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コンビ二家族とAIの妖精  作者: 坂崎文明
セブンシスターズ編

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信長の休日

「真田が温泉に招待してくれるらしい。メガネも一緒に行くか?」


 そこはWEB小説投稿サイ『作家でたまごごはん』の事務所である。

  

「信長様、それ、いいですね。飛騨さん、舞さんも一緒にどうですか?」


 メガネ君はGWの休み中の事務所にたむろしている面々を見渡した。

 信長の付き人の織田めぐみもいた。


「私、行きたいわ。GWは小説執筆でこの事務所に缶詰だったでしょ。肩こっちゃって」


 神楽舞は『お嬢様は悪役令嬢』シリーズのショート(S)ストーリー(S)『悪役令嬢はコクられたい!』を執筆するために自主的に缶詰めになっていた。


 飛騨亜礼は仕事帰りに寄っただけで、信長は事務所の一室に住んでいるので、メガネと織田めぐみが時々、面倒をみていた。


「わたし、行きたいな」


 織田めぐみが珍しく積極的である。

 信長に気を使ってるのかもしれなかった。


「じゃ、俺も行こうか。有給、溜まってるんで」


 飛騨も何故か行く気になってるようだ。


「三成もいるし、久々に、左近も帰ってくるようだと言ってたな」


 信長の目がキラキラと輝いている。


「左近といえば、やっぱり、島左近ですか?」


 メガネもちょっと興味深げにうなづく。

 三成に過ぎたるものがふたつあり、島の左近に佐和山の城の島左近である。

 関ケ原の西軍で勇猛な戦いを見せた伝説の武将である。 


「もちろんだ。全国武者修行してたようだし、わしも会うのが楽しみだ」


 信長は上機嫌である。


「で、飛騨君、何か見えてない?」


 神楽舞は不穏な質問を飛騨に投げかける。

 信長とどこかに出かけると、何かの災害に巻き込まれるというジンクスのためだ。

 さすがに第六天魔王と呼ばれるだけのことはある。


「―――――別に見えないな」


「飛騨君、その長過ぎる間は何?」 


「いや、一応、見てみたんだが、何も見えなかったよ」


 飛騨は何故か舞から目を逸らして、ダークブルーのサイバーグラスをかけた。

 不審すぎる行動である。


「飛騨さん、私のことは何か見えますか?」


 意外な伏兵、織田めぐみがここで横槍を入れてきた。


「―――――うん、活躍じゃなかった。楽しそうな姿が見えるよ」



「そうなんだ。良かった」


「飛騨、わしはどうなんだ?」


 信長が質問してきた。


「―――――前半、活躍じゃなかった。なかなか楽しい温泉旅行になりますよ」



「おお! やはり何かあるのか! どんな合戦か、楽しみじゃのう」


「私は不安だわ。メガネ君は?」


 神楽舞は嫌な予感しかしない。


「俺ですか。楽しい温泉旅行になると思いますよ」


 確かに楽しい温泉旅行になるのだが、楽しいの意味が信長が期待してる方向になることは、流石のメガネにも想像できていなかった。

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