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東方天風譚「裏」風神録編 ~Wind of the guidance and true faith~ 1・21   作者: 新景正虎
第四章 神と現人神、そして‥‥
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科学と魔法、融合の鼓動

「な‥何を言っている!」

 その時雨子の叫びを嵐は完全に無視し、早苗に対しては更に続ける。

「‥‥電気って言うのは常にマイナスからプラスへと流れる。だからマイナスの電荷が雲の下部に集まり、地面にはプラスの電荷が集まり、更にそれによって大気が帯電‥つまりイオン化することでそこを通って雷は落ちる。だから『帯電させた大気』と『帯電させていない大気』によって意図的に道を作り、雷をその方向へと誘導すれば‥‥‥この通り、こちらがかわすまでもなく、向こうの方から避けていく」

「そ、そんな事が可能なんですか!」

「‥‥そうね‥‥多分、『科学だけ』あるいは『魔法だけ』では到底できないでしょうね」

「‥‥?」

「‥‥まあいいわ。いい機会だから見せてあげる‥‥人の『知恵』と神の『力』‥‥いえ、『現実』と『幻想』の融合って奴をね!」

 そう叫ぶと嵐は視線を早苗から再び上空にいる時雨子へと移すと、すでに勝利を確信したかのような不敵な笑みを見せ、時雨子を挑発する。

「は、はん!そんな小細工がいつまで続くかしらね!」

 嵐をそう嘲りながら時雨子は嵐を指差し、上空の雷雲から雷撃を放つ。だが‥‥時雨子が放った攻撃は全て避雷針へと吸い込まれ、いくら攻撃してもそれが嵐に当たる事は無い。その様に彼女は次第に焦りを見せ始める。

「くっ!」

 このままでは埒が明かない。そう思ったか、時雨子は攻撃の手を一旦止めると天に向かって両手をかざす。

 すると、上空の雨雲のあちこちが怪しく光り始め、不気味な音も辺りに響き始める。

 それを見た早苗は何かを感じ、思わず身構える。

「何‥?力が集まって‥‥先輩!」

どうやら時雨子は力を溜め、先程以上の規模の雷を落とすつもりのようである。だが、早苗の悲鳴にも嵐は動じない。

 いや!それどころか‥彼女は目を閉じ、両手を胸の前で組むと、何事かを唱え始める‥


‥創造と破壊‥

‥生と死‥

‥喜びと悲しみ‥

‥天の怒り‥‥大地の加護‥‥そして人の叡智‥‥


 そこで嵐は目を開けると、今度は大声で叫ぶ。

「‥‥今こそつどえ!大地にくだりし雷神の力よ!そして天へと翔け上がり!くういろどり、ひらめ九頭竜くずりゅうとなれ!」

 そう叫ぶと、更に何事かを唱えながら両手で印を切り始める。

「‥‥臨!兵!闘!者!‥‥」

そうして嵐が一文字を声にするたび、周囲の金属棒が一本ずつまばゆい光を放ち、放電し始める!

一方、上空からそれを見た時雨子は気づいた。嵐の周りに立てられた金属棒の並びに一定の規則性がある事に。

それは嵐の『背後』、『横と斜め前方のそれぞれ左右』、それに嵐を中心とした『対角線上に一本ずつ』の合計『九本』!

この話に出てくる雷と避雷針に関する描写ですが、一応ネットで調べた知識を基にしていますが、自分は専門家ではないのでこの辺りはかなり怪しいと思います。もし何かおかしい点がありましたらご指摘いただければ幸いです(特に科学に詳しい方)。

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