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07 - 甘いものとお姫様、そして男s’


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 疑似3次元な動きのワニグモは凄まじい機動性を発揮してみせていたが、対するジェンクは空を飛んでいるのだ。

 真の3次元機動が持つ優位性(アドバンテージ)絶対的であり、その姿には余裕すらあった。


 そんなジェンクの姿をバックミラーで確認しながらロベルトはアクセルを踏む。

 適度にブレーキも踏んで、姿勢を制御して道を走る機動車(ヴィーグル)は快調そのものだ。

 と、ロベルトは隣のビルギッタが助手席の天蓋マウントに取り付けられた軍用機関銃に触れているのに気付いた。

 操ろうとしているのか。



「おっと、危ないから触らないでくれよ?」



 暴発勘弁しろよと笑うロベルトに、怪訝な顔を返すビルギッタ。

 支援はしないのですか、と。



「優勢に押してるんだ、要らないさ」



 ロベルトに促されて見上げたビルギッタが見たのは、ジェンクがワニグモを1つ潰す所だった。

 機体の後部、操縦席の辺りに拳を叩き込んで粉砕している。



「な?」



「………軍の最新鋭をあんなにあっさりと」



「相性の問題って奴さ。彼我共に火器を使わぬ格闘戦であれば、より機動性が高い方が勝つってね」



「何故、武器を使わないのですか?」



 ある意味で素朴な質問だった。

 ワニグモも機動車(ヴィーグル)も重火器を装備している。

 だが図ったように、共に撃つ素振りが無い。

 その事がビルギッタには分らなかった。


 ロベルトの答えは簡単だった。



「こんな場所で撃ち合いなんて御免なんだよ、アッチもコッチもね」



 今、機動車(ヴィーグル)が走っているのは埠頭(ターミナル)の直ぐ側だ。

 配管が壁を伝い、コンテナやら荷物が置かれている。

 そう、配管。

 推進剤やら何やらの可燃物などを通す為の配管がされている場所なのだ。

 1発2発が配管を破った程度でどうこうとなる可能性は低いが、それでも、そんな場所で撃ち合いなんて勘弁して欲しい。

 誰だってそう思う様な場所だった。

 特に、相手を殺すのではなく捕獲(・・)しようとしている状況では。



「………」



 ロベルトの説明を聞いて黙り込んでしまったビルギッタ。

 その綺麗な顔を、チラリを見るロベルト。

 俯き加減、暗い顔だ。

 エルフ人特有の尖った耳も、心なしか萎れて見える。

 相手が捕獲を狙ってきている事にショックを受けた ―― 訳では無いだろう。

 只、騒動の原因が自分である事に責任を感じている風であった。



「ん」



 女性にそんな表情をさせてしまった事をロベルトは少し反省した。

 同時に、騒動の1つで傷ついているってのは優しいのだな、とも思っていた。

 南方銀河域のような物騒な宇宙にも行っていたロベルトにとっては、この程度は、正にイベントでしかなかったのだから。


 否。

 ビルギッタの顔を見て思い出した。

 この子は子供なのだと。

 エルフ人は、他の(ヒューマン)と比べて線が細く、若く見えやすい人種だ。

 態度も中々に大人顔負けだ。

 だから誤解していた。


 繊細なのもの当たり前。

 その事に気付いたロベルトは、誤魔化す様に笑う。



「ま、深い話は別にして、気にしない事さ」



「え?」



「人生、成るようにしか成らないからな」



 視線を合わせてきたビルギッタにロベルトはウィンクを1つ。


 ロベルトは事の原因がビルギッタである事を疑っては居なかった。

 だが、事を起こしたビルギッタの素性というものへの興味は無かった。

 どうでも良かった。

 ビルギッタはお客さんだ。

 大事に運ぶべきお客さんなのだ。

 それ以上でもそれ以下でもない。

 女性の素性はミステリアスな方が魅力的だ。

 であれば、全く問題は無い。

 心からそう思っているのがロベルト・バルディニーニという男だった。


 そう言っている間に機動車(ヴィーグル)はエクスモアが泊まる埠頭(ターミナル)へとたどり着いた。

 たどり着いた埠頭(ターミナル)は阿鼻叫喚であった。

 粉砕された気密車(バン・カー)

 伏して動かない人々。

 正に地獄絵図の様相である。



「無事か?」



 その地獄の獄長(ガッセル)は、実にスッキリした笑顔で出迎えた。



「問題なしです。今、ジェンクが追っ手の相手をしてますが、直ぐに合流出来るでしょ」



「ならよし。出航準備はしてある。合流したら出るぞ」



船長(キャプテン)、推進剤は?」



「あると思うか?」



 疑問形ではあるが、疑問ではない現実。


 追手が手を回したのか、それとも戦闘に恐れをなしたのか。

 判る事は1つ。

 エクスモアは空腹のままに飛び立つという事だ。

 骨折り損のくたびれ儲け。



了解(ベーネ)



