1 魔女の弟子
これが初めての作品になります。誤字脱字などあると思いますが、暖かい目で見てください。
最初の方はほのぼのしていて
途中からシリアス展開を挟みますが
そこまで暗くするつもりはないので苦手な方も見ていただけると幸いです。
まぶたの裏がほんのり明るくなり目を開ける
「知らない天井だ」
俺は助かったのだろうか?まさかそんなわけないな、しかもあのバカどもがとっさの判断ができるとも思えない。
救急車を呼ぶ時には俺は死んでるだろう。ならここはどこだ?身体を起こして周りを見る。
黒い何かがいる。明らかに日本には…というか俺たちの住む世界には居ない生物がいた。
猫に2本の角をつけたらこうなるであろう生物だ。角以外は完全に猫なので怖くはないが、明らかに付けものではないとわかる禍々しいオーラをだす角…決して比喩してはいない。本当にオーラを放っている。ここは地獄かもしれない…
「おーおはよう、よく眠れたかな?」
咄嗟に顔上げて、声の主をまじまじと観察する…誰だ?顔も声も全く知らない人だった。
魔法使いのようなローブを羽織り、金色の綺麗な髪に透き通るような青色の目をした美女
いや、身長から見るに少女の方が適切だろうか?しかしその髪は寝癖でボサボサ、ローブも大きさが合わないのか床に摩っている。
「残念美少女だな…」
無意識に口にでてしまったことに気づき、口を覆う。恐る恐る見るとめちゃくちゃ顔が赤い、明らかに怒っている
「誰が残念美少女だって?美少女という点は認めるが、どこが残念だって?ん?僕は寛大だから理由を聞いてあげるよ。言ってみな」
「いや全体的に…」
「理由が無いなら僕のことはこれから完璧美少女師匠って呼ぶんだよ!いいね?」
被せて食い気味に言ってくる自称完璧美少女…師匠?誰が誰の師匠だって?
「あの師匠って」
「完璧美少女師匠な」
めんどくせぇ…けど目がガチなので従う
「完璧美少女師匠は俺の師匠ってことですか?」
「覚えてないのかい?君が昨日この小屋に急に飛び込んできて言ったじゃないか『弟子にして欲しい』って、僕は基本弟子は取らないんだけどね?まぁ仕方ないから君の…」
「そうだったんですか」
わざと被せる。だいたい事情はわかったし、さっきの仕返しである。
「む…まぁいい。それで?僕の事を知ってるんだろう?」
この人は有名人なのだろうか?しかし今の俺には分からない、俺は首を横に振る。
「はぁ…本当に知らないようだね?なんでここに来たんだか…僕の名前は『魔の地の魔女』グラン。本名はフルーラ・グラン。フルーラ師匠と呼ぶといい」
「『魔の地の魔女』」
明らかにヤバそうな2つ名だが、目の前にいる残念師匠を見ると決してそんな風には見えないのだが…俺はなんでここに来たのか、今の俺には分からない。
「それで君の名前をまだ聞いていなかったね?君はなんていうんだい?」
俺の名前か、なんて答えればいいのだろう?
残念び…フルーラ師匠は明らかに外国人っぽい名前なのだ、ここは日本の名前ではなく偽名を使った方がいいのだろうか?
「俺は…俺の名前はルイです」
悩んだあげく結局本名にした。
「ルイか…名前はルイだけかい?」
そうか家名と名前が必要なのか、どうしよう
「あの、ええっと」
「じゃあこうしよう、君の名前はルイ・グラン。どうだい?何やら訳ありなようだし、僕も家族ができたみたいで嬉しいしね」
「あ、ありがとうございます」
なんか気をきかせちゃったみたいだな
「さぁ行こうかルイ、今日から君は『魔の地の魔女』グランの弟子になるんだ。僕は手加減なんてできないし、するつもりもない。死なないように気をつけるんだよ?」
なるほど、これはまさに魔女と呼ぶにふさわしいな。師匠の笑った顔から滲み出る狂気を感じて俺はそう思った。
主人公の過去も後から書きたいなぁと思っています。
あとフルーラの過去はストーリー的に絶対書きます。