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異世界生活魔法で建国物語~精霊と作ろうチート開拓記  作者: AZ
第1章 『初めての村造り編』
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3話 聖浄(せいじょう)の大森林と木の精霊王

よければ、ブックマークと評価をお願いします。

「下りてきた場所が『森』か…」

「人里に下りるわけにはいかんからのう。まあ、ここからなら2日もかければ人の住む町に行けるのじゃ」

「今、人里に行っても金も無いし行くだけ無駄だ」


 聖地から降りてきた俺たちは、木々がうっそうと生い茂る森に転移した。

 下りる前にしっかりと目印として覚えておける『シンボルの塔』を建ててきたのだ。


「そこは考えがあるから良いんだけどね…」

「魔物でも狩るのか?」

「いや…総合生産の能力を使うんだ」


 総合生産は俺の記憶や知識にある物を作り出すことができる。

 今作れるのは『素材のみ』である。

 つまり…この世界の『通貨の素材』も作れると言うこと。

 ならば…。


「総合生産…生まれよ、金塊」


 そう。俺が作り出したのは『金の延べ棒』だった。

 これは、地球での記憶を基に作った物だ。


「やっぱり、作れたな。それにしても、こんなに小さいのに重いなぁ…」


 軽く10キロ以上あるんじゃないか?

 俺はこの後も金塊を9本ほど出して、全てアイテムボックスに仕舞った。


「それにしても人に見られないってだけなら他にも場所があっただろうし、ここに下りたのには何か目的があったんだろう?」

「なんじゃ、分かっておるではないか。この『聖浄せいじょうの大森林』には、『木の精霊王』がいるんじゃ」

「そういや、ここはアイツの棲み処だったな。ぎゃははは」

「ボクのこと、呼んだかい?」

「うわっ!?え…え?もしかして、『木の精霊王』?」


 突然目の前に現れたのは、額から角を生やした白い馬…『ユニコーン』だった。


「そう。ボクは『木の精霊を束ねるモノ』だよ。君は人間なのにキリンとケルベロスの能力(ちから)を持っているんだね?」

「はい。契約しました。あ、俺の名前は、タカアキです」

「それにしても、いきなり現れよってどうしたんじゃ、木の」

「キリンとケルベロスの気配を感じて、姿を見せないわけにいかないだろう」

「まあ…そう言われればそうだな」


 どうやら、キリンとケルベロスの力を感じ取って現れたらしい。

 でも、これは好都合と言うモノだ。


「あ、あの…ぶしつけなお願いですが、俺と契約してもらえませんか?」

「契約…まあ、ボクは構わないけど…そうだね、1つやってもらいたいことがあるんだよ」

「何でしょうか?」

「ボクの森に人間がいるんだけど、これが酷い連中でね。人攫(ひとさら)いとか強奪に人殺しなんかをしているんだよ。この森から追い出してもらえるかい?出来たら契約してあげるよ」

