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異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第四章 神と王の双炎編

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第20話:暴走

ホノカは捕らえていた巨人の所に行こうと怒り早歩きをしていた。


「待って!待っててば!」


イズモとヴァレット、セルムがそのホノカを止めようとしていた。


「弟を今すぐ助けにいく」

ホノカは止まらない理由を先に話す。


「助けにいくって何処に!?」


「ヨトォンにいるはずだ…捕らえたあいつらから怪しい場所を聞き出す。知らなかったらヨトォンの領土を片っ端から制圧していく」


「そんなの危険です!」

セルムがホノカの言葉を聞いて前に出て足を止める。


「邪魔するな」


ビク


セルムはホノカに気圧されて後退ってしまう。


今度はセルムを庇うようにヴァレットが前に出る。


「本当なのですか?本当に弟君だったんですか?話を…」


ギロ


「俺が弟を見間違うとでも思ってるのか?」


「しかし弟君はまだ10歳と…」


ホノカはヴァレットの言葉を遮る。

「そうだ!弟はまだ10歳だ!!!なのに身長が160くらいはあった!10歳がだ!

奴らの所為なのは明白だ!」


ホノカの切迫した様子にヴァレットはここで押し負けた。


「わかりました。

では…これからどうなされるのですか?」


「ヨトォンもろとも教団を殲滅する」


ヴァレットはホノカの言葉に驚き、真剣な表情でホノカに質問する。

「主、話では脅され従う者達もいるのでは?」


「だからなんだ?」


ホノカにはもう誰の声も届かない…


ヴァレットはホノカの言葉が自分の知っているホノカとかけ離れていて驚く。

そしてヴァレットは気づいたホノカの眼に蠢く何かに…


「主、申し訳ございません」


ヴァレットはその何かを消し去るためにホノカに魔法をかける。

「神聖魔法 セイントハーツ」


しかし眼から何も消えない。


「俺が誰かに操られてるとでも思ったか?」


これがホノカの逆鱗に更に触れてしまう。


ホノカは装備をガンレットをわざわざ換装してヴァレットを殴りつける。


「!?」


バコン


ヴァレットは寸前に盾を換装したが、吹き飛ばされ遠くへと行ってしまう。

衝撃でセルムも吹き飛び、木にぶつかり気絶してしまう。


「これで許してやる」


ホノカはヨトォンへ向かおうとする。


バチバチ


ホノカへと雷撃が襲う。

完全耐性があるのにも関わらずその雷撃はホノカを硬直させる。


「…なんのつもりだ?」


ホノカは雷撃を放つイズモを睨みながら問いただす。


「…」

イズモは質問には答えず、ホノカを気絶させるため雷撃の出力を上げていく。


ホノカはそれを見て歩き始める。

雷撃で足取りは遅いが確実に前へと進む。


「!」

イズモはそれに焦り、雷撃を更に上げていく。


しかしホノカへダメージは入っているが、その足取りは変わらない。


ホノカはとうとうイズモの元へと到達してしまう。

そのままホノカはイズモへと手を伸ばす。


ガシ


ヴァレットがホノカの手を掴みとる。


「主、おやめください」


ホノカがヴァレットを睨んだ瞬間イズモが動く。


「“金剛夜叉の雷”」


バコン


雷撃を纏った拳がホノカの頬に叩き込まれる。

殴られたホノカは10mほど移動させられる。


イズモは雷を手と足に纏い、ヴァレットは鎧を戦闘用に変えて更に獣化し、ホノカへと立ち向かう。


「娘、手を貸してもらうぞ」


「別に、私はコイツをぶっ飛ばしたいだけ」


「そうか助かる」


ヴァレットは盾を構えながら自身の従魔を召喚していく。


「召喚魔法“聖獣召喚 ガーディアンホーク”

召喚魔法“聖獣召喚 セイバーディア”

召喚魔法“聖獣召喚 アラートシープ”

召喚魔法“魔獣召喚 デッドスクワロル”

召喚魔法“魔獣召喚 大砲魔犬”」


ヴァレットは鷹、鹿、羊、リス、パグを召喚した。


「ガーディアンホーク、そこの少女を守れ。

セイバーディアは私に回復をかけ続けろ。

デッドスクワロルは我が主にくっつけ。

砲丸魔犬は我が主を攻撃し続けろ」


「娘、あの羊が叫んだらその場から逃げろ。出来るなら即死耐性の法術をかけろ」


「…わかった。逃げる」


「邪魔するな」

(闇神法術 ベーオウルフの双剣)


禍々しい2本の剣が出現する。


「あれなら何とかなりそう」

イズモはたった2本の剣に油断する。


ヴァレットはそんなイズモを注意する。

「主を甘くみるな」


「…」

(影神法術 ロキイリュージョン)


