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160「食事会2」

ルリア姫達が旅から帰って、暫くした頃、

ニホバル王子、ルリア姫、タリエル姫、アビスナ王太后、シャルナが

父王ロンオロスの部屋に集まった。

目的は父王の慰問とルリア姫達の旅の話を聞くためだ。


「ニホバル、今日は何を作ってくれるのだ?」


「カレーライスを作ります」


「カレーライス? 異国の料理なのか?」


「そうです、ルリア達に旅先で材料を仕入れて来てもらったんです」


ご飯は既に作ってある。

後は鍋に野菜・肉を入れてカレールゥを溶かし、煮込めば出来上がる。

煮込んで出来上がるまで、少し時間も掛かるから、

それまでの間、ルリア姫達の話を聞く事にした。


「先ずは私から、父上様にお土産です」


ロンオロス王に日本人形を渡すタリエル姫。


「ほう、これは珍しい、不思議な衣装の人形だの」


人形だけでも、未知なる国に旅をしていた事が解る。

あちらの国で、ルリア姫とタリエル姫は研究者として、

遺伝子の呪いを解く事に成功した事を告げた。


「ほう、頑張ったのう、ルリアもタリエルも偉いぞ」


キスナエレアが新たな術系統の修行をして来た事も話した。


「キスナエレアも新たな知識や術を持ち帰ってくれたのだな」


シャルナはタリエル姫が、ルリア姫と仲良く旅を成功させた事を嬉しく思っている。

以前、心を閉ざして人形のようになっていた頃とは違い、精神的に逞しくなって帰って来たのだから。


「これでニホバル様は、ルリア様とタリエルを娶る事が出来ますね」


「あら、そうですね、いずれノルナ姫様も来るでしょうから、もう一つ別邸を用意しなければ」


「やはり、跡取りはニホバルに決まりだな」


「えー、政治に興味無いのに……」


そんな話をしている内にカレーは出来上がった。

カレー独特のスパイシーな匂いも、この世界では未知の香り。

未知の香りでも、決して嫌な香りじゃない。

そんな不思議な料理に、ロンオロス王もアビスナ王太后もシャルナも興味津々だ。


後は各皿にご飯を盛って、カレーを掛けるだけだ。

ニホバル王太后は手際よく盛り付け、皆に配っていった。


「うん、これは美味い、美味いぞニホバル」


「私には、初めての異国の料理ですわ…でも美味しい…」


「ニホバル様、美味しゅう御座います」


「ああ、これはあちらの世界でも食べました、父上様母上様や皆でまた食べられるタリエルは幸せです」


「この味を再現出来るなんて、やはり兄上様はあちらの世界を知っていたんですね」


カレーライスの美味しさもさる事ながら、

タリエル姫とシャルナも、親子揃って慎ましやかに食べる食事を気に入った様子。

王宮の食堂でマナーに拘って、お上品に食べるより、美味しかった。

家族で心を通わせながら食べる食事は、心まで温かくなる気がする。





そして、こういう食事会はもう一回予定されている。

戦闘侍女のツェベリ、キスナエレア、チズシア達は、

ニホバル達にとって、単なる護衛を兼ねた侍女ではない。

物心が付いた頃より、いつも一緒にいてくれる姉やでもある。

そんな彼女達とも一緒に、こういう食事をしたいと願っている。


「ニホバル様、これは美味しいですね」


「ツェベリ、まだまだ変わったものを作る予定なんだ」


「ルリア様は、あちらの世界でも経験されたので?」


「キスナエレア、あちらにはもっと色んなのがあるんだよ」


「これは私もあちらで作りましたよね、タリエル様」


「これなら、タリエルは毎日でも食べられます」


彼女達もカレーライスが好評のようだ。

今回は、あちらの調味料が豊富にあるから、当分料理に事欠かないから助かる。

ノルナ姫が来たら、その時にはもう一回食事会を開く事にしようじゃないか。

チズシアが言うには、毎日異なった料理を食べられるのが脅威だとも言う。





やがてニホバル達に、居住用の新たな別邸が用意された頃、

ノルナ姫とオーシアがやって来た。

ノルナ姫は、こちらに嫁入りする事を決めたらしい。

式を挙げるのは、ザウィハー王城の環境に慣れてからになっている。


ノルナ姫はニホバル王子に与えられた、新たな別邸の一室に案内された。

その部屋は、ニホバル王子、ルリア姫、タリエル姫の部屋の隣になっている。

オーシアは、ツェベリ、タキア、チズシアに連なる部屋が用意されている。

落ち着いた頃に皆、食堂に集まって懇談する事になった。


ノルナ姫はアサスウイアでタリエル姫と別れてから、ずっと武者修行に励んでいたと言う。


「へー、ルリアとタリエルは、異世界に行って研究者やってたのか」


ルリア姫とタリエル姫の冒険談に夢中になっている。

ノルナ姫の武者修行は、この世界から出た訳じゃない。

あちこちの街や討伐戦で戦いに明け暮れ、ニホバル王子以上に惹かれる男性にも出会えずだと言う。

話を聞いている内にノルナ姫も、異世界の冒険を経験したくなってきた。


話も盛り上がった頃、ニホバル王子は皆にカレーライスを振舞った。


「ほー、これが異世界の料理、うめぇ、うめぇよ、ニホバルさん、いや、あ・な・た」


「私も始めて食べたが、美味ですね」


ノルナ姫はこれからルリア姫とタリエル姫から、淑女になる事を教わる事になる。

しかし一番の問題は、ここに居る誰もが、恋愛経験が無かったのだった。

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