131「第三回方針会議」
今回の出張に先駆けて、方針会議を開く事になった。
何処へ、どういうルートを通って視察に廻るのかを決める会議。
相変わらずの大人数のため、円卓がある城の会議室で始まった。
会議参加メンバーは、
アビスナ王太后
リャナンシーのルノア養成所長
サテュロスのメフルア作詞作曲担当
楽団派遣事務所事務員ナーユゼ
各部署マネージャー達
ニホバル王子
ツェベリ
ルリア姫
キスナエレア
タリエル姫
チズシア
お目付け役のビエル
シレラ
ミモ
タリマ
ピルアーナ
と、かなりの人数に膨れ上がった。
視察に行く地域をリストアップしてみると、
①魔族の国ハユバム(魔族領)――――――――――――――
首都ザウィハー
ダンヴァンの街
ロダザックの街
シータッドの街
ホワピュルの街
クージルの街
ディヤの街
ヘルトルの街(中州の町)
②ウェミテカトルの街(獣人の街)
③セイケグクの街(リザードマンの街・爬虫類系)
④イアーシュミ(ドラゴンの国)
⑤アサスウイア(ヴァルキュリア・アマゾネスの国)
⑥ファナード(エルフの国・世界樹の都)
⑦セルズグナの街(ドワーフの鉱山の都)
⑧バラーゼカ(オーガの林業の街)
⑨フォロワスター(コボルドの街)
以下人族領―――――――――――――――――――――――
①アルパリヤ領(人族と他種族)
②アヴォロス王国(歌や踊りを愛する国)
③ジロクアント王国(魔道研究所がある)
④サッシリナ公国(ユソット大公の国、ダンジョンある小国)
⑤海の街ツラージル(造船・海底遺跡)
⑥ハディゼキヌ領(浮遊筏街)
かなりの数に昇る。
当然、全部に行けるものじゃないし、人族領はリスト以外にも存在する。
タエリエルの事を考えると、魔族領から出ない方が良さそうだ。
国内を巡回して、ヘルトルの街で終る予定に決定した。
楽団員は既に来ているオファーに従った派遣を行う。
ニホバル王子達は公演を開いている街々を視察して廻る事になる。
今回馬車で移動するのは11名、出来れば全員が乗れる馬車があれば良い。
バス並みになっちゃうかな。
兵員を戦場まで送る馬車を改造して、全員がキャビンに乗れるものを用意する事にした。
荷物の保管については、タリマさんのダンジョンに頼る事にした。
野営用の毛布や食料、資金などの荷物はポータルに仕舞うから、馬車の中は広く使える。
ツェベリ、キスナエレア、チズシア、ビエルがいるから護衛は十分すぎる戦力だろう。
さらに『ウラークル』入りのカンテラと、『ランウネル』入りの水鉄砲があれば過剰戦力になる。
客であるシレラ様達がいれば、それだけに済まないのだけど。
それにしても、今回は男女比が酷い事になってるな。
ニホバル王子と御者以外は全員女性だ。
やがて特注馬車が出来上がった。
中で11人も寛ぐバスのような馬車だから、車輪が六つも付いている四頭立ての馬車になった。
車軸とキャビン部の間には、バネクッション(サスペンション)もブレーキもしっかり付けている。
御者台に上がれるドアもキャビン前方に付けられ、専用の御者も騎士が二人用意される。
中のベンチシートは、自由に床に寝転がれるように折り畳み式にした。
長時間シートに座って動けないのは危険だからね。
エコノミー症候群なんてなったら大変だ。
国内とは言え、長旅には必要なものだろう。
「はあー、こんなに大きな馬車見るのは初めてです」
キスナエレア他一同が始めて見る馬車に驚いている。
生前の世界では、これでもまだマイクロバス規模なんだけどね。
「あらまあ、部屋が一つ馬車になったみたいですねぇ」
アビスナ王太后も感心している様子。
今後の事を考えて、この手の馬車を後10台ほど作る事に決めた。
馬車に乗り込んだ一同は喜んではしゃいでいる。
「兄ちゃん、ルリアもずっとこの馬車に乗りたいです」
「まあ、ルリア姫様、その話し方は……」チズシアが驚く。
「チズシア、ルリア姫様はこういう話し方を気に入っている様子、注意は不要です」
キスナエレアがルリア姫を擁護した。
チズシアは口を噤むしか無くなった。
「大きな馬車でありますなぁ……」
ミモも感心している。
「こういうのに乗るのも面白そう」
タリマも興味津々の様子。
やがて荷物が揃い、皆各々馬車の中に好きな場所を陣取り、出発した。
シレラ、ミモ、タリマ、ピルアーナは一番後ろに陣取って座っている。
……まるで不良学生みたいだな。




