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~ 幕間 ~ 大きな一歩

かなり短くなってしまってますが綺麗な区切りで新章を始めたかったのですみません!

「汝の行かんとする道に幸せがあらんことを…。」


司祭の祝詞が終わったことを合図に、俺は教会に設置された創造神を模したと思われる石像へ真面目に祈りを捧げる。

5…6…7…8…。

8秒間しっかりと祈りを捧げた俺は閉じていた瞼をゆっくりと開け、司祭へと一礼をした。

これで成人の儀は終了だ。

俺の一礼に司祭もまた優しくこちらに微笑む。

俺は最後にもう一度祈りを捧げ教会を出るとそのまま自宅へと戻った。

次に自宅から出る時、それは俺が旅立つ時だ。

俺は自宅で待っていた両親達に無事成人の儀を終えたことを伝えると両親達は俺を祝福してくれた。

俺は3人にありがとうと返事を返し、ついに旅立つことを伝えた。


「うむ、レオンはもう成人となった。なら止めるつもりはないぞ!世界を巡って色んなことを学んでくるといい。いつか本気の俺から一本取れるくらいに強くなっていることを期待しているぞ?」


父さんが鼓舞するように俺の旅立ちを肯定してくれる。

いや…本気の父さんに勝つとか国のTOP7に入れるくらい強くなれってことですやん…。

俺の呆れ顔を見て母さん達は笑っている。


「ふふふ、少なくとも魔法の才覚はまだ16歳なのに私なんかとっくに追い抜いっちゃったし、アインに剣で勝てる日もそんなに遠くなかったりするかもね!」


「そうですね。レオン様は今日まで沢山の鍛錬をされてまいりました。その努力は決して裏切ることはありませんから。」


2人の称賛に嬉しさ半分恥ずかしさ半分といった複雑な気持ちになる俺。

確かにこの十数年間俺は毎日一流の鍛錬を受けてきた。

特に魔法の鍛錬はここ数年で飛躍的に成長したと謙遜抜きに自分でもそう思う。

だけど…。


父さんのステータスはまだ覗けたことが一度もないんだよな…。


そうなのだ。

母さんのステータスは俺が十四歳の時に覗けるようになったが、父さんだけは俺が生まれて十六年もの間、ステータスはおろか未だに気配探知に成功した試しもない。

風呂のためだけにバケモノじみた強さを持つ魔物を倒してくるくらいだからそれだけ隔絶とした実力差があるということなんだろう。

それでもいつかは一泡吹かせてみたいと思ってしまった自分に俺は苦笑し、母さん達にいつか超えてみせると答えると昼の時間を伝える鐘がなった。


「さて、そろそろ時間のようだな?」


「そうね、ここから王都まで早くて5時間くらいかしら?夜には門が閉まっちゃうしギリギリに着いても宿が見つからないかもしれないから頃合かしらね。」


母さん父さんの言葉に俺は頷き椅子から立ち上がる。


「うん、道中なにがあるかわからないからね。そろそろ行くよ。父さん、母さん、ミューラ、今日までありがとう!これで永遠にお別れってわけじゃないけど俺、父さんに勝てるくらい強くなってみせるから待っててよ?」


「はははっ!楽しみに待ってるよ!俺もカレナもカイルもクロエもミューラも俺達家族はお前の成功と安全を祈っているよ。」


「そうね、アインの言う通りだわ。それに王都なら会おうと思えばいつだって会えるくらいの距離だからね。」


「ええ、いつでもレオン様のお帰りをお待ちしてますよ。次にお会いするときは冒険者としての思い出をたくさん聞かせてくださいませ。」


みんなが俺の背を押してくれているかのような温かい声援をくれる。


「じゃあ行ってくるよ!」


俺は冒険者になって世界を巡る未来に想いを馳せながら俺にとって大きな一歩となる第一歩を踏み出したのであった。


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