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異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第四章 神と王の双炎編

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第23話:開戦の準備

(雷の丘 周辺の平野)


タイタン軍でヨトゥン軍を見渡す巨人の青年がいた。


「いや〜、どえれー数だな、オジキ」


青年はエイル・メントス。

氷の大陸でも1、2を争うX級冒険者だ。


エイルがオジキと呼んだのはガイムンだった。

エイルはゴライアの実子だが、離婚して母親がエイルを引き取ったため姓が違う。


「数も数だが…名のある者達が多く集まっている…」


「こんなんじゃなくて、特別な大会で会って見たかったな〜」


「ふふ、確かにな…」

ガイムンは自身にはない発想だったので、驚きながらも笑った。


「エイル…今からでも彼女と別の大陸に逃げてもいいんだぞ?」


エイルはガイムンの言葉に少し嬉しそうにするが呆れたように笑う。


「オジキ…その話は何度もしたろ?

俺は故郷を見捨てるつもりはないよ」


「…ありがとな、エイル」


「何言ってんだよ、守りたいと思う国を親父としてきたはオジキだろ?」


ガイムンはエイルの言葉に感極まって、涙を溢し、そんな顔をエイルに見せまいち顔を隠す。


「…」


「何泣いてんだよ、大将のオジキがそんなんじゃ、あんたらについてきたコイツらに笑われちまうぜ」


エイルは自分達の後方を見ると、ヨトゥンに負けないほどの軍勢が戦いを待ち構えていた。


そんな家族思いのエイルが暗い顔する。


「それで…この開戦の火蓋を切った奴はどこだ?」


エイルが言っているのはホノカの暴走である。


勿論ホノカはこの戦場にはまだ到着していない。


代わりに話すに入る人物が現れる。


「アイツは此処にはいないよ」


それはカイジンだった。

カイジンは戦うための装備を着込んでいた。

胴は分厚いスク水のようなボディスーツを着て、手足は甲冑、肩は鎧、背中には自身の身長を超える太刀と文化がチグハグになっている。


エイルはカイジンにも目を細めた。


「あんたは…『六花林』…」


「そ、よろしく」

カイジンは手を差し伸べるが…


エイルは目を更に細め、握手することを拒んだ。


「一緒に戦ってくれるは感謝しているが、あんたもその場にいたんじゃないのか?何故止めなかった?」


「よせ」

ガイムンはエイルの言動を止めさせようとする。


「いや、はっきりさせるべきだ」


「彼の少年は家族を探しにヨトゥンまで行った。そしてそれを許可したのは私だ。こうなる可能性も勿論考えてだ」


「…」

エイルはガイムンの言葉に納得出来ずに不満な顔をする。


その結果暫く二人は睨み合う…


それを見たカイジンが折れて話始める。


「別にいいよ」


「カイジン殿…」

ガイムンはカイジンに申し訳なそうな顔をする。


「いいって、(納得させずに)戦いに支障が出ても困るし」


「辱い…」

ガイムンは謝罪も込めて、カイジンに感謝する。


「んー理由かー…」


そしてカイジンはホノカを止めれなかった理由を考え始める。


「怖かったから」

カイジンは頭を指で掻きながら答える。


「は?」

エイルはカイジンの答えに納得出来ずにもう一度問いただす。


「聞こえたろ?怖かったんだよ」


「じゃあ何か、天下のX級冒険者が人族の子供にビビったってことか?」


「はぁ…」

カイジンはエイルの知見の狭さに呆れ、ため息をつく。


そして…


「おい小僧、種族で強さが決まるなんて考えてるなら、てめぇの程度が分かるぞ?」


カイジンは先程の人当たりがいい雰囲気から一変し、殺気立つ。


エイルは片眉を反応させるが、動揺をほぼせずにカイジンの殺気を何とか跳ね除ける。


「巨人の坊やに一つ言っておくよ、あの子がここに来たとしても家族の話…特にあの子の家族の命を軽視する言葉は控えておくんだね」

カイジンはエイルに忠告して去っていく。


エイルとガイムンは去っていくカイジンの背中を見つめ続けた。


「あの狐婆…」

(「女にビビるなんて…オジキの奥さん以来だぜ」)

