表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第一章 転生奮闘編
17/176

第16話:従魔育成

(ホノカ視点)

 午前中の授業を終え、森で従魔を育成する。

 

 バレるのを恐れて早朝から森に待機させておいた。

 

「うん、怪我してないな」


 今日はレベル上げより先に、まず似たスキル構成のモンスターから育成していく。


 最初に育成していくのは属性法術が得意なタヌ太郎とコン次郎だ。

 得意とする属性自体は違うが、とりあえず二体とも全属性の法術は覚えてもらう。

 この2体は本来神法術も使えるモンスターだ。


 話は変わるが気になっている事がある。

 何でカブ五郎は俺が来たら俺の頭に乗って寝るのんだ?

 やめてくれないかな?集中できない。


 しょうがない時間も限られていることだし、今はこのまま育成をしよう。


「タヌ太郎、コン次郎。よく見ておけよ。光魔法 ライトボール」


「「くぅ〜ん?」」


 二体とも首を傾げてしまった。


 いくらファンタジーの世界とはいえ動物の赤ちゃんに見ただけで魔法を教えるのは無理があるか…


「ぷご」


 ん?


「えぇ〜ーーーー!?これって、ファイヤーボールじゃん」


 光魔法を見せたはずが、炎魔法を扱えている。

 てことはトン三郎は自身に合う属性がわかって、魔法使えたってことだよな…

 コイツ凄くない?


「二体もちょっとごめんな待っててくれ。 …“鑑定”」


Nameトン三郎 Lv.1

種族 エンジンアオーク

テイマー トーマ・トライーガ

スキル「炎魔法Lv.2」「鑑定Lv.1」


 えええええ?!

 いまの一瞬でスキルを習得したのか!?

 昨日見たときにはスキルなしにだったのに、2まで上がってる!


 スキルはレベル1から始まり、100まで上げることが出来る。

 魔法の場合、

5ずつ上がるごとに魔法のリキャストタイムが短くなり、

10ずつ上がると魔法段階が上がる。


「ぷご」


 ん?前足で俺の袖を引っ張ってくる


「どうした?トン三郎」


ぴ、ぴ、ぴ、ぴ


 どうしたんだ?みんなに指差して。


「ふご」


 息をすって口を膨らませて…なんだ?


「ごめん。わかんない」


「ぷぅ〜ご〜」


 そんな「もーなんでー」みたいに鳴かれてもわかんないものはわかんない…


ぴ、ぴ、ぴ、ぴ、ぴ


 お、今度は自分も、んで?


「ぷー〜」


 前足に力瘤……はっ、まさか!?


「“鑑定”」


Nameタヌ太郎 Lv.1

種族 茶釜狸

テイマー ホノカ・トライーガ

スキル「土魔法Lv.1」「硬化Lv.3」


Nameコン次郎 Lv.1

種族 稲荷神

テイマー ホノカ・トライーガ

スキル 「水魔法Lv5」


Nameウル四郎 Lv.1

種族 ジェネラルウルフ

テイマー ホノカ・トライーガ

スキル 「索敵Lv.3」


Nameカブ五郎 Lv.1

種族 キングアーマインセクター

テイマー ホノカ・トライーガ

スキル 「身体強化Lv.2」「硬化Lv.2」「感知Lv.1」「威圧Lv.1」「隠蔽Lv.1」


「はぁーーーーー???!!!」


 みんなスキルを習得している。しかもカブ五郎に至っては5つ習得している。


「おまえらどうしてスキルを?」


「「「?」」」


 三体は首を傾げてしまった。

 いや可愛いけども…

 ん?残りの二体は何か会話してる。


「ぷご」


「きしゃ?」


「ぷぷご!」


「きゅい〜」


「ふご」


スタスタ、ブゥーン


 何か離れた。


「ぷご!」


ボッ


 え?ファイヤーボールを…まさか!


シュッ、スッ、ドーーン


 撃った!避けた!爆発した!

 やっぱりコイツら五体でスキルのレベルを上げたをしていたのか。


シュ。


 カブ五郎が後ろに回った!

 トン三郎はスキルを2個しか持ってないのに!避けれないぞ!


