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異世界再生神話〜神は万能ではない〜  作者: 犬星梟太
第三章 邪神始動編
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第36話:噂

ホノカは久しぶりにホノカ本人が授業を受けようとしていた。


理由は…


「今日ドゥエル先生の授業だって!」


「え!?ドゥエル先生の授業って三年生から受けれるやつだったよね?!」


「なんかケガン先生が行事の準備で怪我したらしくて、その代わりに教えてくれるらしいんだ」


「え?ケガン先生の怪我なんていつも通りじゃない?」


「それが今回は酷いらしくて貴族病院に行ってるらしいよ」


「そっかぁ…でもケガン先生のおかげでドゥエル先生の授業を受けれなんて…ケガン先生に感謝だね!」


「だよな!」


9割の生徒達は不謹慎にも教師の怪我を喜んでいた。

しかしそれほどグエルの授業は生徒達に人気だった。


「先生が来たぞ!」


Sクラスの生徒はグエルの授業を受けれる喜びからいつも違い俗っぽい雰囲気になっていた。


生徒達はいつも通りを装いをしようとするが、口角が上がり喜びを隠しきれていなかった。


ガラガラ


「…」

グエルは一瞬だけホノカを見て、教壇に立つ。


「聞いていると思うが、ケガン先生は体調不良によりお休みとなった…、変わって私の授業を行う。」


グエルは薄い冊子を前列の生徒達に渡す。


「知ってる者もいるだろうが、私はモンスターを薬にする事を専門としている。」


この言葉で数人の生徒は少し怪訝の顔になる。


「不快感を覚える者もいるだろうが、

モンスターを食糧になる。そして多くの部分は捨てられる…

しかしモンスターの内臓を食することで様々な効果が望める。

例を言えばオークだ。オークの肉は脂身が少なく豚より牛に近く、冒険者や他国ではよく好まれて食されている。

そしてここから重要だ。本来捨てられるオークの心臓は生のままだと人体に悪影響を起こす、だが乾燥させて、ある薬草と合わせると身体強化の効果が望めることがわかったのだ」


グエルは詳しい調合方法は隠して説明する。

しかしこの内容にはホノカ以外の生徒全員が驚く。

ホノカにとっては常識でしかない。


「…」

グエルはつまらそうなホノカを一瞬だけ見る。


「それで今回の授業だが、不快感がある生徒がいるのにモンスターを無理矢理食わすつもりはない。だから君たちはまずモンスター料理の資料を見ながら私の授業を聞いてもらう。」


この言葉で数人の生徒が先程渡された資料を恐る恐る捲り始める。


「それでは授業を進めていく。」


グエルはホノカに睨まれながら授業を進めていった。


「それでは最後に今日の授業を受けての感想を簡単に書いて提出するように」

グエルはそう言いながら、授業を終える準備を始める。


「それと授業が終わり次第、イパン君とコルナ君は私について来る様に…」


「「はい」」


グエルは抜かりなく二人の護衛をつける。

生徒達は資料に感想を書き始める。

彼らの感想文は半ば論文に近い。


「書き終わらなかったものは、後で私の自室に提出するように…では…」


キンーコンーカーンコンー


丁度授業が終わる。


「授業を終わる」


グエルは二人生徒を護衛にして自室に戻っていく。


「ドゥエル先生!」


グエルが教室から出ると丁度教師が走って来ていた。


「!」ビク

来た教師はコルナを見てビクつく。


「ドゥエル先生これを…」

教師はグエルにメモ用紙を渡す。


「!?」

グエルはメモの内容に眉を細める。


「コルナ君…悪いが追って連絡があるまで君とヴィクトル君は寮にいるように…続けてすまないがこの事をヴィクトル君に君から伝えてくれ

イパン君、君は教室で次の授業の準備をしていなさい…」


「わかりました…」

「はい…」

二人はグエルともう一人の教師の緊張感にやや怯えてしまう。


そしてグエルともう一人の教師は早歩きでその場を去っていく。


コルナは教室に戻り、ホノカの元へ行く。


コルナは先程のグエルの様子から小声で話し始める。

「ヴィクトル君、ドゥエル先生が私たち二人は寮で待機しているようにって…」


「え?」


「私もどうしてかはわかりませんが先生がそうするようにと…」


「わかった…一旦教室から出ようか?」


「はい…」


二人は教室を出て、早歩きをして会話を再開する。


「君のところに俺の護衛二人を送ってもいいかい?」


「え?そうしたら貴方の護衛が…」


「大丈夫…俺はS級冒険者だ。

何より何が起こっているか調べたいんだ」


「そうですか…わかりました。護衛二人をお借りします」


二人は話終わりと分かれて、それぞれの寮へと向かった。




(女子トイレ)


休み時間に女性達がある噂を話していた。


「ねぇねぇあの話聞いた?」


「何?」


「知らない?うちの学園にあの「戦火」の子供が来ているんだって…」


「え!?誰!?」


「それがね…」


女生徒は周りを見渡して誰もいない事を確認する。


「コルナっていう生徒らしいの」


コルナがコーガの娘だという噂だった…

ケガン・イッター

イグラシアの貴族(中立派の辺境伯家)。

授業の内容は簡単な薬学や病気、怪我の適切な処置、研究内容は医術(癌の治療)。

実家が改革派の勧誘を断り、その所為で事故を装い暗殺されかけてホノカに助けられたけど事実合わせにボコられた。


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