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異世界生活魔法で建国物語~精霊と作ろうチート開拓記  作者: AZ
第1章 『初めての村造り編』
8/25

7話 道中②美味しいは幸せ!

よければ、ブックマークと評価をお願いします。

国造りにはまだほど遠いですが、応援よろしくお願いします。

精進して執筆します。

「おはようございます」

「おはよう。少しは寝たかい?」

「ええ…。疲れは取れているので、大丈夫です」


 まあ、あんまり寝れなかったのは、エリーが寝すぎたせいだけどね。

 子供たちも連れ去られた疲れと寝具の寝心地の良さで未だ夢の中だ。


「それじゃあ、朝食の用意でもしますか…何かリクエストあります?」

「リク…なんたらと言うのは分からんぞ?」

「え~と…食べたい料理はありますか?」

「そうだな…あっさりしたものが良いか…?」

「あっさりですか…。そうなるとご飯よりはパンだな」

「パンか…」

「パンは嫌いですか?」

「いや…贅沢は言えんな。パンで良い」

「分かりました。じゃあ、ちょっと用意してきます」


 子供の前でならある程度能力を見られても誤魔化せるが、エリーの前でホイホイ能力を見せるわけにもいかない。

 なので、隠れて能力を使っているのだ。

 理由はって?昨日の時点で『アイテムボックス』から取り出すので…と口を濁したら、アイテムボックス持ちならしょうがない…と何故か理解を示してくれた。


「総合生産…小麦粉、バター、砂糖、塩、ドライイースト」


 材料が揃ったところで水を取り出す。


「素材合成錬金、『食パン』!」


 4斤はある食パンが出来上がる。

 あとは総合生産で、トマトとレタスにハム、卵にきゅうりにマスタード、マヨネーズを出す。

 材料を全て鍋入れて、エリーの下に戻る。


「おまちどう様。さあ、朝食を作っていくよ」


 軽快なリズム合わせてまな板の上で材料を切り揃えていく。

 食パンは耳の部分を切り取ってから32枚に切り分ける。

 切ったパンの1つにはマスタードを塗り、もう1つにはマヨネーズを塗っていく。

 まあ、普通はバターを塗るんだろうが、我が家ではマヨネーズが定番だったのでそうさせてもらった。

 後は、水をよく切ったレタスを置き、ハム・トマトまたレタスと置いてサンドする。

 もう1種類には、卵を半熟で焼いたものときゅうりの千切りにトマトでサンドした。

 最後に斜めに切れば、サンドウィッチの出来上がりだ。

 後は汁物が欲しい。

 俺はエリーに子供たちを起こすのを頼み、テントに入った隙に総合生産で玉ねぎとベーコン、しょうがにニンニク、固形コンソメと塩とコショウにパセリを出す。

 まずは、しょうがとニンニクにパセリを微塵切りにして置く、玉ねぎとばーこんをスライスして、用意はできた。

 鍋にバターを入れ、みじん切りしたショウガとニンニクを軽く炒める。

 そこにスライスした玉ねぎとベーコンを加えさらに炒める。

 玉ねぎが半透明になったら、水を入れて固形コンソメを入れてひと煮立ちさせる。

 そこに塩とコショウで味を整えて、鍋を焚き火から下ろす。

 最後にみじん切りしたパセリを散らしてコンソメスープの出来上がり…だ。


「後は食後デザートにミカンでも出すか…」


 俺は、人数分にスープを盛りつけ、サンドウィッチは大皿に乗せて飾る。

 別に盛り付けたサンドウィッチとコンソメスープをキリンたちにも渡して、まだ起きてこない子供たちを起こしに行った。

 エリーは何やってるんだか…?