 まずい!ヒートアップしすぎだ。


「わかった!おまえらが自主練してたのはわかったからもう止めろ!」


「ぷご!」フンスフンス


「きしゃ」


 カブ五郎は止めてくれそうだけどトン三郎は興奮しちゃってるな…


「あのなトン三郎。お前は種族的に戦闘向きじゃないんだ。生産型なんだ。お前が成体になったら頑張って貰うから戦うのは止めにしよう…」


「ぷ…ぷご…」ポロ


 あー泣かせちゃったな…やっぱ勝てないって遠回しに言われたのは傷つくよな…んー


「トン三郎…お前はなんで戦いんだ?」


ピッ、トストス、モフ


 俺、つつく?攻撃?、抱く…守る?


「俺を守りたいのか?」


「ぷご」


 当たった。

 てかこいつ賢すぎね?


「ありがとうな」


「ぷご!」


「でもな、俺はめちゃくちゃ強いんだぞ?」


「ぷご?」


「信じてないな?見てろよ?」

 

 ご主人様の力を疑うと困ったやつだな。


 あの木でいいかな。


 体術“手刀”。


ズッドーン


 こんなもんかな?


パチパチパチ


 おーみんなで器用に前足で拍手してる。


「信じてくれたか?」


「ぷご」


「お前らには強くなってもらう!強くなったら、俺を手助けしてくれ!」


「くぉん!」「こん!」「ぷご!」

「わん!」「きしゃ!」


 一番時間がかかると思った魔法を習得してるからな…


 次は…


「近接戦闘のウル四郎とカブ五郎だ!」


「わん!」「きしゃ!」


 近接戦闘が得意な二体の訓練を行う。


 得意であって、決して近接しかできないわけではない。

 特にウル四郎はそうだ。

 法術は魔法しか習得できないが近接武器スキル、投擲スキルなど満遍なく習得できる。

 カブ五郎は聖、木の神法術を習得できる、武器スキルは習得できない。勿論他の強化スキルは習得できる。


 今からコイツらに、「体術」、「闘魂術」、「気功術」を習得してもらう。あとは既に習得しているスキルを30くらいまでは上げたい。


「よし、お前ら!今日はビシバシやるぞ!」


 特にウル四郎。


「わん!」「きしゃ!」


「まず!「気功術」を覚えるために1時間瞑想するんだ!」


「わん!」「きしゃ?」


 やっぱりウル四郎は多分俺の言ってることを理解できていない…

 コイツ俺の言葉に対して返事してるだけだ。 

 だってコイツ、偶々手に持ってる納剣した鞘を見ながら尻尾をぶんぶん振り回しているもん。

 試しに剣を上下に逸らしたら、立ったり座ったり目で追っているもん…


 『ミソクリ』は自分育成がメインのゲームだから、自分のスキルレベルを上げるのが大変だし、モンスターのスキルレベルを上げるのも大変だからモンスターの性格はない。

 もし性格厳選があったらゲームを進めなかったろう。


 まぁ、コイツらとこうやって楽しむのもありだな。


もふもふ


 ウル四郎も毛皮がふわふわだ。


「ウル四郎、集中しろ!スキルを習得したらオヤツをあげるぞ!」


「わん?!」


 オヤツはしっかり理解するんだな。


「瞑想するのはこうやって座禅して目を閉じて、エネルギーを感じるんだ」


 ん?二体とも座禅できなくね?


 って、え〜ー…カブ五郎。

 お前のその身体で座禅できんの?


「へっへっへ」


 ウル四郎はわかんないよな。

 ごめんな。

 んー、どうすればいいんだろう…オヤツで待ては意味ないよな?


 やるだけやってみるか?


