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133「ダンヴァンの街」

ニホバル王子達はダンヴァンの街に到着した

この街では【MOU48】と【セイレーン歌手】

モルペー・テルクシオペ・アグラオペーメ・ペイシノエが公演している。


ルリア姫達は冒険者ルックが気に入ったのか、あれから着続けている。

多少汚れても気にならない普段着になっているようだ。



「ケンカだー、ギルドで喧嘩が始まったー」


街を歩いていると騒がしい人の声が乱れ飛ぶ。

冒険者ギルドで喧嘩が始まったのか。

この世界じゃ良くある話だな。


ギルドに近づくと、どうやら喧嘩をしているのは、

一人の少年と二人の少年冒険者らしいと話をしている。


見れば、年の頃12~13歳位少年で、髪型はソルジャーカットにして短い髪型だ。

皮製のスク水のようなものに、肩と腰に鉄のガードが付いているものを着ている。

鉄の脛当てが付いた長めの皮ブーツを履き、剣は持っていない様子。

剣の代わりに両腕に装着した鉄甲とナックルダスター(メリケンサック)で戦っている。


二人の冒険者はニホバル王子と年が近いかもしれない。

年齢的にも体格的にも劣る上に、剣を持たない少年は、一人で二人を相手にしていた。

不利そうな少年はこちらをチラと見て声をかけてきた。


「おい、そこの女、冒険者の女だよ」


鼻血を出しながら、ルリア姫の方を見ている。

どうやら年の近そうなルリア姫に助太刀を頼みたそうだ。


「姫様、なりません、相手が強くても勝つまで戦うのです」


後ろに控えていた女戦士が厳しい事を言っている。


「ん? 姫様? ルリアの事? いや、もしや、あの少年は少女だったのか?」


「兄ちゃん、どうしよう」


「あの女戦士、アマゾネスのようですね」


……アマゾネスで姫様という事は、あの少年、いや少女はウィラクバリラ女王の娘って事?


二人の冒険者の剣をショルダーガードとウエストガード、鉄甲で受け流しながら、

鉄甲に付いたナックルダスター(メリケンサック)で打ち込もうと果敢に仕掛けている。

その姿は接近戦特化のパワーファイターだな。


剣を振る動作より、少女の繰り出すパンチの方が早いから、何発かは入れている。

相手の剣をガードする体裁きもかなり鋭い。

しかしパワー負けした少女は、善戦虚しく負けてしまった。

疲労のためか、一瞬の隙を抜けた蹴りを鳩尾に喰らって、後方に飛ばされ倒れてしまう。


「勝負あり! それまでだ」


追い討ちを掛けようとした冒険者たちは、後ろに控えていた女戦士に止められ、

剣であしらわれた挙句、追い払われた。


「ちっくしょう、次に会ったら憶えとけ! おい、そこの、何で加勢しないんだよ」


「姫様、人に迷惑かけてはいけません」


女戦士はこちらに謝罪をした。

アマゾネスの彼女はノルナ王姫付き侍女オーシア、少女の名はノルナ姫。

諸国を廻っての武者修行中だと言う。


立ち話も何だから、酒場で落ち着いてオーシアとノルナ姫から話を聞いてみる事にした。




ノルナ姫は体のあちこちに傷薬を貼り付けやって来た。

鼻も殴られたようで、絆創膏のように傷薬を貼っている。


「ノルナ姫様は女の子なのに、そんな髪型で辛くないんですか?」


ルリア姫は勇ましいノルナ姫に感心している。


「髪を長くしていると戦いで掴まれるからな、短い方が良いんだ」


言動と髪型のせいで少年にしか見えないノルナ姫だが、

よく見ればウィラクバリラ女王譲りの美貌が見え隠れしている。



取敢えずお互いに自己紹介をした。


「なんでぇ、姫の大安売りだな」


確かに、こちらにはルリア姫もタリエル姫もいるな。

目の前にいるのもノルナ姫だから、姫だらけだ。


「そちらにいるミモさんって、まさか母様に勝ったミモさん?」


「練習だけど、そうであります」


「ええ? 本当に? すげぇ、すげぇ」


横に座っていたオーシアがすかさず立ち上がって最敬礼をした。


「ミモ様、いずれ私オーシアにも是非お手合わせをお願い致したく…」


「ミモは戦うの好きじゃないのであります~」


普通の対戦ではミモに勝てないと悟ったウィラクバリラ女王は、

あれ以来、五対一、十対一で練習していると言う。

最近では百人組み手まで、成功させたらしいと噂されている。

だからノルナ姫も二対一でやり合って負けてはならないとか。


こちらは地方公演の査察で巡航している事を話した。


「私は尊敬するミモ様と同行したいけど宜しいでしょうか?」


ノルナ姫は尊敬するミモとしばらく行動を共にしたいと言い出した。


……馬車には余裕があるから大丈夫だが、これ以上人が増えるのもなぁ。




公演の方は無事に行っている様子。

マネージャーのアンルシカが目を光らせているから、困ったファンは寄り付けないようで何より。

絵で描かれたブロマイドの売り上げもまあまあと言った所。

街長からも次のオファーが出されている。


……次に廻すユニットを考えなくちゃ。


「ほおー! 歌ってこんなに良いものなんだぁ」


「でしょ? 兄ちゃんの音楽は凄いんです」


ノルナ姫もルリア姫も喜んでいる。


……心なしか、タリエルの表情が柔らかくなって来てる気がするが、治り始めてるのかな。



「ノルナ姫様ー」

「ニホバル様ー」


昼の部が終了すると、バックダンサー隊10名が駆けつけてきた。

ニホバル王子と、彼女達の国の姫様がいるから挨拶に来たのだった。

もしかして、ノルナ姫ってアサスウイアじゃ、アイドル並みの人気を誇っているんじゃ?

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