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コンビ二家族とAIの妖精  作者: 坂崎文明
コンビニ家族編

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10/25

ドミナント戦略、一夜城

「ゴメンナサイ ワタシガタブレット ワタシタカラ」


 (グエン)さんが泣きべそをかいている。

 そこは村上一家のコンビ二のバックヤードにある休憩室である。

 今はドミナント戦略対策臨時会議室になっている。


(グエン)さんは悪くないよ」


 妙子が慰める。


「そうだよ。俺も悪くないと思う」


 春樹も(グエン)さんの肩をボンボンと叩いてなだめている。


(グエン)さん、元気だしなよ」


 絆も心配そうに声をかける。


「私が自動発注プログラムのモニターを怠ってたのも原因です。大丈夫です。私が何とかします」


 AIの妖精ルナがタブレットパソコンの上に立体映像として浮かび上がっている。

 エメラルドグリーンの髪、ブルーの瞳で透明の(はね)をもつ、掌に乗るぐらいの妖精のような少女である。


「この子が絆の友達というか、このコンビ二の救世主なのか?」


 春樹は絆の顔とAIの妖精ルナを交互にみる。 

 絆はルナのアドバイスもあって、AIの妖精ルナの存在を打ち明けた。

 事態は最早、家族一丸の協力が必要なレベルになっていた。

 いや、バイトリーダーの(グエン)さんを含むベトナム人バイトのみならず、絆の友人のハネケ、結菜も含む総力戦になると思われた。


 村上一家のコンビ二の前に、昨日は無かったものが存在していた。

 それは<8-12>本部が総力を上げて、たった一夜で築いたコンビ二店舗であった。

 豊臣秀吉かよ!と突っ込みたくなるような早業である。

 最凶SVの佐藤の仕業であるが、さすが、<クラッシャー佐藤>の名は伊達ではなかった。

 絆はそれでもキュッと唇を結んで、(グエン)さんたち仲間と家族を守る戦いを決意していた。



 ここまでの展開はまだノンフィクション的というか、もう少し大げさな展開を考えているのですが、現実の方がもっとえげつない。


 この小説はSFではない。

 現代日本に確かにある物語である。

 一応、フィクションには違いないのだが。

 


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見切り販売で勝訴の元オーナーに聞く(上):近隣への出店「言い忘れてました、ハハハ・・・」


 最高裁判所は9月上旬、セブンーイレブン・ジャパンの加盟店への見切り販売妨害を違法行為と認め、賠償金の支払いを命じた。訴えていた「セブンイレブン大網白里南今泉店」の元オーナーの佐々木則夫氏は、14年3月に契約更新を拒否され、自分のセブンイレブン店を失った。売り上げ実績などで地域ナンバーワンといわれた同店がなぜ契約拒否にあったのか。佐々木元オーナー自身が、セブンーイレブン・ジャパンがオーナーをどう追いつめ、なぜ、追放するのか、その手口と理由を証言した。


 ――地域ナンバーワンだったと聞きましたが、なぜ解約されたのですか。


「うちの店は、日販80万円で『おでん販売コンテスト』などのセールで全国16位、千葉県下800店中10位など地域1番の実績をあげ、何十回も表彰された優良店でした。すべてはドミナント(セブン本部が近くにライバル店を出し競わせること。このドミナントはフランチャイズ契約では自由にやっていい取り決めになっている)から始まったのですよ」


「開業5年目(03年)に何の相談もなく、同じ商圏の『大網白里北横川店』をオープンされたのです。この店の開店を知ったのは従業員の話からで、近くにコンビニができるらしい、セブンらしい、と」


「それで何度も本部社員に『近くにセブンができるらしいが本当か』と聞いたのです。こっちは死活問題だから。そうしたら『わからない』とトボけるし、最後は『南横川店の方じゃないですか』と、影響のない方向だとウソをつかれた」


「オープン2週間前に『いゃあ、実は、担当が代わったのでいうのを忘れてました、ハハハハ・・・・・・』と笑いながら知らされたのです。もう、バカにするなツ!って、怒り心頭ですよ。そこからですよ、本部に反感もったのは」 ――セブンの元OFC(店舗経営指導員)が私の取材で、「日販80万円を超えたら近くにドミナントするのが社内の決まりだ」と、証言してくれましたが、それはまるでサギですね。


「サギですよ。その前にファミマができて日販10万円も落ちていたのが、今度はセブンが7キロ先だったけど、一本道だったので20万も落ちましたよ。従業員も集まらなくなりました。セブン本部は、見切り販売をやると、すぐ『信頼関係を損ねた』などといって解約の理由にするのですが、その前にドミナントで裏切って、本部の方が信頼関係を壊しているのです」


 ――日本全国まったく同じパターンですね。最近、私はドミナントをやるのは「本部の利益改善のため」と書いた古屋一樹副社長以下各本部長がハンコを押した稟議書を入手したのです。これは埼玉の澤田八郎(87歳)という、セブン創業期の老オーナーの朝霞栄町店を閉店に追いこんだときの稟議書なのですが、鈴木敏文会長がいう「加盟店と本部は共存共栄」が真っ赤なウソで、本部の利益至上主義と、オーナーを独立の事業者なんてみなしていない何よりの証拠ですよ。


「やっぱりね。そんな書類、今まで表に出てきていないですね」


 ――その稟議書には、本部の都合で閉店させたので、解約金はとらない、店舗設備撤去費用や防犯カメラ・備品の移設費用も本部が持つ、と書いてあるのですよ。


「そんなの普通あり得ない。撤去費用はぜんぶオーナーに負担させますからね。私が見切り販売をやったのも、オープンして2、3年のころから何で独立事業者が値下げ販売ができないのか、おかしい、おかしい、とずっと疑惑の目で本部をみていたからなんですよ」


「最初、ロスチャージ会計のことも分からず、オーナー収入(夫婦二人分の月給)がたった17万円しかなく、兄から100万円借金して、国民健康保険料や国民年金を払い、生活費にあてていたのですよ。こんなの独立事業者じゃないですよ」




セブンイレブンがオーナーをどう追いつめ、なぜ追放するのか | 社会風刺  コンビニ大手経営者の横暴は、看過できないような状況になっている。コンビニFC残酷物語である。

https://wakamiya.exblog.jp/24849236/

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