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異世界生活魔法で建国物語~精霊と作ろうチート開拓記  作者: AZ
第1章 『初めての村造り編』
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1話 初契約

「ここに…『国』を造る?」

「そうじゃ…」


 周りを見回して、俺はどう答えて良いか分からなかった。

 どこにでもいる…いや並み以下の自分…その上、身体が縮んでいる今の俺に『国造り』と言うのは無謀でしかないんじゃないだろうか?


「確かに、今のお主では国づくりの基礎さえできまい。しかしじゃ…ワシと契約を結べば、その足掛かりとなる能力を使える様になる」

「あ…だから、精霊の王と契約しろって言っていたのか…」

「そう言うことじゃ」


 つまり、10種の精霊王と契約を結べば国造りもできなくないってことか…。

 可能性が出てくると、ムクムクとやる気が出てくる。

 真っ新の平原に自分好みの国を建設する…。

 心が躍る気分だった。


「やる気が出たところで、さっそく契約を結ぶのじゃ」

「どうすればいいの?」

「お主の胸にワシの…光の精霊の印を刻むだけで良いのじゃ」

「じゃあ、一気にやってくれ」


 目を瞑り、胸を張る。


「では、光の精霊印を刻み付けるのじゃ」

「…―――っ。熱っ」


 胸が熱くなるのを感じ、声に出てしまう。

 明らかに今俺の胸に何かが刻まれたのだ。


「もう、目を開けても良いぞ」

「…これが、『光の精霊印』?」


 丸い円の中に五芒星が描かれていた。


「それで、ワシの能力が使えるはずじゃ。ステータスオープンと思い浮かべるだけで、お主の頭の中に見えるはずじゃ…」

「…ステータスオープン?あっ…」


 頭の中に文字が浮かんでくる。



◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆



 ―タカアキ フルムラ―

 称号:光の創造主

 LV.1

 VP:27/27

 SP:∞(無限)

 AP:17

 DP:21

 QP:12

 RP:15

 LP:99


 固有能力(ユニークスキル)

 天地創造 空間魔法 転移(ワープ) 空間無限(アイテムボックス) 千里眼 



◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆◇◇◇◆◆◆



 正直なところ理解できたのはLVまでだった。

 その下は俺が知っているステータスとは違っていた。


 カーソルを合わせるような感覚でVPに注視すると、頭に何かが浮かんできた。


 VP…バイタリティポイントの略。生命力をポイント化した数値で表している。

 SP…スピリットポイントの略。精霊の力を使うのに使われる数値を表している。

 AP…アタックポイントの略。攻撃力を数値化して表している。

 DP…ディフェンスポイントの略。守備力を数値化して表している。

 QP…クイックポイントの力。素早さを数値化して表している。

 RP…レジストポイントの略。抵抗力を数値化して表している。

 LP…ラックポイントの略。幸運を数値化して表している。


 天地創造…大地を造り変える能力。地面を盛り上げたり掘り下げたりすることができる。

 空間魔法…空間を削り取る魔法や、別空間に閉じ込める魔法がある。

 転移(ワープ)…一度いった場所をイメージするだけで瞬間移動できる能力。

 空間無限(アイテムボックス)…別空間に物を収納、整理、取り出しができる。

 千里眼…すべてを見通す能力。直進にして4000キロまでの全てを見通す。


 …スゴイ。破格能力のオンパレードだ。

 これが俗に言う『チート』というヤツなのか?

 だが…確かにこの能力だけでは『国造り』をするのは難しいだろう。


「確かに他の精霊王と契約できれば『国造り』も可能かも…」


 前向きに考えないとな。

 とりあえず、今持った能力がどの程度のモノか確かめよう…。


「…『天地創造』!」


 声に出すと、力が溢れ能力の全てを脳内が理解する。

 地球ではそれなりにゲームはやってきた。

 マ〇ンク〇フトや〇物の森やプラ〇ットコー〇ターなどの物作り物のゲームもそれなりにやってきた俺にとって、1から国を造ると言うのはプレッシャーを感じながらもドキワクが止まらなかった。


「…なるほど、地形を思うように変えられるのか…」


 天地創造の能力の真価を知り、俺は戦慄した。

 地形を思うままに変えられると言うことは、山や谷川の流れる場所や湖などの穴の深さも自由自在に作れると言うとなのだ。

 まあ、能力を使えば当然SPを消費するのだが、俺のSPは∞(無限)なので使いたい放題なわけだ。


「試してみるか…」


 イメージして天地創造を発動する。

 平原は盛り上がりを見せて上へと伸びていく。

 わずか数秒で山になる。今度は掘り下げて穴を造る。

 イメージするだけで出来る簡単お仕事。俺は、一応元の平原に戻した。


「そう言えば、この聖地の広さってどのくらいあるの?」

「ふむ。お主に分かるように言うと…北海道位の広さじゃな」

「広すぎ!?」


 国1つじゃ収まらなくらい大きいよね?歩いても歩いても終わりにたどり着けるような距離じゃなかったわけだ…。


「そうだ…。千里眼」


 声に出すと力が溢れる。

 と同時に、頭の中に周囲の状況が入り込んでくる。

 そこで俺は『ある事実』を知ることになる。


「ここは…地上じゃないのか…?」

「千里眼で確認したのじゃな。そう…ここは『浮島』じゃよ」

「空に浮かんでいるのか…。それで、さっき『地上の者たち』とかって言っていたのか…」

「そう言うことじゃ。ここを『聖地』と名付けたのも地上の者たちじゃよ。地上の者たちはここに来ることを望みながらも叶わぬゆえ、この地に『夢』を抱いていたそう名付けたのじゃよ…」

「でも、どうして国を造ることにしたのさ?」

「ワシはここからずっと地上の者たちを見てきた。幾度となく繰り返される(いくさ)…増える死体と孤児たち…焼け落ちた森など、酷い有様を見てきたのじゃ」

「どこの世界も紛争はあるんだな…」

「そうじゃな。今は目立った戦はないが…人の欲望は尽きぬものじゃ。いずれまた戦は起こるじゃろう…」


 どこの世界でも戦争は起こる…。

 建前上には民のためと言いながら個人の恨みや嫉妬、利益や支配欲など様々な理由で戦争を引き起こし、弱き立場のモノを戦争に駆り立てて自分はただ見守るだけ…。

 どこにでも唾を吐きたくなるような独裁者ばかりだ。

 そんなに戦いたければ自分が先頭に立って戦えばいいのに、自分は安全な場所でぬくぬくとしている。

 みんなが笑顔で暮らせる世界がそんなに嫌なのだろうか?

 ない物ねだりなどしていたらキリがないのに…隣の畑は良く見える…というやつなのだろう。


「つまり、この浮島に『理想郷』を造ろうってことか…それは、遣り甲斐があるな」

「やる気がさらに出たようじゃな…。だが、そのためには…」

「残り9種の精霊王との契約が必須だね。まずは地上に下りないと始まらないか…ってアレ?」


 そう言って地面に視線を向ける。それは『地上』を指してのモノにすぎなかったのだが、その行為が『ある発見』をもたらした。

 千里眼の効果が続いていた眼で地面を見たことで、真下の方に『何かの存在』を感知したのだ。


「どうしたのじゃ?」

「この下に何かがいる…」

「この下じゃと?しかし、この下は土しかないはずじゃが…」


 麒麟の言葉に俺はドキドキが加速する。

 この地面の下にいる『何か』が…俺には必要になると感じたからだ。

 新たな出会いに、俺は胸を高鳴らせるのだった。

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