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異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第五章 英雄の師匠編

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第22話:不死王の真実

「「!?」」


 ホノカとヴァレットは不死王の顔を見て驚愕の顔をする。

不死王は白髪の老人で皺だらけで栄養失調を心配するほどに青白かった…


 しかし、ホノカ達は不死王の不健康さに驚いているわけでない…


 そして、エラ達は驚愕しているホノカを見て困惑している。


 するとヴァレットが不死王の顔を凝視しながらホノカに声をかける。


「主…あれは…アイツは…」


「あぁ…間違いない…」


「レイブン…レイブン・ナイトロジェンだ…」


氏名 レイブン・ナイトロジェン(憑依)

所属 ホノカの眷属

レベル1,000,000

種族 人族

第一職業 賢者

第二職業 錬金王

第三職業 テイマー

称号『大賢者』


 この不死王、いや不死王に憑依されている老人はホノカの眷属レイブン・ナイトロジェンなのだ。


 レイブンが何故かこのようなことになっているかというと…


「なぁ…ノーライフキングは封印されていたんだよな?」


 ホノカはイブロストに質問する。


 イブロストはホノカの質問の意図が分からず困惑するがすぐに答える。


「そうです」


「はぁ…」


 この答えでホノカの予想は固まった。


(「アイツ、まさかとは思うけどアポカラリスに張り合うために封印を解除したんじゃないだろうな…」)


 ホノカの予想は大当たりしていた。レイブンには仲が悪い眷属がおり、その人物はアンデッド系のみをテイムする『ネクロマンサー』の称号持ちでその人物を悔しがらさ自慢するためにテイムをしようとして封印を解いたが、テイムに失敗して身体を乗っ取られてしまったのだ。


『どうしたのだ?今更我に怖気付いているのか?』


 不死王はホノカ達が自身に恐怖して戦えないと判断して嬉しそうに笑っている。


 当のホノカは困惑のフェイズは終わり、怒りのフェイズに入っている。


(「“召集”のスキルの機能していればこんなことはなっていなかった…

いや前世のときに仲を取り持っていれば…いや無理だな。

仲が悪すぎて国半壊する馬鹿共をどうやって取り持つんだよ。

そもそもDDと赫が…」)


 ホノカは怒りから以前の仲間との思い出を思い出していた。


 不死王は痺れを切らし闘うとするが…


『どうした?来んのか?ならば我から…』


「五月蝿ぇ!!!黙ってろ!」


『は?え?』


 不死王は初めてされる対応に困惑して萎縮した。


 ヴァレットはそんな不死王…いや同僚のレイブンに呆れた眼差しを向けてから、気まずそうにホノカに質問する。


「ホノカ様…アレはどうなさいますか?

その…勇者達には悪いですが、やはり我々が解決した方がよろしいかと…」


 ヴァレットは今回関わった聖の大陸の者達の気持ちを汲み取りたいが、これ以上同僚が原因で被害出したくなかったため、主であるホノカに具申した。


 具申されたホノカは大きなため息ついて了承する。


「あぁ…勿論だ…あの馬鹿は俺が何とかする」


『いい加減にせよ!我を愚弄する態度、万死に値する!

小さき子…』


(聖神法術 神罰)


