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第13話 異世界にて新世界の扉を開ける

「んぎゃあ!おぎゃあ!」


あれからどれくらい時間が経ったのかわからないが俺はままならない空腹に目が覚めた。

だが今の俺は赤ん坊。

言葉を話して空腹を伝えることもお腹をさすって空腹アピールをすることもできない。

こんな時自由に出来ない体というのは中々にストレスだと感じる。

なんとかしなければと思って、結果出来たことがこの泣き騒ぎである。

なんというか…その…たしかに赤ん坊なんだが精神は18の精神そのままだから主観的に物凄い醜態を晒しているようでいたたまれない気がする…。

はやく泣き止まないと…。


「んぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!!!!!」


なんでだよ!?!?

俺の意思とは関係なしにより一層強く泣き出す俺。

つまり、精神は育っているとしても赤ん坊としての本能までは抑えることができないってことか?

だれか…はやく俺のお腹を満たしてやってくれ…。

こんな大声で泣き叫ぶことに申し訳なさや恥ずかしさが混じった変な気持ちで待つこと少し、奥の部屋から母さんが慌てたように急ぎ走ってきた。


「あらあらどうしたのー?おトイレかしら?」


「んぎゃあーー!!おんぎゃあぁぁぁぁー!!!!」


違う!違うんだ母さん!俺はただお腹が空いただけなんだ!

しかし俺は泣き騒ぐだけでその意図を伝えることはできない。

動きを加えてみるか!?

だめだ!これじゃ駄々をこねるだけにしか見えない!

というかトイレって聞こえたけどこの世界にもトイレがあるのか?

それとも翻訳スキルで都合のいい言葉に変換してるだけか?

泣き騒ぎながらジタバタ動きスキルの考察をするという器用なことをしている俺。

そこにもう一人、俺が生まれた時母さんと父さんと一緒いたケモミミの人がやってきた。


「カレナ様、レオン様はきっとお腹を空かせているんですよ。レオン様がお生まれになってから7時間ほど経っておりますがまだお食事を取っておりませんからね。」


「なるほどミューラ!そっかそっかお腹が空いていたのねー?ちょっと待っててねー」


ナイスだ!ケモミミの人!

俺が伝えたかったことが伝わったことに内心ガッツポーズをとる。

ケモミミの人の名前はミューラって言うらしい。

よし、覚えておこう。

俺の心を見抜いてくれたミューラに感謝して食事を待つ。


「はーい。待たせてごめんねー。」


この日俺は新世界を見た。

俺は失念していたのだ。

赤ん坊の食事が一体なんなのかということを……。

赤ん坊が生まれて初めてお腹にいれるもの。

つまりは…。


「たくさん飲んで元気に育つのよー!」


お◯ぱいである。

母乳、ミルク、お乳、呼び方ことそ数あれどつまり!

お◯ぱいである!!!!!!

ふふ、やましい気持ちと本能は別ってことか…。

頭を埋めるも吸い付くのもこれは食事をするためだから仕方ないんだ。うん、仕方ないんだよ。うん。

おっと、これ以上語るというのは野暮ってもんだな。

最後に一言だけ。

ありがとう神様。ありがとう異世界。

俺は異世界で初めてとる食事をある意味で楽しんだ。



神界


「……なにかすっごく失礼な感謝をされた気がしたんじゃが気のせいかのう…?」


「うわーん!おじいさま!もう疲れたよー!休憩したいよー!」


「ん?これエルフィーナ!これは罰なんじゃからダメじゃ!これでも甘い方なんじゃぞ!」


「うぅ…わかりました…。」


「……うむ、きっと気のせいじゃな…。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


けぷっ。ふぅー異世界って素晴らしいわ。

()()()()()を終え満足気に息を吐く。

さて、お腹もいっぱいになってひと段落ついたわけだが何をしようか?

あ、そういえばハグルウェットから加護をもらってるんだっけ?確認してみるか。

ステータスって念じればいいんだっけ?

ハグルウェットからのテレパシーを思い出した俺はスキルを確認しようステータスと念じる。

すると目の前に半透明なウインドウのようなものが浮かび上がった。

おお!これがステータス画面ってやつか!

まるで異世界のお手本のような異世界らしいステータス表示の方法に少し感動する。

ちなみにこのステータス画面というのは他人には見えないようになっている。

もちろん俺のように鑑定を持ってる者なら覗くことができるわけだが。

創造神の加護を探し頭の中でスクロールをするように念じる。

お、あったあった。

目当てのスキルを見つけ詳細を見る。


【創造神の加護】

即死、呪いおよび闇属性を元とするバッドステータスの無効化。

他言語翻訳による類似的言語への変換。

魔法関連のスキル熟練度および魔力系ステータスの潜在値大幅上昇。


思った以上にとんでもな効果だった…。

やっぱりトイレって聞こえたのは他言語翻訳のおげらしい。

というか上2つは説明を受けた通りだが最後のやつは一体なんなんだ…。

潜在値だとか色々と聞きたいことはあるが考えたところで仕方がない。

俺は加護を含めたスキル全てに隠蔽を使い文字色が薄い灰色になったことを確認してウインドウを閉じた。


「だうー…」


またチートスキルが増えたことに喜んでいいやら扱いに困ればいいやらわからない気持ちでため息にも似た呟きをもらす。

まぁ呟くといっても赤ん坊だから本当に呟けているわけではないのだが。

とにもかくにもチートの隠蔽は終わった。

にしても赤ん坊というのは退屈だな…。

魔法の習得をしようにも魔法の出し方が分からないから練習のしようがない。

なにかこの時間を有効活用できるようなものはないか…。

魔法スキルを選択しなかったことを少し悔いる。

うーん、どうしようか……あ!

どうしようかと悩んでいる時、俺は鑑定系スキルを選択していたことを思い出した。

たしか【神眼】だったっけ?

全鑑定スキルのセットスキルみたいな感じのスキルだったはずだけど確か各鑑定のレベルを上げていかないと【神眼】のスキルレベルは上がらなかったはずだ。

だったらやることは1つだ!

俺はこの何もすることがない退屈な時間を有意義に使い、最強の将来を掴むため【神眼】のスキルレベルを上げようとまずは物質鑑定のスキルから上げていくことを決めるのだった。



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