表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/397

103「セーズルアの街」

俺達一行はセーズルアの街に到着した。

ハディゼキヌ領と違い普通の海辺の街だ。


海に面した漁業の街らしく、魚の匂いが街中に充満している。

こういう街だと魚料理が美味いんだよね。

今日はベッドで寝れそうだ。


「兄ちゃん、この街臭い」


ルリアは鼻をつまんで不快そうな顔をしている。

冒険者ルックに身を包んで、こういう言い方をするルリアは可愛いな。


「ルリア、これは魚の匂いだよ」


キスナエレアがアドバイスをする。

ルリアが生の魚の匂いを嗅いだのは初めての経験だろう。


うん、皆段々と冒険者風が板についてきた。

この中で、一人魔術師風な格好をしているのはナサラトット氏だ。

元々魔道研究所の所長だから、一番違和感が無い。



先の山賊からの戦利品を露店の商人に売り払った。


「お客さん、これだと銅貨30枚って所だねぇ、それで良いかい?」


店の胡散臭い雰囲気のオヤジが言う。


「銅貨30枚かぁ、よし!OKだ」


銅貨30枚、そんなもんだろうけど安すぎる気がするな。

元々資金には困っていないから、それでOKしたけど。

ツェベリに資金管理を任せているから、彼女に手渡す。



見つけた宿に馬車と荷物を預け、街を散策する事にした。

皆、魔族らしい特徴を隠すようにしているけど、すでにバレバレのようだ。

それでも排除しようと挑んでくる者がいないのは気が楽で良い。



漁師の親父の話に、何でも以前海の中にダンジョンがあって、漁師達が引き込まれたそうだが、

旅の冒険者が攻略してから、そのダンジョンは消滅したらしい事を聞いた。


……ほう、この世界じゃダンジョンって消滅するのか。


話によるとこの世界のダンジョンには、主がいると言う。

ダンジョンの主、すなわちダンジョンマスターが倒されると消滅するらしい。

考えてみれば、主が管理しなけりゃ宝箱や罠を設置する者がいないよね。


宝箱や罠、魔獣がいなければ、単なる洞窟だ、

ゲームの世界ではゲームマスターが設定してるんだし。

ニホバル達の世界には無い設定の一つがダンジョンのようだ。


「ふむ、面白いですな。恐らくこの世界の神が、ダンジョンを創っている可能性が考えられる」


ナサラトット氏が推理した。


可能性は捨て難いけど、最強の戦女神ってのが、ダンジョンなんか創るのかな。

戦神だったら、魔神ツヴァパードのように各地に戦乱を巻き起こしそうなものだけど。

それにしても誰も神の事を話す人がいないし。

目的地に行けば、もう少しは何か解るのかな。



一行は魚市場へ行く事にした。

漁港の街に相応しく、様々な魚が売られている。

マグロの競りみたいな物を見られるかな。

大型の魚を売っているには売っているんだけど、

残念ながら、そういう物は無さそうに見える。


「あ、あれは美味しそうですね」


目敏くビエルが何か見つけた様子。


大型のイカだ。

大王烏賊ってやつだな。

あれも魔獣の内かな。

魔獣っぽいと言えば魔獣っぽい。


普通のイカなら良さそうだけど、あれほど大きいと、

大味になって美味しくは無さそうに思える。


「イカの中に肉を沢山詰めて焼くんですよ、美味しいですよ」


イカ飯を連想させる料理だな。

しかし、あのイカを料理する発想が湧かないな。

あ、もしかしてドラゴン料理?



魚市場を見物しながらウロウロしていると、声が掛けられた。


「そこの冒険者の方達、ちょっと良いですか?」


声がした方を振り向くと、三人の冒険者達がいた。


名前を、男の冒険者の剣士のケワレグ、女の魔術師ポトラ、女の治療術士ベセア

魔獣討伐のクエストを受けたいけど、メンバーが心許ないらしい。

そこで魔族の多い6名パーティーのこちらに勧誘の声を掛けたとの事。

年長のナサラトット氏がチームリーダーと思われているようだ。


まあ、観光がてらの旅だから、特別急ぐ旅じゃない。

複数メンバーでの魔獣討伐という経験しても良いかな。

見れば、ルリアもキスナエレアも目を輝かせている。

ビエルは物足りなそうな顔をしている。

彼女にしてみればそうかもしれない、何たって人化したドラゴンなんだから。


冒険者ギルドに依頼票を見に行く。


壁に貼られている依頼内容は、


『魔獣マンティコア討伐。報酬:金貨50枚。複数のマンティコアが出没して、

 シィニギ村が困っています、討伐をお願いします』


というのがあった。

マンティコアかぁ、人面で獅子の体で、尻尾にに毒がある奴か。

確かに誘ってきた人達じゃ心許無さ過ぎるな。


「ふうん、どうするかな」


「兄ちゃん、受けてみようよ、そのクエスト」


「私がいれば大丈夫ですよ」


「ビエルもやりたそうだなぁ、受けるか」


俺達は依頼を受け、宿屋へ戻り、馬車を出してシィニギ村へ行く事にした。



「あなた方のパーティーは、魔術師の方がリーダーじゃないんですか」


馬車に同乗したケワレグ、ポトラ、ベセアが驚いている。

またここにも驚く奴がいるのか、もう慣れっこだけど。


ナサラトット氏が人員紹介をする。


魔術師のナサラトット

音響魔術師で召還士のニホバル

ニホバルの妹のルリア

剣士のツェベリとキスナエレア

お目付け役のビエル


だーっ!その音響魔術って何だよ、ナサラトット氏の頭の中では、そういう理解かも知れないけど。


「音響魔術ですか、初めて知りました。それはどういうものなので?」


「パーティーのお目付け役? 意味が解りません」


「それにしても皆さんお強そうで、え?ギルドレベル1なんですか?」


そんな話をしながら、ニホバル達一行の馬車はシィニギ村へ向かう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