「盗賊か…。俺で倒せるのかな?」

「普通にやったら、無理じゃろうな」

「我らの与えた能力を使ってみるのだな」

「能力か…」


 確かに能力を使えばどうにかなるかもしれない。

 でも、俺は過信はしない。

 確実に、安全に事を進める。

 そのためには、何ができるのかを考えなくちゃいけない。


「とりあえず、身を守る物は欲しいよな…」


 今の俺は『総合生産』で素材は作れる。

 そして、素材があれば『素材合成錬金』も可能だ。


「金じゃ重いし…鉄じゃあ防御力が心許ない…。ダイヤモンドくらい硬くて、さらに軽いモノ…確か聞いたことがあった気が……」


 地球の頃の知識を絞り出す。

 そこで俺は思い出した。

 黒鉛(グラファイト)のことを…。


 黒鉛(グラファイト)とはダイヤモンドと同等の硬度を持ちながら軽いという素材だったはず…。

 分かりやすく言うと、鉛筆の芯が黒鉛(グラファイト)でできている。

 でも、軽過ぎても問題がある。俺は出来るかどうか分からないが1つ試みを試すことにした。


「総合生産…黒鉛(グラファイト)。そして、鉄鋼」


 総合生産の能力である程度の黒鉛(グラファイト)と鉄鋼を生み出す。

 ここからが、初の試みだ。


黒鉛(グラファイト)と鉄鋼を合成する…素材合成錬金!」


 2つの素材が混ざり合う。

 俺の頭の中に『新たな素材』が思い浮かぶ。

 それは、地球で作られたことのない『合金』…。

 俺はその名前を高らかに声に出す。


「…生まれよ、新素材『黒鋼(くろはがね)』!」


 言葉とともに生まれたのは、『真っ黒な塊』だった。

 適度な重みがありながら硬度は元の黒鉛(グラファイト)のままだった。


「後はこの『黒鋼(くろはがね)』を…『素材錬金』!」


 素材錬金魔法を使い『黒鋼(くろはがね)』を加工する。

 作り出したのは、『剣』と『鎧』と『盾』だ。


 『黒鋼(くろはがね)の剣』…ダイヤモンド級の斬れ味と手に馴染む程度の重みのある剣。

 『黒鋼(くろはがね)の鎧』…ダイヤモンド級の硬度と適度な重みのある全身鎧。

 『黒鋼(くろはがね)の盾』…ダイヤモンド級の硬度と適度な重みのある盾。


「問題はこの服だな…」


 身体が縮んだことで服はブカブカのままで、このままではせっかくの装備も着ることができない。


「では、我が力を貸そう…」

「え?それってどういう―――」


 ケルベロスがそう言うと俺の身体が輝きだす。

 目が眩むような輝きが収まると、俺の着ていた服がちょうど良いサイズに直っていた。


「これでどうだ?ぎゃははは」

「うん。良い感じだよ。ありがとう、ケルベロス」


 俺は早速、出来上がった武具を装備してみる。

 …うん。軽いし動きもそれほど制限されない。

 これなら身を守れそうだ。


「…次は、計画を立てないとな…」


 今のレベルでは、どう考えても盗賊を相手に戦えないだろう。

 なら能力を最大限に生かし、盗賊を捕まえなくてはいけない。


「戦闘で使えるのは…千里眼と天地創造に空間魔法だよな。…そう言えば、空間魔法はどんなのが使えるんだろう?」


 俺はステータスを呼び起こし、空間魔法をクリックする(したような感じで)。


空間湾曲(ラウムボーゲン)』…ある一定の空間を切り離し、別の空間にくっつけることで空間を捻じ曲げて通った相手を別の場所に移動させる。


次元斬(ディメンションカッター)』…空間を切り裂く魔法。剣を使用時に使うことができる魔法。


 使える魔法だな。良し。まずは敵情視察だ。

 情報はすべてを制す…ってね。


「…千里眼」


 千里眼で森を見渡していく。

 小動物や猛獣に魔物…洞窟や沼などが見える。

 見えすぎると言うのも問題だな…。

 さらに遠方を見ていく。


「ん…?小屋がある。中には…大人が7人。子供が…3人」


 子供の3人は鉄格子の囲いの中に入れられている。

 どうやら、大人の7人は俺が探していた盗賊のようだ。


「もう少し情報が分かればなー…ん?」


 人数だけでなく1人1人の情報が欲しいと思ったその時、俺の目に映る大人の姿にダブるように文字が浮かんでいた。


「…ズイゲル、ブートップ、ドルパ、ダブロイス、ベイロン、エブライ、バリウス…」


 7人の名前が分かる。

 そして名前を口にすると、頭の中に情報が浮かびだす。



◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆



 ズイゲル

 LV.4

 VP:72/72

 SP:00/00

 AP:41

 DP:47

 QP:28

 RP:23

 LP:19


 固有能力(ユニークスキル)

 逃げ足


 ブートップ

 LV.5

 VP:74/74

 SP:00/00

 AP:49

 DP:51

 QP:30

 RP:30

 LP:24


 固有能力(ユニークスキル)

 恫喝(どうかつ)


 ドルパ

 LV.5

 VP:77/77

 SP:00/00

 AP:45

 DP:57

 QP:28

 RP:32

 LP:27


 固有能力(ユニークスキル)

 姑息


 ダブロイス

 LV.7

 VP:78/78

 SP:00/00

 AP:51

 DP:57

 QP:38

 RP:35

 LP:29


 固有能力(ユニークスキル)

 2刀流


 ベイロン

 LV.4

 VP:69/69

 SP:00/00

 AP:41

 DP:46

 QP:29

 RP:21

 LP:19


 固有能力(ユニークスキル)

 器用貧乏


 エブライ

 LV.10

 VP:77/77

 SP:80/80

 AP:28

 DP:29

 QP:41

 RP:49

 LP:37


 固有能力(ユニークスキル)

 風魔法LV.3


 バリウス

 LV.12

 VP:103/103

 SP:00/00

 AP:71

 DP:87

 QP:48

 RP:43

 LP:39


 固有能力(ユニークスキル)

 瞬足 連続攻撃



◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆



 どうやら、バリウスと言うのがリーダーらしい。

 それと、魔法使いが1人いる。

 これは手ごわい相手と言えるだろう。


「でも…これで計画は立てられそうだ…」


 俺は、知恵を巡らして計画を立てることにする。

 

「よし!慎重に事を進めるか…」


 10分後、俺はついに動き出したのだった。

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