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東方天風譚「裏」風神録編 ~Wind of the guidance and true faith~ 1・21   作者: 新景正虎
第一章 復讐する雨神の脅威と現代の風使いコンビ
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早苗の式神?

 そんな、羨ましそうな早苗の言葉を聞いた嵐はふと、ある事を思いつく。

「‥‥あんたも一応、神に仕える身なんだから、その化身か何かをあの二柱ふたはしらの神に創ってもらえばいいんじゃない?」

「う~確かにそうかもしれないですが‥‥神奈子と諏訪子様の化身って蛇と蛙ですよ~なんていうか‥‥あまり様にならないような気がするのです‥‥」

「ふむ‥‥」

 そう言われ、ふと嵐は思い浮かべてみる。まずは八雲紫の式である八雲藍やくもらんと、その式であるちぇんのような式神‥‥

「‥‥東風谷様、ここはわたしにお任せください」

「さなえさま~さなえさま~」

‥‥‥だめね。藍はともかく、橙のような式だと、完全に諏訪子とキャラがかぶるわ‥ただでさえ、あたしとあの『妖狐』は名前がかぶっているっていうのに‥‥そうなると‥

 そう思いながら嵐は更に想像する‥‥例えば、人間よりもはるかに巨大な蛇か蛙の上に立ち、それらを手足のように操る早苗の姿‥‥


「‥‥さあ!行きますよ!」

‥‥げこげこ‥げこげこ~!‥‥‥

‥‥しゃー‥‥しゃー!‥‥


 あるいは天地を埋め尽くすほどの数の蛇と蛙を呼び出し、それを弾幕として妖怪と戦う早苗‥‥


「これが!わたしの!弾幕です!」

 ‥‥‥げこげこげこげこげこげこげこ‥‥‥‥

 ~~~にょろにょろにょろにょろ~~~~~~


「‥‥‥」

 どちらにしても、その光景は神に仕える巫女というよりも漫画に出てくる忍者か仙人、あるいは幻術使いのようにしか思えない。

「あはははっ!確かに~」

 その滑稽な光景に、悪いと思いながらも嵐は思わず爆笑してしまう。

「‥‥うぅ~、一応、風祝かぜはふりと言われる身なのですから、やっぱり鳥とかのほうが格好つくと思いませんか~?」

「あはは‥‥まあ、否定はしないわ。でも‥‥諏訪子はともかく、神奈子が鳥の式神を作ってくれる可能性は低いでしょうね」

「ど、どうしてです?」

「神奈子の化身は蛇だけど、同じ蛇神として有名な古代インドの神、ナーガの天敵とされているのが神の鳥『迦楼羅ガルダ』。

‥‥まあ、日本神話とインド神話だから直接の関係は無いでしょうけど、それでも蛇を象徴としている神奈子としては鳥を模した式神は作りたくないでしょうね」

「‥‥そ、そうですか~」

 嵐の言葉にがっくりと落胆する早苗。

「ちなみにこの『ガルダ』日本に入るとカラス天狗に変化したそうよ‥‥面白い因縁よね」

「え?‥カラス天狗ってあの『天狗』ですよね?妖怪の山にもいる」

「‥‥らしいわ、あくまでも一説では、だけど」

「へ、へぇ~」

 そんなやり取りをしながら二人は山に向かって飛んでいく‥‥と、

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