「…二度寝してるし」


 子供たちを起こしに行ったはずのエリーは予想通りに二度寝をしていたのには呆れるしかなかった。

 布団…本当に気に入ったんだなー…。

 しかし、幸せそうな顔して…あー…やっぱ美人だなエリーは。


「やっべ、見惚れてる場合じゃなかった。みんな、起きて!朝食の用意できたよ」

「う~ん…おはよう、お兄ちゃん」

「朝~…」

「…おはよう」

「アレ?なんでアタイ寝てんだ?」


 とりあえず、全員を起こして朝食を取る。

 サンドウィッチは好評だったが、コンソメスープは子供たちにはそれほど評価は得られなかった。

 その代りにと、オレンジジュースを要求されて出してあげると喜んで飲んだ。

 エリー曰く、「子供には繊細な味すぎたのだろう…」とのこと。

 しかし、そんなエリーもパンの触感に対し、「こんなに柔らかいパンは初めてだ」と子供のようにはしゃいでいた。


「じゃあ、出発前に3人にはまた枯れ木を拾ってきてほしい。エリーは子供たちを見守っててよ。俺はこれを片付けるから…」

「分かった」

「じゃあ、行ってきまーす!」

「行ってきまーす」

「…行ってくる」


 4人を見送った後、俺はテントやトイレを片付ける。

 と言っても、アイテムボックスに仕舞っただけだけど…。

 トイレの穴は天地創造で埋めなおす。

 後は面倒なので今のうちに食材を出しておく。

 野菜を一通りと、卵や肉や魚類、牛乳やバター、チーズと言った乳製品、香辛料や調味料も取り揃える。

 よし!お昼はふわふわオムライスにしよう。

 俺は手早くチキンライスを作り、後は半熟卵焼きを作る。

 チキンライスの上に卵焼きを乗せた状態でアイテムボックスに仕舞う。

 後は食べるときに出すだけで良い。

 ついでに、ジュース類も竹水筒に各種揃えてアイテムボックスへ。

それにしても…一度でも作った物は生産できると言うので、総合生産で試してみたら、普通に今日まで作った料理を出せた。

 最後に火の後始末をしたところで4人が帰ってきた。


「いっぱい拾ってきたよ~」

「褒めて、褒めて~」

「……ムフー」

「フフフ…3人ともガンバったぞ」

「ご苦労様。これでも飲んで疲れが取れたら出発しよう」


 俺はみんなが集めてきた枯れ木をアイテムボックスに仕舞い、フルーツジュースの水筒を手渡した。


「美味し~い」

「甘~い」

「ングングング……」

「うむ。美味い!疲れが取れたようだ」

「それは、よかった。じゃあ、出発しようか」

「元気一杯だ」

「出発~」

「…行こう」


 歩きながら、エリーにルザーの町やこの大陸についての話を聞きながら移動する。

 まず、ここはハルデノン大陸と呼ばれる4大大陸の1つであり、また、『西の大陸』とも呼ばれている。

 このハルデノン大陸には、東北にサージェンス帝国、西にリグエスタ王国、南西にホービルン大国がある。

 俺たちがいるのは、リグエスタ王国の領土内となり、その中でもルザーの町は大陸の中央よりにある辺境の地である。実はハルデノン大陸の中央にはあるのが『聖浄(せいじょう)の大森林』と言うわけだ。

 ルザーの町からリグエスタ王国に行くまでには馬車でも3カ月はかかる。その間には町や村が7つほどあり、ゆっくり旅をしていけば軽く1年はかかるだろう。


「どうしても、こういう辺境になると賊が多くてな…」

「エリーはサージェンス帝国から来たんだよね?」

「ああ…。辺境でのんびりと余生を過ごそうと思ってな」

「そうか…。だから二つ名を言いたくなかったんだね」

「そう言うことだ」


 つまり、敵国の有名人ともなればバレれば…というヤツだ。

 それにしても辺境に引きこもりと言うのはもったいないよな。


「エリー、家族や故郷は大丈夫なの?」

「…家族も故郷ももう無い…」

「そうか…。俺もだよ」

「…ボクも独りぼっち……」


 そう言うと、ハナコは俺の手を握ってきた。

 そこには、放すまいと言う意思が見えた。

 今はとりあえずルザーの町に向かい、2人の子供を親に引き渡さなくちゃいけない。

 それが済んだら、話してみよう…。

 俺の本当の目的を…。


 太陽が真上に来たところで、ランチを取ることにする。

 と言ってもアイテムボックスから取り出すだけなのだが…。

 人数分のオムライスをアイテムボックスから取り出すと、ケチャップの香りが食欲をそそる。

 作った時の状態で保管できるアイテムボックス。異世界にいて本当に助かる能力だ。


「何この料理?卵ふわふわで中トロトロだ」

「この赤いご飯も美味しい!」

「ハグハグハグ……」

「こんな料理食べたことが無いな。見た目も味も絶品だ」

「オムライスって言うんだよ。これも俺の国の料理だよ」


 そう言えば、俺はこの世界の料理の味を知らない。

 香辛料や調味料もどれだけあるのか…?

 国を造るにしても、どういうコンセプトで作っていくべきか町の建築物を見て知ることで考えていきたい…。


「ルザーの町…明日中に着けるかな?」

「そうだな…この調子なら明日の昼までには着けると思うぞ」

「よし!じゃあ、頑張って歩こうか」

「ねえねえ、またあのお布団で眠れるの?」

「もちろんだよ」

「うおっしゃーっ!頑張って歩くぞー」

「…うん。頑張る」


 気合が入る3人の子供たち。

 布団の力ってスゲーな。


 その日は夕方まで何度か休憩は挟んだものの、昨日よりもかなり歩いたのは言うまでもなかった。

 すでに枯れ木は集めてあったので、子供たちはテントの中で夢の中だ。

 夕食のメニューは、シチューとパンとサラダと…あと、メインディッシュはステーキだ。

 調理中、エリーはそわそわしっぱなしだった。

 ちなみに…キリンたちもウザいほど飛び回っていた。


「夕食出来たよー」


 俺の声で子供たちは飛び起きてくる。

 眠気よりも食い気の方が勝ったらしい…。


「それじゃあ、いただきます」

「「「「いただきます」」」」


 それぞれ、好みの料理から食べていく。


「肉…肉がうめーっ!」

「このシチュー…お店で食べたのより美味い!」

「ガツガツガツ…モグモグモグ……」

「何!?このパン。ふわっふわだ」


 みんなの食べっぷりを見ながら食べるのがこんなに嬉しいとは…。

 幸せそうな顔、夢中に食べる顔…見ているだけでこちらも幸せな気持ちになる。


 食事を終え、子供たちはすぐに寝てしまった。

 今日は俺から先に休む。昨日あまり寝ていなかったので、俺もすぐに眠ってしまった。

 さあ、明日はついにルザーの町だ。異世界で初めての町。

 俺は期待に胸を膨らせながら、熟睡するのであった。

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