 ロベルトの声に嘆息が混じっていたのも仕方がない話ではあった。






 オスカーKを飛び出したエクスモア。

 意外なことに、出航に関してはトラブルも無く、あっさりと出来ていた。

 そして今は、取りあえずτ(タウ)を目指して飛んでいる。




「厄介事を追い出したかったのか、それとも後ろ暗かったからか」



 臨戦態勢で詰めていた艦橋(ブリッジ)で、ガッセルが呟いた。

 既にオスカーKからは200天文(コスモ)キロは離れており、追撃の来る気配も、追跡されている様子も無かった。



「後ろ暗いに一票!」



「ケロロ。同意なのです」



 息の合った部下の返事に、ガッセルも苦笑いで答える。



「まっ、そうなるな」



 互助会(ギルド)の管理下にある交易ステーションで互助会会員(トラベラー)が襲われたというのは大事なのだ。

 普通は。

 そもそも、交易ステーションに於ける互助会会員(トラベラー)保護義務だってあるのだ。

 通常であればオスカーKの警備スタッフが襲撃者を捕縛し、調査しなければならない。

 にも拘らず、事情聴取の類も無くエクスモアが出航出来たのはそういう事(・・・・・)なのだろう。


 今、艦橋(ブリッジ)には全ての人間が揃っていた。

 だからガッセルは言う。



「さて、そんな手の広い敵から俺たちはどうするべきか、だな」



 今後の方針を決める ―― そんな考えはガッセルには無い。

 お客さんを目的地まで届けるという事に、一片の迷いは無のだから。

 強欲守銭奴などと同業者には忌み呼びされる男であったが、同時に、信義に違う事を心底から嫌う性根を持っていた。



「近くの交易ステーションに向かうってのは―― 」



「無駄でしょうね」



 ミラに近くの星図を出すように命じながら、ロベルトが答える。

 残余の推進剤から算出される行動範囲が表示される。

 余裕で行ける場所は緑色で。

 割合にギリギリな場所は黄色で。

 それ以外は赤く染められた星図だ。



「あんな辺境の交易ステーションに人を置いてた様な連中ですよ? いっそ、一端は北方銀河域に戻るってのも悪い手段じゃ無いです」



 ビルギッタ達を見ながらの言葉。

 最速でという要求(オーダー)は、最早物理的に無理との判断からだった。

 とはいえ、殴られ(アクシデント)て退くというのも癪に障る。

 だからロベルトは積極的な代案も提示する。



「或は―― 」



 ミラに予め用意させていた航路を白で表示してもらう。

 目的地はτ(タウ)の手前、ρ(ロー)宙域だ。



「―― 互助会(ギルド)が面子の為にも万全をきする場所か」



 星図とは別に、大規模な交易ステーションの情報が表示されていく。

 小惑星をベースに幾つものコロニーを合体させた、巨大な交易ステーションだ。



「ツールロントⅧ。ρ(ロー)宙域での最大の互助会(ギルド)直営ステーションか」



 思案顔で頷くガッセル。

 オスカーKは自治権などしかない交易ステーションだったが故に、干渉され、襲撃されたのかもしれない。

 であれば、別に適当な惑星に立ち寄るというのも手段ではあった。

 だが敵の正体や、影響力が読めない以上は警戒をするに越した事も無いのも事実だった。



「悪くねぇな。退くなんて好みじゃねぇ事しなくて済むのも実に良い」



 マジックハンドで顔を撫でながら笑うガッセル。

 血の気の多さが表に出た、実に悪党顔であるが、これが素でもある。

 その顔のままに確認する。



「予定より遅くなりそうだがコレばっかりは仕方がない ―― という事で良いか?」



「是非も無い事は理解しているし、船長たちが全力を尽くしてくれている事も理解している。こちらこそ宜しく頼む」



 ガッセルの強面に、ビルギッタは内面で腰が引けながらも気丈に答えていた。






 ツールロントⅧを目指すエクスモア。

 その船内は、赤暗い薄明りに包まれている。

 夜間灯だ。

 通常、宇宙船は心身のバランスを取る為、銀河標準時に於ける夜間帯では夜間灯を使用する様になっているのだ。


 そんな船内を歩いているロベルト。

 当直(ワッチ)明けで自室に戻る途中だった。



「ん~♪」



 オスカーKを出てからの航海は順調であり、特に問題は無いからこそ鼻歌交じりに歩いている。

 と、コーヒーでも持って行こうと食堂(リビングルーム)の扉を開いた。

 一般的なテーブルやイスの他に、密閉された船内で少しでも息抜きが出来る様にとソファや観葉植物なども用意されている居心地(アメニティ)の良い空間だ。



「……ん?」



 部屋の明かりを点けようとしたロベルトは、ふと、人の気配に気付いた。

 息を殺しているというよりも、沈んだ風の。

 重い空気だ。



「誰?」



 問い掛けつつもロベルトは疑問を感じてはいなかった。

 ジェンクは当直(ワッチ)