 雷のようなエネルギーが不死王とレイブンを襲う。


「ぐわああああああ」『ぐわああああああ』


 不死王とレイブンは膝を着いてアンデッドの塊が崩れ落ち、周辺の瘴気が少しばかり消え始める。


「こ『これは神法術…?』


「お前、神法術を知ってるのか?」


『当たり前だ、私は法術神様の元で薫陶を受けた身…』


 不死王は立ち上がり土埃を払う。


『我に神としての才能はなかったが、無我夢中で学んだものを判らぬ程、呆けてはいないわ』


 不死王は昔の事を思い出しているのか物思いに耽ている。


「…」


 ホノカをそれを少し待ってあげていた。


 するとそれに気づいて不死王は咳払いをしてまた話始める。


『お前…いえ貴方様は神なのですか?』


「そうだ」


 不死王はホノカが神だと知ると土下座をする。


 それにホノカは驚き、エラ達は驚愕して目を丸くする。


『これは大変失礼しました。神気を感知出来ないとはいえ…若神(わかがみ)様にご無礼を用いてしまいました…

私には神眼もなければ神気を感じとる能力もございません…どうかこの老いぼれに慈悲を…』


 不死王は謝罪すると土下座した状態で更に頭を下げて、他人の頭を地面に擦りつける。


 ホノカですらこの状態に着いていけずに若干引いてしまい、謝罪を受け取る。


「じゃあまずその馬鹿は俺の眷属なんだ、返してくれ」


『かしこまりました』


 不死王はレイブンの身体から出て行く。


「ふへ…」


 レイブンは憑依されていた反動で気絶してしまう。


 レイブンから出た不死王はマントを付けた鎧を着ていて、見える顔は腐った皮膚が顔の右半分についており、残りは骨だけだ。


 この容姿に加えて濃い瘴気を浴びてフォトンは泡を吹いて倒れてしまい、他も立ちくらみをしてしまう。


「ヴァレット、この馬鹿を一様介抱してやれ。

あとアイツらも少し離して魔法で耐性をつけてやれ」


「はっ」


 ホノカはヴァレットにレイブンを運ばせて、不死王に話を聞く。


「お前、自分が生きている頃の記憶はあるか?」


『ハイ、所々二穴ハコザイマスガ覚エテオリマス』


 不死王はレイブンの声で喋っていたようで先程とは違い不気味な声で話している。


 ホノカはそれを気にも止めず話を続ける。


「お前はどっち側の勢力だった?」


 ホノカは不死王が善と悪の神、どちらの勢力が知りたかった。勿論“嘘感知”のスキルを使用して…


『無論…』


 ホノカは答え次第で一瞬で動けるように構える。


『善ノ神デ御座イマス。末端デハアリマシタガ、

法術神様ノ三人ノ愛弟子ノ一人、聖ト闇ノ神「混沌神」様ノ下で戦ッテオリマシタ』


 不死王は嘘をついていなかった。

 ホノカは少しだけ警戒度を下げた。


「それはよかった。じゃあ何で町々を襲っているんだ」


『其レハ…』


「それは?」


『貴方様モオ気ヅキデショウ?今ノ者達ハ余ニモ弱過ギル…邪神ノ残党共ガ燻ッテイルトイウノニ…

デスカラ私メハ、前回モ今回モ悪魔共ニ悪意ヤ欲ガ集マル場所ヲ襲ワセ、混乱ヲ生ミツツ、勇者ノ国ニ私ヲ倒スヨウニ発破ヲカケタノデス』


 ホノカは不死王の全くの嘘のない話に驚く。


「この大陸の人間を強くするために村を襲っていたのか?!」


『ソノ通リデ御座イマス。

アト…!?』


 不死王の様子が急に変わりに始める。


『グアアアアアアアア』


 不死王は何者かが持つリアクターのようなランタンに吸収された。

そのランタンはどことなく第11階位アーゼルが使っていたリアクターに似ている。


「封印完了」


 ランタンを持つ人物は少女のダークエルフだった。


「誰だ…」


 ホノカは言葉を発した瞬間…


「貴様ぁ!!!」


 オオギがメイスでダークエルフに襲いかかる。


「死霊魔法 スケルトンウォール」


 オオギの前に人骨でできた壁が出現してオオギの行く手を阻む…

しかしオオギは諦めずに押し通る。


「“合技 グラビティシールドバッシュ”」


 オオギは人骨を大破させるが盾も駄目になってしまう。


 ダークエルフはそれをつまらそうに見下している。

そして手を前に突き出し…


「闇魔法 堕天使の顎」


 羽根が付いた頭がオオギを襲い、オオギの鎧と身体を食い破る。


「オオギさん!」「爺ぃい!!!!!」


 ホノカは急いで回復魔法を使用しながら突然攻撃したオオギを問いただす。


「急にどうしたんだ?アイツは一体誰なんだ?」


 オオギは血反吐を吐きながらホノカの質問にゆっくりと答えていく。


「あの者は先代様の命を奪った下手人です…」


 ダークエルフを睨むオオギの目は憎悪で塗りたくられたている。


 ダークエルフはその目に覚えがあったのか、鼻で笑いながら喋り出す。


「あぁあのとき泣いてたガキか、お前は年を取ってジジイになったけど…強さはガキのままだな」


「きざま」


