たフリだけど勘弁してくれよ…
今度はちょっとグズってみるか…
「ンンウア」
「$%#?=€・(嫌だ!ごめんね!起こしちゃって!)」
「フワームニャム…」
薄目でみたら母と父は口パク会話してくれている。
「(貴方、今のうちに出ましょ)」
「(そ、そうだね)」
「「(おやすみ、ホノカ)」」
よし、行ったみたいだな…
って?あれ?本当に眠くなってきたみたいだ…
赤ん坊だからか?
あ、もう無理だ…おやす…すぴー…