表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

魔王軍誕生


 勇者。それがアニマニアに現れた事を魔王はその居城で感じ取っていた。

 名称が『勇者』である事まではわからなかったが、少なくとも身の命に件の存在が届く事を本能的に感じ取っていた。


 故に彼の王は人類に対する猛攻を激化させた。

 部下にこう命じたのだ。


 「これまでよりも激しく徹底して人類を滅ぼせ」と。


 魔王のその命令が魔王側の存在全てに行き渡った時、魔王側の存在は見掛けた人間全てを殺し始めた。

 魔王側、つまり人類以外の種族は潜在的に魔王の支配下である。例え殺生を好まない存在が居たとしても、魔王が「殺せ」というのなら嬉々としてその命を果たすのが魔王側の存在なのだ。これ等を総じて魔族。または魔王軍と人類は呼んだ。



 魔王からの猛攻が激化したことにより、魔族は人類をあと1歩の所まで追い詰めた。


 この報告を聞いたとき、魔王はとても喜んだ。


 しかしその喜びは数日の内に砕かれる事となる。


 またも感じ取ったのだ。身の命に届く者が、本格的に自分達と敵対することになることを。

 それと同時に魔族の人類へ対する侵攻が止まったのだ。


 魔王の側から言えば、()()()()()()()()()()のだ。


 突如、明確に人類側の土地である場所への侵入、及び攻撃が出来なくなったのだ。

 いくら人類の土地に攻撃をしてもその土地は傷付かず、いくら人類の土地に魔王の使役している魔の獣である魔物を送ってもいつの間にか魔王の居城に送られ、いざ魔王本人が人類の生存圏を赴き攻撃を仕掛けてもそれは魔王本人へと返ってくるだけであった。


 魔王は己が攻撃をしてもどうすることも出来ない事を腹立たしく思うと同時に、何故このような事になったのかを考えた。

 そしてその答えに至った。


 それから魔王は居城へと戻り、魔王の次に強い上位4人を呼んだ。そして魔王は言った。


 「今日から貴様等4人を四天王とする。わざわざ(オレ)が役職を与えたのだ。この意味がわかるな?


 最初の命令はこれからの今後についてだ。

 これから人間共の方から(オレ)の命に届く何かが攻めてくる。その何かを破れば、我々(オレ達)の人間共への侵略も再会することが出来るだろう。


 これまで(オレ)の許まで辿り着き、直接(オレ)が殺した人間共、【神速】のジャッカル・ベルロー、【破壊者】ゴズワルド・ヴェッツァータ。【神の巫女】アルレイラ・フランソワーズ・デルバ・グリオモーネ。【森の狩人】ダルメシアン・カルモア。【不動】のコンジェラーゾ・バルバロッサ。【双剣】の2人である【攻進撃】タルターナ・メロメットと【守進撃】のベルターナ・メロメット兄弟。【最果ての魔術師】ユリモア・ザルザルバック。


 これ等人間共にとっての英雄ですら(オレ)の命に届かなかった。相対しただけで人間共にしては我々に届く強者であり、全員が一同に介せば(オレ)もただでは済まなかっただろうと断言出来る者達。この者達を越える者がいずれ(オレ)の前に現れるだろう。

 確証は無いし、その証明も出来ない。だが(オレ)の本能がそう告げている。

 そしてソレを殺さねば我々は人間共を殲滅させることが叶わない事を人間共の土地へ出向いた際に悟った。


 故に貴様等4人に告げる。貴様等はこれから我等が同胞を各々の采配で纏め、粉骨砕身に努め、攻めてくるソレを撃退、惨殺しろ。

 纏める際、各々が欲するものが重なり衝突することも有るだろう。その時は半殺しまでは許す。心往くまで衝突し、最高の自らの軍を造り上げろ。


 だがもし、衝突の際に相手を殺そうとしたり前線へ出せないような怪我を相手にさせた者は(オレ)自らが殺してやる。その事を肝に命じ、我が命に励め」


 これを期に、本格的に魔王軍は『軍』として機能を始めた。

 魔王の予見した通り四天王同士で衝突することは何度も有った。しかし魔王の命令に従い、四天王達は各々が納得する条件を設ける事で衝突し、互いに納得するものを自らの軍へと入れ、それぞれの軍を完成させていった。







 そうすること一月。人類側と魔王側、双方互いを攻める準備は出来上がり、遂にその戦火がアニマニアという火種に着火した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