「ウル四郎!こっちにおいで」


「わん!」


 うん、可愛いな。犬にしか見えない。


 じゃあ前もって用意しておいた燻製肉で「待て」をしてみるか。


「ウル四郎。これ食べたいか?」


「わん!」


「よし!じゃあ、お座り!」


 燻製肉をウル四郎の前に置いて…


「待て!」


 集中出来てるな。

 これであとは1時間待つか。そこまで保つといいんだけど…


ポタ。


 涎出ちゃってるな〜。

 我慢するんだぞ。

 まぁ、食っちゃてもいいけどさ。

 食ったら次強請りくるだろ。


 その間に…


 法術が得意なタヌ太郎とコン二郎の育成を行う。


 タヌ太郎は物理防御、法術防御の完全防御特化型だ。

 コン次郎は法術で攻守共に優れたバランス型だ。


 魔法だけじゃなく遁術を習得して欲しいけど、この可愛いお手手では印も結べないよな…

 暫くは属性耐性のスキルを覚えるて貰おう。


「タヌ太郎、コン次郎!初めての訓練だけど厳しめにやるぞ、ついてくるんだぞ?」


「くぉん!」「こん!」


「よし!良い返事だ!早速始めるぞ」


 属性耐性のスキルは属性攻撃を受ければいい。

 なのでスキルを習得出来るまで魔法を撃っていく。

 習得するために必要となる攻撃回数はモンスターごとに異なる。

 人…というかプレイヤーも違う。

 これは「属性値」が違うからだ。

 モンスターはこれが固定で決まっているが、プレイヤーは自由に選べて、

俺は…

炎30,000(+50,000)水30,000(+50,000)

土30,000(+50,000)風30,000(+50,000)

雷30,000(+50,000)光20,000(+50,000)

氷20,000(+50,000)毒20,000(+50,000)

聖20,000(+50,000)金25,000(+50,000)

木25,000(+50,000)音20,000(+50,000)

影20,000(+50,000)闇20,000(+50,000)

こんな感じだ。

 

 タヌ太郎の属性値は俺と同じくバランスが取れているが、

コン二郎は炎と水、聖がかなり高く、闇、影が低い。

 つまりコン二郎は炎、水、聖の属性が習得しやすく、闇と影は習得し難い。


 撃っていく魔法は怪我しない様に捕縛系の魔法だ。


「準備はいいか?」


「くぉん!」「こん!」


「水魔法 ウォーターロック」


 水がタヌ太郎とコン二郎の胴体を包み込む。

 2体とも辛くなそうだ。


 暫くこれを繰り返していき、2体とも無事に「水属性耐性」のスキルを習得した。


「よく頑張ったな!」


「くぉん!」「こん!」


「まだ出来るか?」


「くぉん!」「こん!」


 2体とも良い返事だ!

 こうして俺達は1時間が経つまで耐性スキルを習得するために魔法を撃っていくいったが…

 炎、雷などの属性が苦行だったのは言うまでもない…


「くん…」「こん…」


 2体とも疲れきってるな…


「暫く休んでろ」


「くん…」「こん…」


 ウル四郎達はどうなってるか…

 な!?


ダラダラ


 ウル四郎の下に涎で大きな水溜まりが出来ている…


「ウル四郎、もう食べていいぞ!」


「わん!」


ガツガツ


「少し無理させてちゃったな…よしよし」


 子狼だから途中で食っちゃうと思ったけど、しっかり我慢してたんだな。


「よく頑張ったな、お前ら。

カブ五郎ももう止めていいぞ」


 頑張ったコイツらにちゃんとご褒美上げないとな。


 “アイテムボックス”


「えっと…」


 ゲームと違って、手探りで見つけなきゃいけないから面倒な。


「あった!」


ミノタウロスの霜降りステーキ

レア度 国王級プラチナクラス

効果 食事後、VITの消費を軽減する。


「さぁ、お前ら頑張ったご褒美だぞ」


「くん!」「こん!」「わん!」「きゃしゃ」


ガツガツ


 あれ?


「トン三郎、何で食わないんだ?」


ピ、ピ、ピ


 自分、鍛えた、いない?

 

「自分は鍛えてないからいらないってことか?」


「ぷご」


「お前もスキルを取得するのを頑張ったんだから食っていいんだよ」


「ぷご?」


「あぁいいよ」


「ぷご」


ガツガツ


 トン三郎には何か物作りの本を読ませてあげたいな…

 でもそんなアイテム持ってないしな…


 やっぱりトン三郎も戦闘訓練するか…

 一人だけ何もしないのは可哀想だしな…


 レベル上げは明日だな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