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第29話 精霊界の序列

ながらくおまたせいたしました!

一話一話、投稿までにかなりのお時間をかけてしまって楽しみしてくださってる方々には本当にご迷惑をおかけしています…。

安定投稿まで今しばらくかかると思いますが今後ともチート探求をよろしくお願い致します…!


※ミスの予約投稿済みを編集して投稿しているので一部活動内容と態度が一致しないかもしれませんがご了承ください。

「…駆け出し冒険者で風の大精霊に出会うとか…。」


今だに少し信じられないが、さっきまで話していた見えないナニカは自分を風の大精霊と名乗っていた。

感じたプレッシャーや魔法の質からいってそう言われれば納得できることにどうやら納得せざるを得ないみたいだけど…。


「転生しても運の良さは相変わらずってことか…?」


何故出会ったことに運の良さが関係しているのかと思う人もいると思うが、それは今から説明しようと思う。

まず前提として前に言ったように、この世界には俺の恩神と言える創造神の他にも豊穣や鍛冶、戦闘や死といった元の世界でいう北欧神話のような神々が信仰の対象として存在している。

そしてそれらの神々の眷属して精霊や聖獣といったようなものがいるわけだが、もちろんその中にも上下関係というものがあるわけだ。

今回は聖獣の説明は省かせてもらうが精霊にも魔法と同じように司る属性というものがある。


[火、水、風、土、雷、光、闇]


この7つが精霊の司る属性だ。

そして上下関係がこんな感じになっている


[大精霊王]

[精霊王]

[大精霊]

[純精霊]

[小精霊]

[浮遊精霊]


見てわかる通り、大精霊王を筆頭に浮遊精霊までと六段階のランクがあるわけだ。

つまり風の大精霊は上から三番目に偉い存在ということになるわけだがこれは精霊界だったらの話である。

それはどういう意味か?

それを説明するためにもここで問題だ。

俺はまだ会得していないが、魔法には精霊魔法と呼ばれる魔法がある。

その名のとおり精霊と契約し、使役して扱う魔法なわけだが、各属性共に普通に属性魔法を使うよりも高い威力と魔力効率が特徴的でこれは精霊自身が自らの力を上乗せしてくれているからである。

そしてここから問題なわけだが、現在一流と呼ばれる精霊魔法師が精霊魔法に使役する精霊のランクは一体どのランクでしょうか?

小精霊?大精霊?それとも精霊王?

冒険者じゃなきゃ知らねーよ!って思う人が大半かも知れないが、正解は()()()である。

何故超一流とまで呼ばれるに至った者たちが純精霊を使役するのか、答えはシンプルで純精霊を使()()()()のではなく一流程度では純精霊までしか使()()()()()()からだ。

精霊は人の悪意というものを感じとることができて、

これが精霊魔法を会得している人間が少ない理由でもあるわけなのだが悪意といってもそれは表面的なものでなく人の心の底、つまりは根の部分が善良かどうかというのが大事になってくる。

簡単に言ってしまえば普段イタズラばっかりしている奴がいたとしても根が純粋であるならば精霊には好かれるということだ。

しかしこれは純精霊までの話でそれ以上となると色々と話は変わってくる。

何故なら大精霊以上の者は人間と同じように会話することが可能だからだ。

つまりは根の部分を知られながら対人関係のように表面上も好かれなくていけなくて、なおかつ相手が相手なだけに認められるためにはそれなりの力を示さないといけないわけだ。

これがどれだけ困難なことであるかはわかるだろう。

これらが一流程度では使役できないといった理由である。

もちろん過去には大精霊と契約した人もいなかったわけじゃない。

だがそれこそ百年に一度の天才だとかそういった類の人物なわけだが…。

もう少し説明すると精霊には明確な自我を持ち会話ができる者とほんのりと自我はあるが会話はできない成長途中の者、自我を持たずなんとなくで漂い続ける者の3つが存在する。

前者は俺も話していたとおり上から大精霊までの精霊が該当し、2つ目が純精霊と小精霊、3つ目が浮遊精霊に該当するな。

しかし1つ目と2つ目、そこまでの大きな差は無いように思えるが実際は天と地ほどの差があるのだ。

何故なら純精霊までは年月によって自然到達することができるが大精霊は精霊界で精霊王と大精霊王による決定で決められているからだ。

それ故に大精霊と呼ばれる存在は各属性ごとに一体ずつしかおらず、好かれるどころか一生に一度会うことすら困難というわけである。

まぁ結構偉そうに解説したわけだがその内容も遥か昔に五英雄と呼ばれた世界を救ったとされる者たちの1人である、テレサ・マグルートというこの世界で初めて大精霊と契約した人物が大精霊から聞き出したことをまとめた太古の書物を現代の本に更にまとめたものを読んで得た情報をそのまま語っただけだから全部が全部正しいってわけじゃないみたいだけどな。

あ、あと五英雄っていうのはこの世界では知らない人はいないくらいの有名な話で俗に言う勇者の言い伝えみたいなもので五人の英雄が邪神を討ち滅ぼしたっていうありがちな物語なんだが……まぁ、これについてはいずれ語る機会もあるだろうし話すのは別の機会にするとしよう。

え?なに?結局正確な情報じゃないのかだと?

