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何をお話しているの? モコとコッコン。

作者: りすこ

5.24イラストを追加して絵本仕立てにしました。何を話しているのか想像しながら読むと楽しいと思います。

 


 今日は、お日さまがぽかぽか、いい天気。

 原っぱの上では、ちょうちょが、ひらひら。

 飛んでいます。

 ふさふさの葉っぱの中に、かくれんぼしているのは黄色いお花。

 風にそよそよ、ゆられて気持ち良さそう。


 そこへ、もこもこのイキモノがやってきました。


「もこぉ~♪ もこここぉ♪」

「こっここん。ここん!」



挿絵(By みてみん)



 のんびり歌っているのは水色のもこもこ、モコ。

 元気に跳ねているのは黄色のもこもこ、コッコンです。

 ふたりはとっても仲良し。

 いつもふたりで遊んでいます。


 今日はお外で遊ぶことにしたようです。

 ふたりは何をするのかな?


 目の前にちょうちょがひらひら飛んできて、ふたりはぴたっと止まりました。


「もこぉー!」

「こっこん!」


 ふたりはピョンピョン飛びはねて、ちょうちょを捕まえようとします。

 だけど、ちょうちょは高く飛んでいて捕まえられません。


「もこぉ」

「こっここん!」


 ふたりは、ぴたっとくっついて作戦会議をします。

 くっつくと、モコの水色とコッコンの黄色がまざって、触れたところが黄緑色になります。



挿絵(By みてみん)



「もこもこ? もっこここ!」

「ここぉ?」

「もここ! もこもっここ!」


 モコがえっへんと体をそらします。

 そらしすぎて、コロンと一回転。

 コッコンはなんだか不安そうです。


 どうやらモコの上にコッコンが乗って、ちょうちょを捕まえることにしたようです。


「もこー!」


 モコの上にコッコンが乗ります。

 もこもこの体は軽いので、ちっとも重くありません。


「こっ……こここっ……」


 コッコンが体をプルプル震わせながら、ちょうちょを捕まえようとします。

 だけど、あともうちょっと。

 捕まえられません。


 ちょうちょは、ひらひら飛びながらあっかんべーと舌を出しました。


「こっこー!」


 怒ったコッコンはぴょんぴょん跳ねます。


 跳ねて、跳ねて、跳ねて。

 おやおや?


 なんだか、ちょうちょがだんだん遠くなっていきます。


「こっこぉ?」


 不思議に思ったコッコンが下を向くと。


「もこぉ?」


 モコがぺしゃんこになっていました。



挿絵(By みてみん)



「こっこおおおおおん!!」


 コッコンは大慌て。


 モコの体から飛び降りて、フーフー息を吹きかけます。


「もこぉ」


 しばらくするとモコは元通り。

 あー、よかった。


 モコはころんと転がりました。


 次は何をして遊ぼうかな?


「もこ、もこもこ」

「こっこ! こここん!」


 くっついて相談していると、風が吹きました。


 コッコンは手をのばして、草をつかみます。

 でも、モコは?


「もこぉ?」


 ぴゅーっと風に飛ばされてしまいました。



挿絵(By みてみん)



「こっこおおおおおん!!」


 コッコンは大慌て。


「もこぉ?」


 モコはちょっとななめになって、ふーよふよっ。

 木の枝にひっかかってしまいました。


「こ、こここ! ここっ! ここんっ!!」


 コッコンは大慌てで木にのぼります。

 もこもこのカラダは木のギザギザにひっかかりやすいのです。

 コッコンは、のぼって、のぼって、モコの所にたどり着けました。


「こっ……こここっ……っ」


 コッコンは体をのばして、モコを捕まえようとします。


「もこぉ?」

「ここん! こっこん!!」


 モコも体をのばしてコッコンの体にくっつこうとします。


「もこぉ」

「こっ……こっ……こここっ……」


 あともうちょっと。

 ふたりがくっつきそうになった時、また風がぴゅーと吹きました。


「もこぉ?」

「こっこん!?」


 ふたりは風にのって、ふよんふよん。

 モコは楽しそうにゆれています。

 コッコンはジタバタしています。


 風にのって浮いていたふたりは、ぽすんとみどりの葉っぱに落ちました。

 軽いから痛くはありません。

 あー、よかった。


 ころん。

 ころころりん。


 ふたりはそのまま転がっていきました。


 ころころ転がってたどり着いた所には透明なビンがありました。

 ふたりと同じくらいの大きさです。

 誰かの忘れ物かしら?


「もこっ! もこっ!」


 モコはキラキラ光るビンにおおはしゃぎ。

 よじのぼって中に入ろうとします。


「こっ!? こっここん!」


 コッコンはびっくりしますが、モコはやわらかい体をのばして中に入ってしまいます。

 もこもこな体をぎゅっぎゅっと詰め込んで、ビンの底にたどり着けました。

 ちょっぴり誇らしげなモコ。

 だけど?


「もこぉ?」


 詰まって出られなくなりました。

 うまく息ができないのかモコの体が白くなっていきます。



挿絵(By みてみん)



「こっこおおおおおん!!」


 コッコンは大慌て。


 ツルツルのビンを滑りながらのぼって、モコをひっぱります。


 うーんしょっ。うーーんしょっ。


 もこもこなのでよく伸びます。

 でも、なかなかモコは出てきません。


「ごっごぉぉおおん!!」


 コッコンは黄色い体を真っ赤にさせて、モコをひっぱり出しました。


 すっぽん!


