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7.「好きです」


―好きです。

付き合ってください。



生まれて初めて

告白された。


二つ年下の子だった。


このときもまた、 あたしは彼の気持ちを考えることは出来なかった。


彼の告白を冗談で流して、曖昧な返事をした。


彼を傷つけることが

怖かった。



あたしが告白したあの人は、ちゃんと返事をしてくれた。



なのに、あたしは弱虫だから、はっきり断ることが出来なかった。


そのせいで、あたしは彼に余計な苦しみを与えてしまったかもしれない。


それ以来、彼からメールが届くことはなくなった―。






時は過ぎて、卒業の日。


告白された彼から

メールが届いた。


「卒業おめでとうございます。」


半年ぶりのメールだった。


「ありがとう。」


そう一言返した。



返事はもう、

返ってこなかった。






卒業式のことは、

もう記憶にない。



唯一記憶に残ったのは、

「旅立ちの日に」という歌。



涙を必死に堪えた。


声が震えてた。



女子のすすり泣く声と、男子の低い歌声が、しばらく耳から離れなかった。




もう、会えないんだ…。



そう思いながらも、その意味を、このときのあたしは全然理解してなかった―。






合格発表の日、あたしのクラスは全員合格だった。


本当によかった。


たくさんの人に

おめでとうをもらった。


素直に嬉しかった。



けど、心は晴れなかった。


何をしてても、あの人のことが頭から離れなかった。



会いたい、

話したい、

と、ワガママばかりが出てくる。



結局あたしは、


さよならも、


おめでとうも、


ありがとうも、


ごめんなさいも、


何一つ、言えなかった。


そのことが、ずっと心に突っかかってた。



このままあの人が、記憶の中であたしの存在を消してしまうことが、とても恐ろしかった。


怖くて


悲しくて


苦しくて


どうしようもなくて、


ただ、泣いた。

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