エイルはカイジンに対して悪態を吐く。


「お前が失礼な態度を取るからだ…この馬鹿者が…」


ガイムンはエイルの頭を小突く。


「『六花林』と言えば、エルフを裏切ったエルフを狩る、同族殺しで有名だ…

それに噛み付くとは…」

ガイムンは噂からカイジンを心配していた。


「でもあれならヨトゥンに寝返ることはないだろ…」


「!、はぁ…」


エイルはホノカへの文句のほかにカイジンに寝返る可能性があるかテストをしたのだった…


「こっち側についた時点で寝返るわけないだろ…」


「オジキ、X級の戦力は三対九だぜ?

一つでも減らすに越したことはないだろ?」


「そうだな…あとは戦いを待つだけだな…」


ガイムンはヨトゥンの方を睨んだ…





一方 ヨトゥン軍…



巨人の男性がなかなか始まらない戦争に地団駄を踏んでいた。


『クリムゾンタワー』ブランドン・デイマッド

種族 巨人

レベル1,500


「おい!まだ戦らないのか!?」


ブランドンの地団駄で土煙が巨人の少女にかかりそうになる。


『氷山砲』ウララ・イモジョウ

種族 巨人

レベル1,550


「暴れないでくださいまし!ドレスが汚れしまいます!」


その言葉にブランドンはイラつく。


「ガキが!戦いは漢の誉れだ!それもわからないテメェみたいなションベンクセェが此処に入れだけ感謝し、黙って座ってろ!」


「なんですって!伯爵風情が!公爵令嬢である私になんて失礼な…」

ウララは怒りで身体を震わせる。

更に冷気を纏い始める。


そんな二人を見て呆れながら食事をし続ける巨人の青年がいた。


『氷山割り』アプル

種族 巨人

レベル 1,590


「ちっ…うるせぇ…」


アプル悪態を吐くと同じく食事を続ける巨人の男性を見る。


「旦那、なんでまだ開戦しないですかねぇ?」


ゴクン


話かけられた男性は飲み込んでからアプルの質問に答える。


『ザ・ハーベスト』ボンバ・イスキー

種族 巨人

レベル2,000


「兵力を待っているんだ」


「そんなものいらないでしょ?X級がこんなにいるのに」


「馬鹿者、相手にもいるんだ…相手を先に動かし我々が優位に戦えるように戦場を整えるのだ」


「成程!勉強になります!」


「ふふ」

ボンバは素直なアプルについ笑ってしまう。


そんな巨人の彼らを睨む視線が3つ…


以前の王宮で食事していた巨人族以外のX級冒険者たちだ。


彼らは檻の中に閉じ込められ、中はまともな家具が揃えられ、豪勢な食事はあるが、彼らの手には手錠がされていた。


以前は平気に食事していたグレイルも巨人族に憎しみの眼を向けていた。


しかも以前皆に食事を薦めたリキュですら食事をとらずに真顔で真っ正面を見ていた。


彼らはここに来る前から一言話さずに此処にきた。


すると巨大なゲートが現れる。


それをX級全員がそれを見る。


中からトロールとレッサーサイクロプス、それらを操るつ思われる魔導師達の混成軍。トロール達には魔導具から出現する氷の鎖がついていた。


更にドワーフの男が連れたマントをつけている謎の集団が巨大な兵器と共に現れる。


X級達はマントの集団から何かに気づき、嫌悪の目を向ける。


するとドワーフの男がお辞儀をして話始める。


「皆さま、お待たせ致しました。

戦争の幕開けの前にお願いがございます…」


ドワーフの男は不敵な笑みをX級達に向け見上げる…

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