 ようやくモコが出てきました。

 あー、よかった。


 コッコンは息切れしながら、ほっとしました。


「もこぉ……」


 ビンに詰まって引っ張られたので、モコのさきっぽは長四角くのかたちになっています。

 カクカク。

 モコは、げっそりしているコッコンの周りを転がります。



挿絵(By みてみん)



「ここ……ここ……」

「もこっ!」


 モコは枯れたコッコンの喉をうるおそうと、近くの湖までカクカク、転がっていくことにしました。


 カクカク。

 かっくん。かっくん。

 もこ。もこもこ。


 転がっているうちに、体はすっかり元通り。


 やってきた湖はとっても大きくて透き通ってます。

 お魚さんが、すいすい泳いでいるのが見えました。


 モコは大きな葉っぱをコップにして、湖の水をすくおうとします。


 よいしょ。よいしょ。


 体をのばして大きな葉っぱに水をいれます。

 コッコンは転がりながらやってきました。

 その時です。


「もこぉ?」


 モコが湖に落ちました。


「こっこおお!……ぉぉん?」


 モコは葉っぱの上にのっかったので、湖の中には落ちずにすみました。

 あー、よかった。


 コッコンが、ほっとしていると。


「もこぉ?」


「ごっごおおおおおん!!」



挿絵(By みてみん)



 モコは葉っぱの上にのって、すーいすいっ。

 水に流されて遠くへ行ってしまいます。



「ここん! こ! こここここん!!」


 コッコンは大慌て。


 湖の端を全速力で跳ねていきます。


「もこぉ……」

「こっこーん! こっこーん!」


 湖のはしっこまで跳ねて、跳ねて、跳ねて。


 青い空がオレンジ色になった頃。

 ようやく、モコは原っぱに降りれました。



 コッコンは疲れきっていました。

 モコはコッコンの周りをぐるぐる転がっています。


「もこっ、もこもこ……」


 モコが声をだすと、コッコンはぷいっとそっぽを向きました。


「もここ……」


 モコがツンツンとコッコンをつっつきます。

 つっつくと、ふれた所がほんのり黄緑色になります。



挿絵(By みてみん)



「もこぉ……」


 モコがコッコンにすりすりします。

 ふれた所は、さっきよりもハッキリとした緑色になりました。



挿絵(By みてみん)



「…………こっこ」


 コッコンが手をのばして、フリフリゆらします。


「もこっ!」


 モコは体をのばして、コッコンの体にくっつきました。



 ふたりはくっつきながら帰ります。


「もこぉ~、もここぉ♪」


 モコは歌って、コッコンは無口です。


「もーこ」


 モコが立ちどまったので、コッコンも止まります。


「…………?」

「もこん。もっここ」


 モコが声をだすと、コッコンの黄色い体がぼんっとピンク色になります。


「こ、こここっ……」

「もこぉ?」

「こ、こっここん! ここここんこん!」

「もっこ。もこもこも?」

「こっ……!」


 コッコンは体をピンク色にして、ぷいっとそっぽを向きました。


 でも、ふたりはくっついたままでした。

 ふれたところは、モコの水色とコッコンのピンク色がまじって、紫色になりました。



挿絵(By みてみん)



 ふたつのもこもこたちは、ぴょんぴょん跳ねていきます。


 手を離すと大変なので、コッコンはぴったりモコにくっつきました。


 モコはピンク色になって、コッコンにくっつきました。


 もう、お日さまがさようならの時間です。

 ふたつのもこもこたちも、おうちに帰りましょう。


「こっこん」

「もこ」


 ふたつのもこもこたちは、ひとつのかたちになって帰っていきます。


 オレンジ色に照らされた道を、ぴょんぴょん跳ねていきます。


 その姿はまるで。

 ピンク色のハートが跳ねているようでした。




挿絵(By みてみん)



 おしまい。



読んでくださってありがとうございます。


挿し絵を追加してより絵本っぽくしてみました。


お子さんと読むときは「何を話しているのかなー?」と声がけしながら読むと楽しいかもしれませんね(*´∇`)


また、この話はみなさまの想像力にゆだねた話になっています。


モコとコッコンの性別も年齢も特に設定していませんので、男×女でも、女×男でも、女×女でも、男×男でも、子供×親でも、ぴゅあ×年上でも、幼女×オヤジでも、のんびり×ツンデレでも、ヤンデレ×普通でも、お好きなイメージで楽しんでください。


好きなように台詞を作っていただいて思う存分、イチャつかせてください୧(๑•̀ㅁ•́๑)૭✧




2021.7.4 追記


挿絵(By みてみん)


アホリアSS様より、ふたりがぴょんぴょんしているイラストを頂きました!

ふたりが動いているのが、感動です。

ありがとうございます。


アホリアSS様のマイページはこちら。

https://mypage.syosetu.com/2307825/

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― 新着の感想 ―
[良い点] レビューから来ました♪ [一言] かわゆす!
2024/09/25 08:33 退会済み
管理
[良い点]  ふたりがくっついたときに、色が変化するというところが好きです。  人の世でもこんなきれいな繋がりを持てたらいいのにと感じます。
[一言] ひだまり童話館から来ました。 可愛らしいお話と可愛らしい絵可愛らしいオチをありがとうございます。 それにしてもこの二匹、不思議な生き物ですね(*´▽`*)
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