 というか、ガッセルとヴィも含めてロベルトの見る所、今、エクスモアの艦内で感情(ストレス)をこんな形で発散する人間では無い。

 自分も含めて飲んで騒いで忘れる脳筋型なのだから。


 であれば答えは1つだ。



「……あっ」



 暗がりに沈んでいたソファに座っていたビルギッタが顔を上げた。

 酷い顔だった。

 なまじ整った顔をしているからこそ、感情が全て浮かんでいた。



「眠れない?」



「いえ、そういう訳ではありません。ただ……」



 俯く。

 座ったまま、体を小さくしている。


 襲われたのがショック ―― という訳では無いだろう。

 襲われた際には元気溌剌とまではいかないまでも、機敏に対応していたのだから。



「………」



 頭を掻くロベルト。

 と、冷凍庫の事を思い出す。

 良いものがあった、と。



「チョッと待っててな」



 厨房の大型冷凍庫を確認してみると、確かにあった。

 アイスクリームが。

 それも只のアイスクリームではない。

 前に地球(ホーム)へと言った時に買い込んだイタリア製の、1個500クレジットはしようかという高級ジェラードだ。

 ロベルトのとっておき。

 実に美味い。



よし(ボーノ)



 チョコチップ(ストラッチャテッラ)(フラーゴラ)の2つを取り出す。

 スプーンは忘れずに。



「さてさてビルギッタのお姫様。チョッと気分転換をしないかい?」



 ウィンク1つ。

 そしてロベルトはビルギッタを連れ出した。




 幾つかの(ハッチ)を抜け、階段(ラッタル)を登る。

 着いたのは船体後部、格納庫甲板(ハンガー・デッキ)の発着艦管制室だ。



「うわっ!」



 ビルギッタが声を上げたのも当然。

 発着艦管制室は全面が耐爆強化ガラスで覆われた、いわば展望デッキなのだから。

 艦載機の発着艦を管制するため、特に見晴らし良く作られており、まるで星々の中に放り出されたかのように感じさせる場所なのだ。


 目の前に広がる、手を伸ばせば届くきそうな星々に息をのむビルギッタ。

 その目の前にロベルトはカップを2つ、差し出した。



「どっち?」



「え、あ?」



氷菓(ジェラード)さ。俺の故郷の味でね。チョコチップか苺、どっちも美味しいよ」




 一匙一匙を美味しそうに、嬉しそうに食べるビルギッタ。

 笑顔だ。

 選んだのはチョコチップ(ストラッチャテッラ)だった。

 濃厚なミルク味と、アクセントになっている。

 実に良い笑顔だ。


 その笑顔を見ながらロベルトも苺味(フラーゴラ)を味わう。

 程よい甘さと酸味が口いっぱいに広がる。

 正しく美味。



「美味しいだろ?」



「はいっ!」



 掬う、舐める。

 掬う、舐める。

 掬う、舐める。

 幸せな沈黙。


 と、ロベルトのカップは空になっていた。

 残念、とペロリとスプーンを舐めると、そのまま屑籠へと放り込む。

 見れば、食べ終わったビルギッタも幸せな顔をして余韻に浸っている。

 その顔から影は消えている。



「……悲しい時、辛い時は甘いものに限るのさ」



 ロベルトの独白。

 だが返事が返された。



「何も………何も聞かないのですね」



 漏らすように呟き。

 その湿り気をロベルトは優しく受け止める。



「誰だって秘密の1つや2つは抱えてるものさ」



「でも、私が……私は………」



 ビルギッタは今まで荒事と縁のない人生を送って来た。

 だからこそ、オスカーKでの事はこたえたのだ。

 その場では勢いで乗り越えられたが、冷静に考えた時、自分が他人を危険に巻き込んでしまったのだと、怖くなったのだ。

 辛くなったのだ。

 何も説明をせぬままでいた事を。



「そんなに悲しそうな声をだしなさんな。聞いてほしいなら幾らでも聞くさ。だが触れてほしくないなら絶対に触れない。特に女性のはな。それが(ウォーモ)の甲斐性って奴だ」



