表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/397

94「光のダンジョン」

積乱雲が山に掛かるまで数日かかった。

いよいよ待ちに待った機会が訪れたんだと皆が確信する。


【太陽と山頂が交わる所にポータルが現れる】


この情報に合致出来る様に、夜の内に灯を用意し、登山は開始される。


正直、知らなかったとは言え、私達は登山を舐めてました。

延々登り坂で途中で何度休憩した事か。


雲がかかった所では、前方視界は悪いし、静電気で体中ピリピリするし、

着ている物は濡れるし、寒いし、疲労困憊だし、息苦しいし。


だけど登りきらないと目的は果たせない。

既に私達に引き返すという選択肢は無い。

もう一度来るか、と言われれば拒否するだろうな。

誰だ、こんな場所にダンジョン創ったのは、殴ってやる。


山道は次第に道とは呼べない様相に変わりはじめ、

ついには単なる岩場を、足を滑らさないように登るしかなかった。

足が滑ったら、どこまで滑落するか判った物じゃないから、危険極まりない。

登山はもう徒歩の速度じゃなかった。


パハジルさんは以前にもこうやって登ったんだよね?

私なら、もう二度と来たく無いよ。

タリマもミモもハヒーハヒー言ってる。

男衆はさすがに音は上げないけど苦しそうだ。


それでも一行は頂上を目指し、黙々と登り続け、やがて山頂に辿り着く。

山の標高は3857m、山頂まで登山時間7時間40分もかかった。

積乱雲はまだ居座っているから、雲の上に出たという気分は味わえない。


空は薄っすら明るくなり始めている。

これが初日の出だったら嬉しかったかも。


太陽と山頂が交わる時間まで、全員岩に腰掛て休憩に入った。

こういう高地で飲むお茶って何て言ったっけ、確かバターを溶かすんだよね。

そういうお茶を飲んでみたいけど、私達は水しか持って来ていない。

もう昇って来たくないけど。


太陽が顔を出す頃、パハジルさんは出現するポータルの場所を確認し始めた。

やがて私達の目線位の高さに日は昇って来る。

辺りは靄と言うか、霧と言うか、雲なんだけどね。

その中に光り輝くものが現れた。

雲で光は乱反射してはっきりしないけど、それが噂の光のダンジョンのポータルに違いない。


全員、体中に隈なく磁性体塗料を塗る。

感電や火傷したくないからね。

その後、全員に盾が配られる。

一つの手に一つ盾を持つから、全員で14個。


更に全員に先の見えないサングラスも配られる。

絶対に光を直視しないようにと厳命される。

サングラスが無いと、光で目を焼かれ失明しちゃうんだよね。


パハジルさんは離れた場所に設置した道具から、鎖の付いた鉄球をポータルの中へ撃ち込んだ。

直後、バシーという音が響き、鎖は赤熱し放電している。


「こうして中の電荷をなるべく大地に逃がさんとな」


多少でも安全性を上げるための処置らしい。




ポータルを潜ると、体中にモアッとした圧力のようなものを感じるが、大丈夫そう。

目には見えないけど、私達の周りに電磁場が発生しているようだ。


「昔、儂のパーティーはこの段階で全滅したのだな」


「そうなんだ、敵討ち成功だね。 おめでとうパハジルさん」


「ああ、今度こそ中を探索出来るのだな」


通路には大小様々なウィルオーウィスプが浮遊しているけど、

私達の電磁フィールドは反発し、風船か何かのように押し返す。

ダンジョンの中の魔物は相手しなくて済みそうだ。

もし、何か来ても盾で追い払えば良さそう。


「実地検証は出来た。これで十分対応出来ると確信したのだな」


パハジルさんの検証は合格点に達したようだ。


で、一旦外へ出て、出直すかと言われると、この山をまた登り下りするの~となる。

みんなの内心が透けて見えるようだ。

なら、どうするかと言うなら、このままアタック開始するだけさ。



こうして私達はダンジョンアタックを開始した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