表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コンビ二家族とAIの妖精  作者: 坂崎文明
コンビニ家族編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/25

健康コンビニ<絆>

「今日も頑張るぞ!」


 絆は今日も元気にコンビニに立つ。

 もう一ヶ月ぐらい前に<8-12>本部からは契約解除を言い渡されて、『健康コンビニ<絆>』という店舗名に変わっている。

 幸い、違約金の3000万は何とか支払い済みで、神沢のお爺さんの神沢財閥の支援で融資を受けて店舗改装ができた。

 <8-12>本部の一夜城店舗があった場所には、今、<道の駅神沢町>産直市場が建設中で父親の春樹が店長に内定している。


「そうだな。神沢のお爺ちゃんへの借金三千万を早く返さないとな」


 店長の春樹が要らぬプレッシャーかける発言をするが、コンビニの売上げは日販100万は超えているし、逆に返済の目処がついているということでもある。

 もうドミナント戦略もロスチャージもないし、<8-12>などのコンビニ店舗が半径数十キロには何故か出店されていなかった。100円ショップに改装されていた。


 SNSフェイスライトグループでの健康志向の『無添加食品を広める会』や『日本母親連合』などに、健康食品、食材などをネット通販で販売していて、そちらも日販100万ぐらいになってきている。

 そちらの方は(グエン)さんが担当している。

 バイトリーダーはベトナム人女性の(チャン)さんに交代している。


「あなた、早坂さんが来たわよ」


 副店長の妙子が来客を告げた。


「春樹さん、順調そうですね」


 早坂は相変わらず恰幅(かっぷく)がよく、まるで大黒様のような見えた。

 コンビニ一家にとっては、今では福の神のようなものである。


「まあ、お陰さまで。早坂さんはSV辞められたと聞きましたが、今はどうしてられるんですか?」


 春樹が訊ねた。


「神沢のお爺さんの所で雇ってもらいました。また、このコンビニの仕入れ関係を担当させて頂きます。以前は迷惑おかけしましたが、よろしくお願い致します」


 早坂は丁寧に頭を下げた。

 神沢財閥の物流、商社部門の会社に再就職したらしい。


「いや、謝ることはないよ。早坂さんが協力してくれたので助かったよ。そうかあ。新しい担当に変わると、神沢のお爺ちゃんから言われてたんですが、早坂さんだとやりやすいよ」


 春樹は嬉しそうだ。

 実に人がいい。お人良し過ぎるが、そこがいいのかもしれない。


「早坂さん、また、よろしくお願いします」


 絆もぺこりと頭を下げた。

 AIの妖精ルナもPOSレジの上に浮かびながら、にっこり笑っている。

 とりあえず、村上一家の再出発は一見、順調そうに見えた。

 だが、その幸運をもたらしたAIの妖精ルナの身に危機が迫っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