 回復がまだ終わっていないのにオオギは怒りから立ち上がろうとしてホノカとケマナに止められる。


「よせ!」


 ダークエルフはその様子を鼻で笑う。


「お前の王が作ったこの魔導具、この通り有効に使ってやってるよ」


 ダークエルフはランタンのような魔導具をこれみよがしに自慢する。


 ホノカその魔導具を鑑定しようとするとオオギが説明し始める。


「あれは先代様が作った対アンデッド用に特化された封印魔導具…20年前…あのダークエルフが王宮を襲撃して…あの魔導具を盗みました…」


 回復仕切ったオオギは立ち上がる。


「それを阻止しようとした先代様は…奴に致命傷を負わされ…間もなく崩御なされた…」


 この話に一番驚いているのはケマナだった。


「爺!先程から何を言っているんだ!お祖父様はご病気で亡くなられた筈だろ!?」


 オオギは口惜しそうに首を横に振る。


「違うのです…先代様は亡くなられる前に…国が混乱しないように自身の死因を秘匿するようにご子息であるフリヴォーラ様に切望されたのです…」


「そんな…」


 ケマナは真実を知るとダークエルフを嫌悪の表情で見つめる。


「あれはまだ未完成だった筈だ…先代様がお造りになった魔導具は封印は出来ても瘴気が漏れ出てしまう欠点があった…」


 オオギの言葉を聞いてダークエルフは鼻で笑いながらそれに答える。


「あぁ、この欠陥品ならうちが改良してやった。嬉しいでしょ?」


「貴様ぁ!先代様の成果を穢したな!」


「じゃあうちも目的も達成したから帰るわ」


 ダークエルフはオオギを嘲り終わると満足したのか帰ろうとする。


 しかし…


「!?」


 ホノカは何も言わずに刀を換装してダークエルフを奇襲する。


「“回避”!!」


 ダークエルフは瞬時にスキルを使い回避するが、ホノカは逃がさない。


「はっ!?」


(“換装”)


ガキン


 ダークエルフは瞬時に腕輪から斧槍を換装して応戦した。


 ホノカの刀とダークエルフの斧槍が火花を散らし、刀は少しづつ斧槍の刃に溝を作る。


 ダークエルフはその様子に苛立ちホノカに魔法を放つ。


「ウザいよ、お前!」(死霊魔法 ゴースト・トーレント)


 ゴースト達が激流のようにホノカを襲うが…


(聖魔法 ホーリースフィア)


 ゴースト達を一瞬で塵にした。


「ほんとウザい!!!」


 ダークエルフは斧槍を投げ捨て、腕輪から書物を取り出す。


「死ね、水魔法 傷だらけ(ヴァン)の水蛇(ヒュドラ)

風魔法 翼折(エーゼル)れたグリフォン」

(死霊魔法 スケルトンの軍隊腕(ギガントアーム)

死霊魔法 ゾンビの結合砲(クレイジーキャノン)

死霊魔法 バンシー・レクイエム)


 ダークエルフは20頭のヒュドラと翼のないグリフォン、更に三つの死霊魔法でホノカを襲うが…


(炎神法術 獄炎禍)


 ホノカは黒炎で全てを消し去る。


「!?、…ウッゼェ…」


 ダークエルフはホノカの力に驚愕するとすぐにまたホノカを睨みつける。


 そんなホノカはダークエルフを観察している。その理由とは…


(「コイツ、何個嫌な装備しているな」)


 ホノカは既に「時空神法術 パーフェクトストップ」を使用したのだが、ダークエルフは装備の効果で無効化していて、どのアイテムがそれか確認していた。


 ホノカは観察を終えるとダークエルフに質問を投げかける。


「お前、教団の人間だろ?」


「は?何のこと?」


 ダークエルフは無表情で惚けるが、ホノカは既に彼女がどんな人物が知っていた…


「神の使徒、第9階位レイエン、だろ?」


 ダークエルフの少女レイエンはホノカを睨みつける。


「…見てんじゃねーよ、変態」


氏名 レイエン・スケルツォ

所属 神の使徒 第9階位

種族 ダークエルフ族

Lv.2,000

第一職業 死霊魔導王

第二職業 アンデッドテイマー

第三職業 薬師

称号「ネクロマンサー」


「空間魔法 アージェント…」


「逃がさねぇ」(空間神法術 制限空間)


 ホノカは神法術で転移出来ないようにした。


「ちっ、あーはいはい」


 レイエンは何かに気づき始める。


「お前が8と10とか殺したっていう人間か。それならこれ使ってやるよ」


 レイエンはポケットからケースを取り出すとケースを空けると小さな水晶玉が6個あり、そののうち2個を手にする。


「起動」


 レイエンが唱えると一つの水晶玉は高く飛び上がり…


【水神法術 兄弟神の激突(ゼウス・アンド・ポセイドン)


 神法術を発動し、ホノカ達を襲う。


「くっそ」


 ホノカは仲間を守るためにヴァレット達の元へ向かう。

 

 レイエンはその後ろ姿を見ながら、もう一つの水晶玉を使い…


「あばよ、バーカ」


【空間神法術 魔神の逃げ道】


 この場から逃げ果せてしまった。

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