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転生したら魔王の放蕩息子な件 魔族の国の駄目な放蕩王子だから好きにさせてもらおう物語  作者: ぽてち
魔族の国の駄目な放蕩王子だから好きにさせてもらおう物語
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44「見舞いとルリア姫」

今日はニホバル王子とルリア姫と王太后アビスナは、父王ロンオロスの見舞いに来ていた。


大きな自室のベッドに今でも父王ロンオロスは寝たきりになっている。

父王ロンオロスはからだが大きいから部屋も大きくないと収まりきれないからしょうがないか。

当然、天蓋付きのベッドも特注品なんだろうなと思う。

部屋は豪華な絨毯が敷き詰められ、常時護衛騎士と専属のメイドが控えている。



「今日は報告があると聴いているが?」


各地での公演の成功、イラマデニア王国への公演と

デニアン王との対立による国の崩壊等を報告をした。


「ほう、イラマデニアのデニアンと戦いになったのか。してハユバムの軍隊を使わずにイラマデニア王国が消滅したと」


崩壊でも壊滅でもなく、国から人一人すらいなくなった文字通り消滅。

国の指導者達は全て斃され、都市から住民は残らず四散して廃墟。

それはもう消滅としか言えない。

軍隊が出ての武力の戦争ではなく、音楽の団員達の怒りが国を消滅させた。


「戦争より酷いじゃないか」


戦いの世界に生きてきたロンオロスは唖然とするしかなかった。

戦争なら、傷ついても生きている者はいるし、権力者が斃れても国を受け継ぐ者だっている。

消滅したイラマデニア王国には、そういう者すら存在せず、悲惨すら通り越したようなものだ。


「まあまあ、武勇伝はそれくらいにして、次は演奏と歌を聴いてもらおうじゃありませんか」


アビスナ王太后がランウネルとにゃんにゃん娘に促した。


ランウネルのグラスハープ演奏と、レケシウネの草笛の演奏は、

グラスハープのファンタジックな雰囲気と、ノスタルジックな草笛の音に何とも言えない雰囲気が漂う。

ザウィハーズのリュートの演奏でニャンニャン歌うにゃんにゃん娘達の猫歌には、思わず頬が緩む。


ベッドから起き上がれないロンオロス王には、今回の慰問は最高の慰めだった。

ニホバルの武勇伝に気持ちが高揚し、幻想的なグラスハープの音色に酔いしれ、

にゃんにゃん娘達の可愛さに、心が優しくなる魔王ロンオロスだった。

前回の家族団欒の温かい雰囲気も、捨て難い思いでもある。

ニホバルには王族の王権よりも、素晴らしいものを知っているのだなと実感する。


……すまぬニホバル、余はお前の才能を見抜けなんだ。




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ニホバル王子とツェベリ、ルリア姫とキスナエレア、アビスナ王太后そしてルノア養成所主任。

六人集まって、次の巡業先の会議に入る。


①ヴァルキュリアの国アサスウイア

②エルフの国ファナード

③アヴォロス王国(人族)

④ジロクアント王国(人族)

⑤サッシリナ公国(人族)

⑥ハディゼキヌ領(人族)


目標は六ヶ所の巡業を計画した。

一度に六ヶ所ともなると、かなりの距離があるし、期間も今までより掛かる事になる。

更には親善大使として各国の国王達との謁見も任される大任が加わった。


「ルリアも兄上様と行きたいですー」


さすがに長旅となるとルリアを連れて行くのは考え物だ。

ルリアの体力的にも長旅はどうなんだろう。

そう考えればリスクが大きいように思える。

治安の悪い世界で、未成年の王子と王女が一度に出るリスクは分散したい所。


皆で説得を試みるが、ルリア姫も一歩も退かない。

泣き喚いて駄々をこねてでも行きたがる。


「やだー!やだー!ルリアは兄上様と行くんだー ええええ~ん」


「これ、ルリア」


「わああああ~~ん」


キスナエレアもアビスナ母様もお手上げだった。

うん、こういうのは何処でも一緒だな。

他の人はどうやって宥めるのかな。

怒っても良くないし、泣き止むまで無視でもするのかな。


俺も生前姪っ子で、こういう場面に遭遇したっけ。

こういう場合、泣く子を楽器に見立て、背中をトントコとリズミカルに叩いてやる。

「えーーーーん」と泣いている声が「えええん えええええええん」

となり始めると、泣いている子は自分の声に可笑しくなっちゃうんだな。


「あはははは」


可笑しくなって笑っちゃったルリアは、もう泣けない。


「ニホバルは上手いですね。ルリアはしょうがないから、近い所までは許可をしましょう」


アビスナ王太后は条件付でルリア姫が巡業に付いて行く事を認めたのだった。

魔族領から出て近い所、ヴァルキュリアの国アサスウイアまで。

アサスウイアの公演が終れば、キスナエレアと護衛数名で帰還する事になる。


「はい。母様、それで良いです」


不満が残るルリア姫だったが、少しでも許可してもらえた事に反対はしない。

きっと、もっと大人になれば、好きな兄と一緒にいられるだろうと思っていた。

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