仕方ないだろ!文句なら聞き出した本人であるテレサ・マグルートに言ってくれ!

なに!?おいやめろ!偉そうにしといて責任転嫁かよとか言ったの誰だ!

……んんっ、えっと長くなってしまったがそういう意味で大精霊に会えたということに運が良いと思ったわけだな!


「まぁ、大精霊さんの手伝いに感謝するとしてヤスラギ草を持って帰りますかねぇ。」


俺は積み重なったヤスラギ草をゆっくり崩しながら傷つけないように買ってきたリュックへ詰めていく。

色々あったけどなんとか初依頼は成功みたいだな…。

毒抜きの方法に気付かせてくれたポイズン・スライム君との出会い、耐えきれない毒への耐性会得、せっかく浄化したヤスラギ草の収穫を助けてくれた風の大精霊との出会い、どれか1つでも欠けていたら一文無しという現実が待っていたことに冷や汗をかく。

そう思うとポイズン・スライムと会ったことも運が良かったってことか?

そこで運を使うなら最初からドクラセ草化してない状況を用意してほしかったぜ…。

愚痴気味に心の中で呟く俺。


「よし、これでラストっと。」


今日の出来事を回想しているうちに積み上がっていたヤスラギ草をリュックに詰め終わる。

とりあえずやるべきことは終わったかな?

んじゃ、ギルドに報告しにかえ…。


「あ、そうだ。」


帰ろうかと思った矢先、さっきの回想のおかげであることを思い出す。


「そういや溜まった毒素を排出するの忘れてたわ。」


毒耐性の会得によって毒を吸収しても苦しくないから排出するということをすっかり忘れていた俺。

多分排出しなくても大丈夫だと思うが何かの拍子に耐性を失ってあの苦しみが蘇ると思うと、ここで排出をしないという選択肢はありえない。

俺は体外に毒を吐き出すイメージを膨らませる。

初めて『吐き出す』をやった時と同じように紫色の毒々しいオーラのようなものが俺の右手から溢れる。

あとはこの瘴気みたいのが空気に溶けるのを待つだけだ。

しかしここで俺は予想外の展開を迎えた。


「は?なんだこれ?」


俺の腕から溢れた毒素は最初こそ空気中に消えていっていたが途中からその軌道を変え、まるで何かを創成するかのように空中で渦を巻き始める。


「待て待て待て待て!さっきまでそんなのなかっただろ!?」


予想だにしていなかった目の前の現象に慌てふためく俺。

だからといって渦が収まるわけでもないわけだが…。

何が起きるのか分からず恐怖に怯えること数分。

やがて渦は、ようにではなく実際に透き通った紫色の球体を生み出し何事もなかったかのように掻き消えていった。


ボトッ。


何かが俺の右手から落下し草原を転がる。

転がる何かを追いかけるように目で追った俺はそれがまるで宝石のような綺麗な球体であることに気づく。

その球体は太陽の光に透かされながら光の方向に鮮やかな紫の影を作っていた。

俺はそれを拾い上げ鑑定をかける。


【紫華の輝玉】

[魔物が一定以上の毒素を排出した際に生産される宝石。魔物の持つ毒素が強ければ強いほどに生産される輝玉は美しく透き通り、光を浴びると鮮やかな紫の影を作り出す。]


「おぉ?おおっ!思わぬ副産物!」


咄嗟に拾ってしまったものの危険物でなかったことに安堵すると共に宝石という単語に喜ぶ俺。

なぜ今回だけ生成できたのか、それは途中から連続して浄化をしていたせいで一定以上とやらの毒素が溜まっていたからだと思われる。

後半の説明文に当て嵌まるような美しさを持っていることからこれまた高く売れそうな宝石だ、

元手はタダだし正に棚からぼたもちなわけだな!

またまた運が良い、運が良い…運が良いことは喜ばしいことだが…。


「それは嬉しいんだけどさ…。」


そんな状況とは裏腹に何故かその表情に影を作る俺。

理由?そんなの決まってるだろ…。


[魔物が一定以上の毒素を排出した際に生産される]

[魔物が一定以上の毒素を排出]

()()()


「俺、人間なんだけど……なぁ…。」


そう、魔物だけが作り出す宝石なのにもかかわらず作れてしまったという事実に少しショックを受けていたわけだ。

そりゃ確かに普通の人間なら無理だし使ったスキルも魔物から奪ったものなんだけどね!?

理論上できるのが魔物だけだから魔物がって説明になってるだけなんだろうけどさ!

それでも少し傷ついたのは確かなんだよ!


「はぁ…帰るか…。」


そして最後の最後で小さな傷を心におった俺は少し重い足取りで王都へと戻るのであった。


次回投稿の予定ですが活動報告の方に記載していますのでご確認ください!


ブックマーク、レビュー、感想、どしどしお待ちしておりますのでよろしくお願いします!

また誤字脱字等も教えていただき気付き次第直していきますので教えていただきますと幸いです!


(面白いと思っていただけたらブクマだけでもしていってくださいね…!)ボソリッ

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