 笑うロベルト。

 だがそれは甲斐性というよりも誠意であるとビルギッタは思った。

 だからこそ、口を開く。



「聞いて下さい」



 決意の籠った眼。

 青い蒼い眼。


 ああ、綺麗だなとロベルトは素直に関心していた。






 改めて艦橋(ブリッジ)に集まった一同。

 その前に背筋を伸ばし、力を入れて立つビルギッタ。

 ヴィが何かを言いたそうにするが、それを手で制して口を開く。



「私の正しい氏名(フルネーム)はビルギッタ・エルフィン=Ⅶ・ヨーコ。察してはいたでしょうが、エルフィン帝政連合がヨーコ宮家の3女です」



 ヨーコ宮家。

 姓に宮の号が付くのはエルフィン帝政連合には3つしか無い。

 ラーラ宮家とチーク宮家、そしてヨーコ宮家。

 それは、西方銀河τ(タウ)域に巨大な版図をエルフィン帝政連合をしろしめす帝室である事を示しているのだ。

 そしてエルフィン=Ⅶの名が意味する事は、帝政連合の第7帝位継承権者という事を示していた。



「本物のお姫様、か」



 驚きと納得とをない交ぜにした表情で呟くロベルト。

 態々護衛が居た事。

 狙われていた事。

 所作の端々から見える優雅さから良い所のお嬢さん ―― 帝室に近い家の人間ではなかろうかと予測していたが、まさか、その帝室の人間であるとは思っていなかったのだ。



「氏素性を述べずにいた事を、先ず、お詫びします」



 ビルギッタが氏素性を隠していた理由は、簡単。

 というか当然である。

 生き馬の目を抜く様な奴が横行するのが独立商人(トラベラー)なのだ。

 そんな相手にポンポンと氏素性を明かしていては、厄介事を引き寄せるだけなのだから。

 身分に惹かれる奴も居るだろう。

 或は逆に、ビルギッタを捉えて貴族派に売ろうとする奴も居るかもしれない。

 正しく自衛行為だった。


 だが、オスカーKでの出来事からビルギッタはロベルトらG・ウォーカー社の面々は信じるに値すると知った。

 だから謝罪するのだ。

 氏素性を明かすのだ。


 そんな、腰を折って謝罪する姿の優雅さにロベルトはドレス姿を幻視する。

 昔、郷愁を覚える程の昔にやってた仕事でロベルトもお嬢様って奴と知り合う事もあったが、今、ビルギッタが見せる程の品位を身に着けた奴は居なかった。

 これが本物(・・)なのだと、その凄さに深く感心していた。


 そんなロベルトの驚きは他所に、ヴィの補足を受けながらビルギッタの説明は続いていく。

 襲って来た相手はエルフィン帝政連合軍の貴族軍(シルバー・フォース)

 ビルギッタの身柄を確保して、ヨーコ宮家、帝室との交渉のカードにする積りであろう事。

 それ程に今、エルフィン帝政連合内に於ける帝室派と貴族派の政治的対立は激化しており、或は、沸点に達しようとしているのだった。



「政治の季節って奴で終わりそうにねぇのか」



 顎をマジックハンドで掻きながらガッセルが嘆息する。

 小競り合い程度ならまだしも、全面戦争は厄介だと考えていた。



「貴族派の首領、いえ、首魁(・・)のギュルトガル公爵は我が国随一の大身です。その誇りが帝室の風下に立つ事を是としなかったのです」



 エルフィン帝政連合に於ける貴族の力は大きい。

 特に、貴族の筆頭たるギュルトガル公爵ともなれば、3つの宮家を集めても尚、届かぬ程の財を持っていた。

 私兵(シルバー・フォース)を持っていた。

 それは帝室禁衛軍(ゴールド・フォース)よりも強大だった。


 だから、だ。

 ギュルトガルト公爵は馬鹿馬鹿しくなったのだ。

 自分よりも財も軍も持たぬ相手に頭を下げる事が。



「欲望ってのは厄介だな」



「ケロロ。手の数より多いものを欲しがる奴は何処にでも居るものですよ」



「特に、持つモノが多いほどにだな?」



「ケロロ。その通りですよ」



 笑う、G・ウォーカー社の面々。

 そこに陰性のモノは無い。

 状況に変化は無い。

 だが状況の詳細が知れた。

 それだけで随分と変わってくる。

 変える事が出来る。


 ニヤリ ―― そんな擬音が似合いそうな、男臭い笑みを浮かべるガッセル。



「ありがとよお嬢さん、お蔭で状況が見えてきた」



「私は皆さんに嘘をついてました。感謝を頂くのは………」



「気にするな。俺たちの業界(トラベラー)で客の事情を詮索する奴は野暮助なのさ。お嬢さん、アンタはウチに仕事を頼んだ。金を払った。そっから先は任せときな」



 親指を立てて見せるロベルト。

 ウンウンと頷いているジェンク。


 その様にビルギッタは強い安心を感じた。

 だからもう1度、深く、頭を下げていた。



「よろしくお願いします」



 そんな主の様をヴィは優しく見ているのだった。





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