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転生したら魔王の放蕩息子な件 魔族の国の駄目な放蕩王子だから好きにさせてもらおう物語  作者: ぽてち
魔族の国の駄目な放蕩王子だから好きにさせてもらおう物語
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36「ランウネル」

「母上様、ヘルトルの街で妖精さんに会いました。ウンディーネの方は凄いんですよ。大きな洪水を治めてしまったのです」


「ほう、そんなに、私も見てみたいものですね」


「母上様も会えますよ。兄上様の所に行けば、ウンディーネの方の妹様が来られるはずです」


「ニホバルは凄いですね、その様な方が訪ねられるなんて」


魔王城首都ザウィハーに帰って来たルリア姫は旅先での話題をアビスナ王妃に話していた。


本来、気侭で奔放な妖精は、頼み事を素直に聞いてくれる者達ではない。

下手をすれば、仕返しを受けたり見限られたりする。

一端見限られた場合、最悪な状況に転落する事も有り得る。


しかし信頼を結び、協力を得られれば大きな成果を齎すのも妖精だ。

ニホバル王子はそんな妖精から協力を得た事になる。

人族ではない魔族が、妖精から協力を得るというもの変な話ではあるが。




ニホバル王子はツェベリとルノアを連れて、街内にあるドワーフの工場を訪ねている。


「親方、こういう物の試作を頼みたいんだけど」


「ふむー。石の板の楽器と沢山のガラスのカップねー。カップの方は出来ない事は無さそうだが」


「石の板の下には壷をいくつか配置するんですよ」


「まあ、ニホバル王子様の頼みだ、トライしてみるわ」


「宜しくお願いします。 後、調律の時にも手伝ってもらえれば」


「ああ、わかった」


これで楽器は何とかなりそうだ。

で、次の問題。


「ニホバル様、MOU48に憧れたエルフ族の娘たちが面談希望に押し寄せております」


ルノアから報告を貰う。

今はまだ募集を出していないはずなんだけどな。

どうやらMOU48の公演を見たエルフ族の娘たちが、歌と振り付けに憧れての暴走らしい。

これも人気の表れってやつだな。

しょうがないから、別邸で面談だけでもしてみるか。

ルノアにスケジュール調整をお願いする。



別邸に帰り、一息ついていると、またまた来訪者がやって来る。

ウンディーネのランウネルとアルラウネのレケシウネだ。

思っていたより早く来た。

困ったな、楽器はまだ試作を注文したばかりで出来上がっていない。


「私は姉から聞いた音楽というものが解らないもので、先ずは見学出来ればと思いまして」


「そうそう、あたしもそうなの」


レケシウネはちょっと引っ掛かるものがあるけど、言われる事は尤もだな。

レケシウネの場合、レケシナ本人でもあるけど株分けした妹と言う事になる。

本人ならば、最初から全て知っているはずなんだけど。


そう思い、二人を連れて各部署を、説明しながら館内を案内する事にした。

どの部署も練習中だったりする。

本番の迫力には欠けるが、どう思われるだろう。


「ニホバル様って、本当に王子様だったんだぁ」


レケシウネが楽しそうに言う。


「皆さん、凄いですね。私なんかに出来るでしょうか」


ランウネルが心細くなる。


ランウネルにトライして欲しい事は大体決まっている。

『水に関わる楽器』以外に考えられないだろう。

ツェベリに応接室にガラスのカップと水を持って来てくれるように頼んだ。


カップを並べ、それぞれ水位を考えながらに水を入れる。


「ランウネルさんに頼みたいのはこれね」


そう言いながら、カップの淵を指でなぞる。


ポーーーー プオーーーン と音が出る。


ツェベリ、ランウネル、レケシウネの目が丸くなる。


「こんな楽器があるのですか」ランウネルが驚いている。


「おもしろーい」レケシウネがはしゃぐ。


「私もこういう事、初めて見ました」ツェベリが呆然とする。


本格的に練習してもらうのは、試作品の楽器が完成してからになる。

問題は水の指のランウネルではカップは鳴らなかった。


「難しい楽器ですね……」


ランウネルにはゴム手袋をしてもらった。

今度は成功する。


プオ~~~~~ン キーーーーン


面白くなったランウネルは夢中になり始めた。

彼女の肩でレケシウネが草笛で一緒に音を出す。


「こういうユニットも面白そうですね」


ルノアが新たな可能性に着眼したようだ。


やる気になったランウネルとレケシウネには部屋を手配し、

試作楽器が出来上がるまで、自由にしてもらう事にした。


「あ、あのニホバル様、私の事はランウネルとお呼び下さいませ」


「あたしもー、あたしも敬称略で」


「はい、ランウネル、レケシウネ、これから宜しくお願いしますね」


二人は俺を認めたようだ。

さて、次はエルフ族の面談か。


「面談希望者は760名います」


ニホバル王子は絶句した。

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