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東方天風譚「裏」風神録編 ~Wind of the guidance and true faith~ 1・21   作者: 新景正虎
第四章 神と現人神、そして‥‥
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天へと還りし、裁きの雷

「‥‥皆!陣!烈!在!‥‥‥『前!』」

‥‥嵐がそれを唱え終わった次の瞬間!九本の金属棒からまばゆい放電が走り出す!とそれによって『正五芒星』と『正方形』と『円』が描かれ、嵐を中心とした巨大な魔法陣が地面に浮き上がる!

「九芒星?の魔法陣‥‥」

 そうつぶやき、その今まで見たこともない形の方陣を、唖然とした様子で眺める早苗。

その、まばゆく輝きながらうねり、たゆたう放電で描かれた『九芒星』の魔法陣の中心に立つ嵐は顔を上げると‥‥

「九とは調和や完全を意味する『三』が『三乗』された数字であり、八百万やおよろずや八坂や八雲といった膨大な数を象徴する『八』よりも大きな数字。それが意味するのは‥‥すなわち永久不変にして無限!」

 そう叫び、上空でこちらを見下ろす時雨子をにらみつけると、大胆不敵に挑発する。

「さあ!かかって来なさい!‥‥あんたに古より伝わりし『還し矢』の逸話を教えてあげようじゃない!」

「くっ!」

その挑発に加え、眼下に見える荘厳な光景と、そこに集まる膨大な力に気圧される時雨子、だが彼女は同時にある事にも気づく。

「‥‥気づいたみたいね。そう‥今ここには、この帯電した金属棒を呼び水に、幻想郷の大地に溜まっていたあらゆる雷の力が集まっている‥そして、その多くは『畏れの力を得たあんた自身が振るっていた力』なのよ!」

「あ‥‥ああっ!」

時雨子はその嵐の指摘に、力を得た自分が雨雲と雷を通じてどれだけの力を放ってきたかを思い出し、戦慄する‥が‥

「く‥そ‥そんなハ、ハッタリ‥‥つ、通じるものかぁぁぁぁ!」

彼女はそう叫び、内心の動揺を意思の力で強引にねじ伏せると‥‥

「く、食らえぇぇぇぇぇぇ!」

そう絶叫して手を振り上げると、全力をこめたスペルカード宣言を‥‥いや、嵐『だけ』を狙って己の力全てをぶつけようとするこれは‥‥もはやスペルカードでは無い!だが、その宣言に『まるで合わせるよう』に嵐は『スペルカード』を宣言する!


大刃刈オホハカリ神渡カムドの‥‥』

『雷符!天へとぼりし‥』

『‥‥剣ィィィィィィッ!』

『‥九頭竜くずりゅうひらめき!』


 その二つの宣言と同時に、大地に描かれた魔法陣の九つの頂点から放たれた九つの雷が、数千の稲妻と共に昇竜のように天へと駆け上がり、天空の雷雲からはマサカリのような巨大な雷が地へと降り下ろされる!

 その時早苗は見た!刹那の一瞬、空全体に描かれた弾幕の軌跡を!そして‥‥


 カッ!


 地降と天翔!刃と竜!二つの雷は空中で激突し、先ほど以上の轟音と閃光がその場を支配する!‥‥しかし!

 次の瞬間には天翔の竜雷の『一つ』が刹那の均衡を打ち砕き、そのまた一瞬後には全意識を攻撃に集中していた時雨子を貫く!

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