65「エカサの街」
昼も少し過ぎた頃、私達はエカサの街にたどり着いた。
街の規模はそれほど大きくはない。
二万人規模くらいだろうか。
街境は柵が無いからきっちり分かれている感じは無い。
街に入るに門番も検問も無いから、あっさり入る事が出来る。
人目の問題があるから、ミモは毛布に包まってもらっている。
下手に悪目立ちして騒がれたくないという配慮でだ。
後でミモにも私達と同じ様な服を揃えてやるか。
宿にロバや車、荷物やミモを置いて服屋を探す。
そこで気が付いた。
ミモに着せる服に困る事に。
彼女が着れる服は普通に売っていない。
なんせ腕が六本も有るのだから。
ノースリーブの冒険者服なんて有り得ない。
買うだけ買って作り変えるか、貫頭衣を買うか。
選択肢はそれくらいしかないかな。
店を見ていると、可愛いピンク色のポンチョがある。
ポンチョの下は何とかなるかも知れない。
人の街では、一緒に住む魔族を見た事が無い。
と、いう事は、魔族であるミモは目立たない方が良さそうだ、
そんな訳で、先ほど買ってきた、
ピンク色のポンチョを着てもらい、四本の腕を隠してもらい、頭の角を隠すためにターバンのような被り物をしてもらう。
うん、後ろから見れば、テルテル坊主のようだ。
ポンチョの袖から手は二つ出ている。ちょうど良さそうで何より。
着るものが決まったから、宿からミモも連れ出して靴を買う。
この際だから、皆ブーツに新調する。
旅の途中、水があったり草の中を歩く事があるから、ブーツの方が具合が良い。
身の丈に合った剣を買い与え、冒険者ギルドでミモの登録が終ったら食事に向かう。
「こんなに良くしてくれた人は始めてであります」
まぁ、パーティーとして一緒に行動する事になるんだから、
不都合があったら具合が悪いからね。
但し、良くしたんだから一緒に働くのだぞ?
「ハイであります。よろしくおねがいしますです」
ここエサカの街の食事は他の街の食事とたいした代わり映えは無い。
野菜のスープとライ麦パン。
ショボイ内容だけど、この世界じゃ何処もこんなもの。
今日は休んで旅の疲れを癒して、明日からまた稼がなけりゃ。