今度は闇の剣が次々に出現する。


「うそ…」

「…」


イズモは夥しい数の剣に驚き、ヴァレットは気を引き締めた。


ホノカが手を翳すと無数の剣がイズモ達に襲いかかる。


「避けろ!!!」


ヴァレットは攻撃を回避するとホノカの元に現れ、メイスでホノカを殴りつける。


「“錬金”」


ホノカはガンレットを盾に作り替える。


ガキン


「お前の事は全て知っている。

お前の武器もお前の戦い方も全て…」


ガシ


ホノカはヴァレットのメイスを掴む。


「“錬金”」


メイスは片手鎚へと変え、その片手鎚を突き上げた。


ヴァレットは盾でそれ防ぎ、先程は違い飛ばされずに何とか耐え抜く。

ヴァレットが耐えてる間にイズモと従魔が仕掛ける。


「ワン!」「…」(“烈空蹴り”)


「炎神法術 冥王(ハーデース)炎盾(アスピダ)


後方のパグの口から放出された砲弾は炎の壁で防がれ、イズモの蹴りは盾で防がれた。


「まずは従魔からだ」

(風神法術 クロノスの大鎌)


ホノカの法術はホノカの首元にもう少しで届いていたリスを切り裂き、次に後方にいたパグと隠れていた羊を切り裂さいた。

鷹は何とか避けることができ、鹿はヴァレットが守った。


ヴァレットも負けじと何とか攻撃に転じる。


「召喚魔法!“聖獣召喚ダイヤモンドライノ” 」


召喚されたサイはホノカへと突進する。


「“錬金”」


盾と鎚を合体させてガンレットに作り替える。


ズン…


ドカーーーン


ホノカはサイの角を掴み、そのまま持ち上げ地面に叩きつける。


「!」


バーーーン


ホノカは後ろから攻撃するイズモを察知して、ホノカとイズモの拳が重なる。


「神聖魔法 トゥルーシャイニング」


ヴァレットはイズモごと浄化系の法術を放つ…


イズモは寸前のところで避けることができた。


ギロ


ホノカに効果はない。


「そんなに俺がおかしいか?」

(重力魔法 グラビティポイント)


ヴァレットはホノカに引き寄せられる。


ガシ


ヴァレットは首元をホノカに掴まれる。


ヴァレットは抵抗せずに、首を絞められながらも説得をしようとする。

「主…その怒りをお納めください…

私はどうなっても構いません…他の者を傷つけるのは…どうかおやめください…」


「セイバーディアじゃ俺の攻撃を耐えられないぞ」


「かまいません…」


「そうか…わかった」


ホノカは怒りの形相でヴァレットに殴りかかる。


「いい加減に…」


イズモは鷹に抱えられ空高くにいた。

そして鷹はイズモは放す。


「しろぉおおお!!!!!!」


イズモは空高くから回転しながら踵蹴りを放つ。


ホノカは怒りのあまりイズモが自身の頭上にいるの攻撃を受ける寸前まで気づかなかった。


「?」


ホノカが気づき上を見上げた瞬間。


ズカン


イズモの踵蹴りはホノカのおでこに直撃する。


ホノカはこの攻撃で気絶する。


イズモは倒れ込むホノカを支える。


「いてて…」

イズモは攻撃をくり出した左脚を庇う。


イズモはホノカを抱えたまま地面に座り込み、右脚を枕にしホノカを寝かせる。


「助かった…」

ヴァレットはイズモに礼を言う。


イズモはその礼に首を振るう。


「こいつが悪いんじゃない…」


イズモは優しい眼差しでホノカを見つめる。


「こいつが我慢出来ないほどの悪い事の所為だから…」


「…」


「暴走したうちにおばあちゃんがこう言ってくれたんだ…」


「いい祖母だな」


「うん」


「妹君が心配される…戻ろう…」


「わかった…」


「立てるか?」


「何とか…」

イズモは平気そうに振る舞うが、足首は腫れていて決して大丈夫ではない。


「すまない…先程の戦いでEPが切れてしまった。EPが回復したら治療する」


「わかった…ありがとう…」


二人はホノカを連れてウッドハウスに戻っていく。







この激戦を遠いところで見ていた者達がいた。


「なんだ…あれは…」


「まるで天災だ…」


二人は戦っている人物や戦いを直視はできていないが、戦いの余波を全て見ていた。


「これはヨトォンに知らせないと…」


「あぁ…」


この二人はホノカ達が助けた村に隠れていたヨトォンの諜報員だ。


二人はこの後ヨトォンへと向かいこの事を説明しに行く。


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